チベット暦の6月3、4日、コルゾクの村にある僧院、コルゾク・ゴンパでは、コルゾク・グストルという仮面舞踊の祭礼(チャム)が催されます。祭りの日には、コルゾクの村人たちだけでなく、周辺から多くの遊牧民たちも集まってくるので、僧院の周りはいつになくにぎわいます。
僧院の境内をうろつく仮面姿の少年僧。彼らはアツァラと呼ばれ、観客たちをおちょくりながら、小銭のお布施を要求したりする役目を担っています。
ラダックの他の地域の僧院の祭礼と違って、コルゾク・グストルはかなり特殊で、1日目は僧侶たちは仮面や装束を身につけずに舞を披露し、2日目には仮面と装束を身につけるという形をとります。真剣な表情で境内を回りながら、舞を踊る僧侶たち。地元の観客たちは、その一挙手一投足にじっと見入っていました。
山本高樹 Takaki Yamamoto
著述家・編集者・写真家。インド北部のラダック地方の取材がライフワーク。2016年3月下旬に著書『ラダックの風息 空の果てで暮らした日々[新装版]』を雷鳥社より刊行。
http://ymtk.jp/ladakh/
山本高樹 写真展「Summertime in Ladakh」
会期:2016年9月9日(金)〜30日(金)(月曜休)
会場:ポイントウェザー
神奈川県横浜市港北区綱島西1-14-18
http://pointweather.net/