近年どこの山域に出かけても、ソロハイカーを見かけます。数年前から登山ブームが続いていますが、ソロハイカーの数も増加しているように感じます。
ソロハイクではルートや日程の選択は自分次第。他の誰かに合わせて歩く必要もありません。自由気ままな行動ができる点が一番の魅力です。
ただし、ソロハイクでは、不測の事態が起きてしまった場合、自分自身で問題を解決しなければなりません。グループ登山よりも入念な下準備と、不測の事態に対処するための道具を持ち歩く必要があります。
今回は、ソロハイクに出かけるにあたって、ソロハイクを安全に楽しむために欠かせない道具をご紹介いたします。
ソロハイクの定義とは?
ハイキングに1人(ソロ)で出かけることをソロハイクといいます。ハイキングと、トレッキングや登山との明確な違いはありませんが、一般的にハイキングはトレッキングや登山よりも「山頂を目指すことを目的としない、気楽な山歩き」として認識されています。
ソロハイクにかかせない道具
1.ヘッドライト
日中に行動を終え、日が昇っている内に下山をする予定であったとしても、足を痛めたり、体調を崩したりしてしまった場合、大幅にコースタイムをオーバーしてしまうことも考えられます。動けなくなって、ビバークしなければいけない事態に陥ることも想定しておく必要があります。ビバークとは野外で緊急的に野宿をすることです。
山中で日が落ちてしまうと、辺りは真っ暗!明かりが無ければ何もできません。日帰りの予定でも、ヘッドライトは必ずザックに入れておきましょう。
ヘッドライトにはたくさんの種類があります。個人的には、光を遠くに集中させて飛ばす、ビームモードがついているものがおすすめです。ビームモードならば、暗くなった登山道の先を見通すことができます。夜道を歩くには必須の機能です。
2.ファーストエイドキットとリペアキット
山は街よりも怪我をするリスクが高い場所です。
怪我などの応急処置に必要なものをまとめたのが、ファーストエイドキット(救急道具)です。
また、山では靴やバックパックが壊れることにより、行動に支障が出る可能性も考えられます。ギアが壊れた際に、修理をするための道具がリペアキットです。
この2つは必ず持っていくように心がけましょう。
最低限、持って行ったほうがいいファーストエイドキットの中身は以下になります。
・絆創膏
・三角巾やバンダナ
・包帯
・ガーゼ
・常備薬
・ゴム手袋
・はさみ
絆創膏は軽い擦り傷や切り傷の止血の為に使用します。三角巾やバンダナ、包帯は出血した患部を圧迫して、止血の為に使用したり、骨折やねんざの際に、患部を固定したりするのに便利です。
患部の処置をするときは、ゴム手袋をはめて、傷口に雑菌が入らないようにしましょう。
ソロハイクにおすすめの常備薬は、下痢止め、痛み止め、風邪薬です。持病のある方は、普段から服用している薬も忘れないように持っていきましょう。
リペアキットの中身は下記になります。
・ソーイングセット
・ダクトテープ
・靴ひもの予備
針や糸などがひとまとめになった、ソーイングセットは100円ショップで購入できます。衣類やバックパックなどが裂けてしまった場合に、裂けた箇所を縫い合わせることができます。
ダクトテープはガムテープより粘着力と耐久力が強力なテープです。靴のソールが剥がれてしまった場合の補修などに便利です。
ダクトテープはワンロールをそのまま持ち出すとかさばります。いらなくなったカードやトレッキングポールに巻き付けて、適度な量を持っていきましょう。
3.オールウェザーブランケット
オールウェザーブランケットは様々な用途に使用できる万能シートです。
表面は厚手のポリエチレン素材、裏面にはアルミニウムのシートが圧着されています。
ハイキングの休憩時にはレジャーシートとして重宝します。
裏面のアルミニウムは高い保温効果がある素材です。身体に巻けば体温を逃しません。ビバークをしなければならないような、緊急時に大活躍します。4隅にはハトメがあるので、紐を通して引っ張ることで、タープの様に使用することもできますよ。
4.火器とクッカー
小型の火器とクッカーがあれば、手軽に温かい食べ物の調理ができます。温かい食べ物は消化が良く、身体全体を温めてくれます。また、冷たい食べ物よりも食べた時の満足感を強く感じることができます。
カップ麺やレトルトの味噌汁などの、お湯を沸かすだけで食べることができる食品を、一緒に持っていきましょう。
5.コンパスと地図
登山者が多い山は、一般的に標識がわかりやすく、道も明瞭です。地図を見なくても気楽に歩くことができます。
ですが、山岳遭難の一番の理由は道迷いです。出かける先が慣れた山ではない場合、地図と、コンパスを用意し、最低限の読図ができるようにして出かけましょう。
上の写真のような登山地図は、水場の位置やコースタイムなどの大まかなルートの行程を把握するのに適した地図です。歩くルートを読図する場合は、2万5千分の1地形図を用意するといいでしょう。
まとめ
ソロハイクを安全に楽しむために欠かせない道具をご紹介いたしました。道具を用意するだけで満足するのではなく、普段から応急処置のおさらいをし、読図の方法に慣れておくことが大切です。もしものときの為に、しっかりと備えて、安全なソロハイクを楽しみましょう!