布バックや帽子を「蝋引き加工」でアウトドア仕様にリメイクしよう!
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    2021.11.04

    布バックや帽子を「蝋引き加工」でアウトドア仕様にリメイクしよう!

    写真は著者の私物です。

    コーティングされたナイロン素材が世に出回る前に、防水性のある素材として主流だったのが、蝋(ろう)引きの帆布です。

    蝋引きの帆布とは綿素材の帆布に蝋を染み込ませたもの。蝋を染み込ませることで、素材に防水性を持たせ、耐久性もアップします。この蝋を染み込ませる加工を「蝋引き加工」といいます。

    蝋引き加工は、自宅でも簡単に挑戦できます!アウトドアに持ち出すカバン、帽子、グラウンドシートなど、帆布でなくても綿素材のものならば、どのようなものでも加工ができるのです!

    今回は市販のワックスを使用して、蝋引き加工をご紹介したいと思います。

    ワックスについて

    ワックス

    今回使用したのはRapid社のWaxcoatingです。実はこのワックス、著者が防水性のある綿素材のタープを個人輸入した際に、同時に購入したものなので、日本国内では手に入らない製品になります。

    国内で手に入りやすいもので類似品は、FjallRaven(フェルラーベン)社のGreenland Wax(グリーンランドワックス)です。ただし、Rapid社のWaxcoatingがペースト状のワックスなのに対し、Greenland Waxは石鹼のような固形のワックスです。

    著者が使用したRapid社のWaxcoatingとGreenland Waxは、綿素材を加工しやすい配合で、蜜蝋とパラフィンを混ぜ合わせたものです。綿素材を加工するための専用のワックスなので、綿になじみやすく、使用すれば、誰でも簡単に蝋引き加工ができます。

    使用した素材

    トートバックと帽子。

    今回蝋引き加工を行ったのは、帆布のトートバックと、使い古された帽子です。

    元々は真っ黒だった帽子が、退色して全体がグレーになっています。

    帽子のほうは長年の使用により、日焼けで色が退色してしまいました。

    まだらに退色したトートバック。

    トートバックはキャンプで雨が降った時に放置してしまい、一部にカビが生え、ブラシでこすって洗いましたが、まだらに退色してしまったものです。この2つの素材を、蝋引き加工してみたいと思います。

    必要な道具

    必要な道具。

    ・ワックス
    ・ウエス(雑巾)
    ・ドライヤーもしくはアイロン

    蝋引き加工の手順

    加工する素材の汚れを落とす

    加工する素材をクリーニングします。トートバックの表面の汚れ、砂や泥をブラシを使って落とします。帽子は丸洗いできるので、手もみで洗濯しました。クリーニング後は、よく乾燥させます。

    ワックスを塗りこむ

    ウエスにつけたワックス。

    ウエスにワックスを適量つけます。

    ワックスを薄くのばします。

    素材の隅から隅まで均等に、ワックスをのばすように塗りこみましょう。

    グリーンランドワックスのような固形のワックスを使う場合も、手順はほぼ同じです。固形ワックスを、素材に直に押し当てて塗り込みましょう。あまり力を込めないほうが、均等に上手く塗れますよ。

    ワックスを熱で溶かしてしみ込ませる

    ドライヤーの熱でワックスを溶かす。

    素材全体にワックスを塗りこんだら、ワックスを熱で溶かして、素材に馴染ませます。ドライヤーをまんべんなく素材にあてて、表面に付着しているワックスの浸透を促します。アイロンを使用する場合は、当て布を用意し、素材の上に当て布を敷き、その上から、低温、もしくは中温でアイロンがけをしましょう。

    余分なワックスを拭き取る

    ワックスが浸み込んでいない新しいウエスを使って、素材全体を乾拭きし、余分なワックスを拭き取りましょう。

    よく乾燥させる

    直射日光を避けた風通しの良い場所で、2〜3日かけて、よく乾燥させれば、でき上がりです。余分なワックスを拭き取った後、しっかりと乾燥させれば、手で触った際に、ワックスが手につくこともありません。

    蝋引き加工の効果は?

    帽子に水をかけてみました。

    表面を触ってみると、加工前より生地にコシが出て硬くなり、耐久性が上がっています。水をかけてみると、水滴の形がはっきりとわかるぐらい水を弾いていますね。雨を完全に弾くほどの防水性です。

    この光沢!

    全体的に色が退色していましたが、光沢がでて艶を取り戻し、見違えるほどに、見栄えが良くなりました!

    トートバックのほうも、防水性と耐久性は帽子と同じくらいアップしましたが、素材が厚いためか、帽子ほどの光沢はでず、見た目には大きな変化はありませんでした。

    蠟引き加工はどれくらい持つのか?

    蠟引き加工をした素材にもよりますが、帽子の場合、毎日身に着けていると、1か月ほどで防水性が落ちてきます。ただし、その上から蠟引き加工を繰り返し、ワックスを重ねることで、どんどん防水性は強化されます。ただしそのぶん、素材自体はごわつきが強くなりますね。

    さいごに

    市販のワックスを使用すれば、誰にでも簡単に蝋引き加工ができます。ワックスを塗り、ワックスを熱で溶かす工程を何度も行えば、防水性をさらに高めることもできますよ。皆様もぜひ、お気に入りの綿製品を蝋引き加工して、アウトドアに持ち出してくださいね。

    私が書きました!
    アウトドアライター
    のまどう
    行く先のあてもないバックパッキング、ソロキャンプ、登山が大好物です。とはいえフラフラは出来ず、最近は子供とのキャンプと自宅に並べたギアを眺めての想像の旅に夢中です。千葉の最南端在住。田舎暮らし満喫中。

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