悪天候に見舞われることも少なくないアウトドアでは、クロスカントリー車があると心強い。選択肢は多くないが、4WD専業ブランドであるランドローバーのクルマはどれも有名だ。
なかでも「ディフェンダー(DEFENDER)」は、ランドローバーで最も長い歴史があり、初代ディフェンダーの登場は1990年で、その名も「ランドローバー(LAND ROVER)」だった初期シリーズを含めれば、70年以上にもなる。そして2019年から日本での販売が始まった新型ディフェンダーシリーズに加わったのが、今回テストした3ドアモデルの「90(ナインティ)」だ。
5ドアモデルの「110(ワンテン)」と比べて、全長とホイールベースが435mm短くなった「90」。後席の乗り降りのしやすさやラゲッジの広さで選ぶなら「110」だが、「90」にはショートボディーならではの機動性の良さがある。最小回転半径が「110」では6.1メートル。それに比べて「90」では5.3メートルで、林道では大きなアドバンテージとなる。
さらに、障害物を乗り越えられる角度が「110」では27.8度なのに対し、「90」では31度と、より高性能。少人数でストイックに遊ぶなら、「90」一択といっても過言ではない。
オフロード性能の高さもさすがだが、水深90cmまで走れて、様々な路面状況に対応する4WD制御の選択、ローレンジへの切り替えもダイヤルやスイッチ操作でOK。周囲や車両の状態がモニターにわかりやすく表示されるので、安心して運転できる。オフロードでも汗をかかずに走れるスマートさは、これからのアウトドアライフで重要なポイントだ。
そういう意味で見逃せないのが、車内の消臭機能。ディフェンダーにはパナソニックの「ナノイー」がオプション設定されており、これをつけておけば、高反応成分を含む微粒子イオンによって、不快なにおいの脱臭やウイルス、菌などの活動の抑制に効果を発揮する。移動の時間も気持ちよく過ごせる。さらに、新型コロナウイルスにも抑制効果がある研究中の「ナノイーX」が、今後の製品に搭載されるかも。まだまだ目が離せない!
圧倒的なクロスカントリー性能! 走破性能の高さが外遊びの可能性を広げる
初代ディフェンダーの面影が!
全長4.5m(スペアタイヤ分は除く)のショートホイールベースで小回りが利くのは、アウトドアで大きなメリット。全幅が大きくてもリカバーしやすい。横からの眺めが初代ディフェンダーに似ているのも魅力。
後席にもゆとりあり!
「90」のラゲッジは2~3名用
移動中の車内を清潔に保つ「ナノイー」を搭載!
エアコン設定画面で「ion」のアイコンをタッチすると「ナノイー」が稼働。車内の脱臭はもちろん、菌やウイルス、車の外から入り込んだ花粉やPM2.5も抑制できる。
SPEC:(エアーサスペンション車)
ボディー寸法
全長 4,510mm
全幅 1,995mm
全高 1,970mm
最低地上高 291mm
最小回転半径 5.3m
ホイールベース 2,585mm
トレッド 前1,700mm/後1,685mm
タイヤサイズ 275/45R22
車両重量 2,100kg
乗車定員 5名
エンジン・燃料
エンジン形式 直列4気筒ターボ
エンジン排気量 1,995cc
エンジン最高出力
221kW(300PS)/5,500rpm
エンジン最大トルク 400Nm/2,000rpm
燃料タンク容量 90L
燃料種類 無鉛プレミアムガソリン
燃費(WLTCモード)8.3km/L
トランスミッション
8AT
※構成/櫻井 香 撮影/小倉雄一郎(BE-PAL 2020年10月号より)