モンベルの「ムーンライトテント」は「月明かりの下でも素早く、迷わずたてられる」がコンセプトのロングセラーだ。
近年はアニメの影響で注目度が高まっているし、昨年はデビュー当時(1979年)の基本設計を維持しつつドアの形やパーツを見直してリニューアルしたことで話題となり、デビューから40年以上たった今も勢いがあるテントだ。その快進撃は止むことはなく、今秋「ムーンライト」の名を冠した2ルームテント「ムーンライト キャビン4」がデビューした。
横から見ると「ムーンライトテント」を2つ並べたような2つのA型フレームが印象的で、ひと目でモンベルのテントだとわかる。サイズは275×580×H213cm/重量13kg。
「ムーンライトテント4」(260×260×H180cm/重量5.56kg)と自立式タープ「ソレイユ スクリーン」(250×400×H210cm/11.6kg)を並べたサイズ感で、それでいて4kg以上軽くなっている。
既存のライバルたちと比べると決してゆったりサイズとは言えないが、区画サイトに無理なく収まる扱いやすいテントに仕上げている。
インナーテントはあらかじめフックでフライシートに引っ掛けられているので、一度で設営OK! インナーのサイズは250×210×H205 cm。親子4人での就寝にちょうどいい。側面はほぼ垂直に立ち上がっていて、ドア側を足にすればコットを3台置ける広さだ。
ちなみにインナーの三角窓は全開にできるが、フライの三角窓はメッシュを開くことはできない。窓を通して外からテント内にアクセスできないのが少々残念。
「ムーンライト キャビン4」のリビングは十分な広さなのでファミリーキャンプでは取り外す機会はそうそうないが、ペットとの旅などフロアレス+コットというスタイルも定番化しているのでインナーテントが取り外せるほうがユーザーの可能性が広がるのは間違いない。
分割タイプのメッシュパネルを搭載
リビング部分は3方向に大型メッシュパネルを搭載、前面パネルはひさし機能も付いている。
3面のパネルとメッシュパネルはすべて分割できるので、片側だけメッシュにするなど細かく調整できる。風のある日は、風下側を小さく開けてササッと出入りできるのも便利。
うれしいことに2本のキャノピーポールが付属されていて、前面を持ち上げてメッシュを巻き上げればかなり開放的。前面パネルはそのまま持ち上げてもいいが、ファスナーを広げて両サイドを張り綱で落とせば、照り返しや西日を軽減できる。
ローテーブルとチェア2脚、コットを置いても余裕あり。
ちなみに別売のグラウンドシートを敷けば、靴を脱ぎ履きせず寝室とリビングを行き来できるので、小さな子がいるファミリーに使いやすくなりそう。
また、両サイドのドアは「ムーンライトテント4」がぴったりフィットする。3世代キャンプなどインナーテントだけでは手狭なときは、「ムーンライトテント4」を接続することで冷たい風にあたらずテント間を行き来できるというわけ。
春〜秋向きのテントとされているが、周囲にスカートを装備しており、雪がふらない地方であれば冬でも頼りになりそう。
小柄な人でも設営が楽
「ムーンライト キャビン4」は「ムーンライトテント」ゆずりのたてやすさが自慢。背が高く、天井に1本のフレームを通す構造だが、小柄な人でも無理なくたてられるのだから。
設営はまず、インナー付きのフライを広げて、ジョイントが付いた2つのフレームをグロメットに突き刺すことからスタート。
透明のフックをフレームの屋根部分に引っ掛けたら、フライの真ん中にセンターポールを通してフレームの上に乗せる。
透明フックとセンターポールはテントの一番高い部分に位置するが、脇の一番低いところで取り付け、その後、生地を引っ張ってスライドさせながら、順番に天井部分のフックを引っ掛けていけばいい。
4つのジョイントの下にある出っ張りにフライの金具を引っ掛け、フックをかける。あとは位置を微調整してペグと張り綱で固定すれば完成だ。
フレームは同じ形なので迷うことはないし、スリーブに通すのは一部だけなので大型トンネルにありがちな重みや「折れるんじゃないか」という不安を感じることはない。高い位置へのフック取り付けに不安があるけれども、フックをスライドさせることで解決しているなど工夫が光る。
「ムーンライト キャビン4」は、設営が大変そうで2ルーム避けている人にこそ試してもらいたいテントだ。
【問】モンベル https://www.montbell.jp