8月4日18時。
銀 座にある長野県のアンテナショップ「銀座NAGANO」で「安曇潤平 真夏の山岳怪談ライブ」なるイベントがおこなわれました。
そ う、山岳怪談で知られる小説家・安曇潤平さんの怪談ライブ。安曇 さんは、怪談作家というよりもご本人が山好きであることから風景 描写がリアルで、読んでいて「ああ、山へ行きたい」と思わ されることが幾度とある(それが怖い理由なんですが)。登場 する場所も、イニシャル(北アルプスK尾根など)でふせ られているにしても、すぐにあそこか!?と想像がつくので、それもまた、楽しくも恐ろしいのです。
しかし、山岳シーズンまっただなか。長 野県のPR施設で、はたして山岳怪談はありなのでしょうか。県のご担当の島津 豊さんも、「これは滅多にない珍しいイベントですよ」とご本人が安曇さんファンであることから生まれたスペシャルコンテンツ。しかも、信州の地酒とおつまみ、そして名物・山賊焼きが無 料でふるまわれるという、太っ腹おまけ付き。イ ベント自体も無料でございます。
まー、 想像上に賑わっていました。山に登る人半分、怖い話好きの人半分。私 のように両方好きな人、ちらほら。
今日は3話話してくれるそうで、始まる前に「ア タックザックはやばいですよ」と聞いていたので、すでに腰が引けている状態。しかも、安曇さんの声が低く淡々としているから、なおさら怖いんです。
「期 待しないでね」とおっしゃいますが、すっ とフロアの電灯が消されると、すでに怖いんですけどー!
1話目が「リフト」
こ れは、長野で蕎麦屋を営む友人と一緒にキ ノコ狩りに出かけた安曇さんが体験したお話。
キ ノコ狩りや山菜採りは下手すると登山よりも遭難する確率が高い。
「登 山は尾根を通るでしょう。キノコ狩りは登山道から外れたところを歩 くからね」(安曇さん)
「俺 の鈴の音が聞こえないところにはいかないでね」と友 人から言われていたが、安曇さんは見つけてしまった・・・マツタケを!夢中でマツタケをとるうちに、すっかり友人とはぐれてしまい、帰 り道もわからなくなった。
「ウ ロウロしていたら、パッと広場みたいなところに出たんですよ」
そこは放 棄されたスキー場跡で、錆びついたリフトを見つけた安曇さん。人工物を見つけたことでホッとして、このリフトに沿って降りていけばなんとかなるだろう、と歩き始める。そのリフトが、いきなり軋みながら動き出す。
キイ、キイ、キイ。
嫌な音とともにボロボロの椅子がゆらゆらと動いて次々とこちらに向かってくる。
驚いてリフトを見つめていると今はまだ遠くに見える椅子に、なにかが座っていることに気付く・・・。
あ、ダメだ。ここまで書いていても怖いので、最後まで書くのはやめときます。リフトの乗っていたなにか、リフトを下った先は、という二重のオチが怖すぎるんですけどーー!!鈴は絶対つけようと心に誓いました。