インド北部のチベット文化圏、ラダック地方。その南東、チベットとの国境にほど近い標高4500メートルに達する場所に、南北28キロにわたる巨大な湖が横たわっています。その湖の名は、ツォ・モリリ。今回、ツォ・モリリの湖畔の村コルゾクに滞在しながら、村の僧院で催された祭礼や、村や周辺の遊牧民の人々の暮らしぶりを取材する機会に恵まれました。
ラダックの中心の街レーからツォ・モリリまでは、車で約7、8時間。レーを出発してほどなく、ラダックを代表する僧院、ティクセ・ゴンパに到着しました。
ティクセ・ゴンパでは、高さ15メートルの巨大な弥勒菩薩像が吹き抜けになった堂内に祀られています。端正なお顔立ちのこの像は、インド政府観光局による国際的な観光キャンペーンのビジュアルイメージにも使われました。
インダス川に沿った細い道を辿って進んでいくと、ところどころに小さな村があって、そこで飼われている牛たちが川辺でもぐもぐと草を食んでいたりします。
インダス川沿いの村の一つ、チュマタンでひと休み。いくつかの商店が集まるこの村には、行き交う車やトラック、バイクの多くが停まって、チャイやメギ(インスタントラーメン)で休憩します。