虫取りの季節がやってきた!
飛ぶ虫、ジャンプする虫、木を登る虫、ぶら下がる虫…と、様々な虫に出会えるこの季節。虫取りをせずにこの季節を過ごすなんてもったいない!
虫取りは、幼児にとって狩猟採取のDNAを目覚めさせ、そして虫に触れることで日常にはない喜怒哀楽と興奮、そして多くの発見をする時間を与えてくれるのだ。
できればその時間を親子一緒に挑戦して欲しい。そうすることで、得られる学びを親子間のコミュニケーションや関係が日常の数倍アップさせてくれる。
この日は保育園のいつもの活動に、保護者も呼んで一緒に虫取りをした。スタート時は、保護者と一緒のせいかクネクネ、モジモジして元気がない…。ひとりの個性と意志がある勇者達が、すっかり甘えん坊の幼児に戻ってしまったようだ。
そんな心配もどこ吹く風。虫取りが始まった瞬間に、蜘蛛の子を散らすように子供達が元気に田んぼの周りに消えていった。
子供は初めて出会う虫にも、「カマキリは背中をかくのが苦手」とか、「クモは自分より大きなものを噛みつかない」など、その特徴を簡素化してわかりやすく教えてあげることですぐに対象物との距離が縮まる。
その反面、大人は頭で認識している「苦手感」から離れられずになかなか虫との距離が縮まらないのが面白い。大人になるって、意外と不憫なことが多いのだ。
そんな親にも、大切な役割がある。親の心の傾きは、子供にシンクロする。
いつもあと一歩が踏み出せない子供も、親がムキになることでそれにつられて子供も必死になって「おいオニヤンマ!まて~」と大声で叫びながら走り回りはじめる。そして捕獲したオニヤンマを満面の笑みで手にとって僕に見せてくれる。
夢中になって遊びながらたくさんの学びを得られる虫取り。そこに「親の本気」もミックスして、自然遊びの深度を深めてみてはいかがだろうか?
ただ、子供の“今”の心の傾きに寄り添わないと、強制からくる逆効果が発生してしまう。それには注意が必要だ。
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長谷部雅一
アウトドアプロデューサー。
アウトドアイベントの企画・運営を手がける「Be-Nature School」スタッフ。人と自然をつなぐインタープリターとしても活躍中。
著作に『ネイチャーエデュケーション』1300円+税 みくに出版