長野流道具学と一緒に、ネイチャークラフト制作をご紹介。
1回目は、鉈で作る剥ぎ板皿です。
割る・剥ぐ
木の芯を使うと割れやすい。まず、芯からややはずれたところで、丸太(直径10〜15㎝くらい)を割る。
鉈を入れて割れ目を作ったら、その隙間にくさびを挟み、木槌で上から叩くと木の繊維に沿ってきれいに割れる。
ふたつに割ったものを、さらに鉈で2等分にする。このように木の繊維に沿って薄く割ることを剥ぐという。
木に厚みがあれば、さらに剥いで、4枚の板をとることができる。これをさらに薄くて大きくしたものが屋根材だ。
皿の裏側になるほうは、座りがよくなるように整える。まずはへの字になるように縁側を鉈で割り取る。
次に、レンガやブロックで裏側をこすり、接地面を平らにする。これでがたつきがなくなり、物を載せても傾かない。
磨く
木の繊維の溝に沿ってマイナスドライバーを当て、ささくれを引き起こす。刃物だと掘れてしまうので使用不可。
引き起こしたささくれをペンチでつまんで剥がす。だいたい剥がれたら金ブラシを掛け、再度ささくれを剥がす。
木の板をうづくりで磨きながら削ぎ落として木目を浮かび上がらせる。この技法を道具と同じく、うづくりと呼ぶ。
木の繊維の細かい凹凸を残した剥ぎ板皿が完成。磨いているとついつい夢中になってしまいますが、ほどほどに。
教えてくれた人
長野修平さん
ネイチャークラフト作家。薪ストーブ、薪釜、焚き火ピットとほぼ一年中薪を扱うため、鉈は生活必需品。焚き火料理も得意。