森のDIY名人!長野修平さんに教わる「二股の枝で作るナチュラルな家具」
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    2021.11.27

    森のDIY名人!長野修平さんに教わる「二股の枝で作るナチュラルな家具」

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    ネイチャークラフト作家 長野修平さん: ハーフセルフビルドの家に越してきて8年目。 この春、裏山に間伐材を使ったゲストルームを自作し、 次は茶室に想いを馳せる。焚き火料理のプロでもある。

    自然の中に宝の山を見出し
    自然のリズムを感じながら暮らす

    丸太や枝、建築廃材などが山積みになったエントランスを抜けると、ガラス張りのサンルームが見えてくる。ここは、丹沢北部の山々に囲まれた、ネイチャークラフト作家、長野修平さんのアトリエ兼自宅。

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    棚には金槌や電動工具が雑然と置かれ、壁には刃物類が行儀良く掛けられている。木箱に収められたクギやヒモの類、削られた木屑(焚き火の焚き付けに使用)に至るまで、無駄なものは何ひとつない。

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    自然の恩恵とともに、日々の暮らしや、クラフト製作を楽しんでいる長野さんは、日常的に庭の伸びた草を刈り、樹木の枝を剪定する。ときには裏山で蔓を払ったり間伐したり。そうした野良仕事すべてが「素材集め」でもある。鳥の羽根や木の実、貝殻など、自然の落とし物も然り。

    「キャンプに行ったときも、宝物を探すように身の回りを見ていると、どんどん材料があふれ、創作意欲が湧いてくる。自然界にあるものすべて、宝の山ですよ」

    そのお宝をどう暮らしに取り入れているのか。

    「もともとの素材感を活かすほど、ナチュラル感が出ると思うんです。板よりも丸太、丸太でも皮がついたもの。同じ竹細工でも、表皮がついたままのほうが、より自然の風合いを楽しめる」

    何を作りたい、よりも、形を見て、その形に合わせて「作る物」を見立てるのが楽しいのだと話す。

     

    長野修平さんの3つのこだわり

    1  自然のものをそのまま取り入れる

    2  自然の形に合わせて作るものを考える

    3  何度も活用できるようにする

    「この枝の二股はフックにいいなとか、この流木は幅が広いから棚にとか、なるべく加工しないで作るのが大事。自然を模写して作るんじゃなく、自然をそのまま持ち込みたい。なおかつ、観賞用ではなく、使われることを前提にした“用の美”が好きなので、いつでも生活に必要な物を作っています」

    長野さんの自宅には自然があふれている。枝を利用したコートハンガーにシーグラスのライト。どれも道具として機能している。

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    枝のコートハンガー。

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    シーグラスで作ったペンダントライト。

    今回は、そんな自然を家に持ち込むための、長野流の道具作りを教わる。

    「人工的な素材は劣化するけど、自然素材は使うことでエイジングされ味が出る。オイルを塗ったりと手入れは必要だけど、それも楽しい。まずは身の回りの素材探しからはじめてください」

    長野さんが自然素材で作った「ナチュラルな家具」

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    枝の二股を利用したペーパーホルダー。

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    ヒノキの間伐材を貼り合わせて作ったLEDライト。

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    流木を組み合わせた棚。

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    二股枝を使ったオープン棚。

    二股の枝で作る「壁掛けフック」の作り方

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    壁や扉に(上向き45度に)釘を打ち、裏側の穴を引っ掛ければ、まるで玄関の扉から枝が生えたように。長野さんは鞄や帽子の壁面収納に利用している。

     

    用意する道具類

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    左からノコギリ、小型の斧、DIY用のステンレス刃のナイフ、仕上げ用のエゴマオイル、インパクトドライバー、タワシ。

    作り方

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     枝から使いたい二股の部分を切り出す。

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     モノを掛けるほうを少し短めにするとバランスがいい。枝の太さはお好みで。

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     壁側になるほうを縦に割る。刃を枝の中心に当てて割り取り、平らにする。なるべく真っ直ぐな枝を見立てておくと楽。

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     凹凸がある場合は、斧で断面を小刻みに削って平らにならす。刃が丸いと中心部がやや凹むが、壁にかけたときにちょうどいい。

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     枝の先端はナイフで削って角を取る。紙ヤスリなどはかけないほうが、ナイフの跡が残り、手作り感が増す。

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     平らに削った面に、釘などへ引っ掛けるための穴を開ける。ドリルの刃を木に対して45度の角度で当てること。

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     樹皮をタワシで軽くブラッシングし、余分な木屑などを落とす。樹皮の目に沿って擦ると汚れがきれいに落ちる(写真の木の場合、樹皮の目は横向き)。

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     エゴマオイルを塗って全体を磨き、艶を出す。エゴマやクルミなどの乾性油を使うと、乾くと固まるので水にも強くなる。

    二股の枝を支柱にした「カップボード」の作り方

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    カップ類を吊り下げると便利な「カップボード」。色付きの蜜蝋ワックスにエゴマオイルを混ぜたもので磨いて仕上げている。ボンドなど化学物質を使っていないので、解体して活用することもできる。

    作り方

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     枝の二股部分を2本切り出す(同じ長さに)。二股の枝の先で棚板を支えられるように真っ直ぐ切る。

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     土台の板に取り付ける小枝を数本切り出す。ストッパーになるよう、二股部分を少し残しておく。

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     土台になる板と棚板(サイズはお好みで)の周囲をナイフで削り、角を取っておく。

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     土台に棚板の位置と二股の枝を取り付ける位置を印付け、木ネジを打つ箇所にガイド穴を開ける。

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     ガイド穴に沿って、土台の裏側から木ネジを打ち、二股の枝と棚板を取り付ける。

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     土台の板に等間隔に穴を開け、小枝フックを差し込む。穴は枝より小さくし、枝先を削りつつ差す。

    ※構成/大石裕美 撮影/鍵岡龍門

    (BE-PAL 2021年9月号より)

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