道沿いにそびえる断崖に、ブルーシープの群れを見つけました。僕たちの目から見ると登る足がかりなどまるでなさそうな垂直の岩壁を、ブルーシープたちはこともなげにひょいひょいと登っていきます。
標高4800メートルの峠ナムシャン・ラで、1台のローカルバスが立ち往生していました。このあたりではありがちなタイヤのパンクかと思いきや、どうやらサスペンション周りに何か問題が生じたようです。車の下に石を挟み込み、何かをガンガンぶっ叩きながら、ほぼ手作業で何とか直そうとしている人々。何というか、すごいサバイバビリティだなあと思います。
峠を越えてしばらく進むと、目の前に綺麗な湖が現れました。これがツォ・モリリ……ではなく、その手前にあるキャガル・ツォという小さな湖です。ラダックのガイドやドライバーたちは、初めてこの地を訪れるお客さんを案内する時、ここで「あれがツォ・モリリだよ!」とお客さんをかつぐのがお約束になっています(笑)。
山本高樹 Takaki Yamamoto
著述家・編集者・写真家。インド北部のラダック地方の取材がライフワーク。2016年3月下旬に著書『ラダックの風息 空の果てで暮らした日々[新装版]』を雷鳥社より刊行。
http://ymtk.jp/ladakh/
山本高樹 写真展「Summertime in Ladakh」
会期:2016年9月9日(金)〜30日(金)(月曜休)
会場:ポイントウェザー
神奈川県横浜市港北区綱島西1-14-18
http://pointweather.net/