山岳鉄道やケーブルカーに乗って窓からの絶景を堪能し、整備された美しい道でハイキング・トレッキングが楽しめるスイス。アウトドア好きにとって、海外へ自由に旅行できるようになったら訪れたい旅行先の一つですよね。今回はスイス政府観光局主催のバーチャル・ツアーで、ユングフラウ地方のシーニゲプラッテへ行ってきました!冬が訪れる直前、澄み切った空気が爽快な秋のスイスを現地在住の日本人ガイドが生中継で案内。最新のスイスの状況とともに、ツアーの様子をレポートします。
入国には隔離期間ある?マスクは義務?スイスの現状
自宅のパソコンからアクセスし、スイスへのバーチャル・ツアースタート!秋のスイスへと連れていってくれる添乗員は、スイス政府観光局の押尾さんとユングフラウ鉄道グループ在日事務所の金子さん。まずはスイスの現状を教えてもらいました。
スイスでは人口の約50%以上のワクチン接種が進み、マスクの着用は公共交通機関車内では義務ですが、屋外では義務ではありません。スイス人の国内観光はとても活発に行われ明るいムード。また、ヨーロッパ諸国など海外旅行客も好意的に受け入れています。
外国人のスイスへの入国はファイザーなど認証ワクチンを接種している場合、ワクチン接種証明書の提示と指定の入国フォームに登録することで隔離期間なしで入国できます。日本からは2021年11月3日よりスイスへの直行便が週3便で運航予定(スイス・インターナショナル・エアラインズ 成田-チューリヒ)。ただし2021年10月20日現在、外務省が発表する感染症危険情報でスイスを含む多くの国は「レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」。最新の情報は「外務省 海外安全ホームページ」で確認が可能です。
ヴィルダースヴィル駅からシーニゲプラッテ鉄道で山頂を目指す
ここからはスイスから生中継でユングフラウ地方のシーニゲプラッテの旅を楽しみます!ユングフラウ鉄道グループのレモさんが案内してくれたのは、シーニゲプラッテ鉄道の出発地点となる「ヴィルダースヴィル駅」。ヴィルダースヴィル駅はベルン州にあるリゾート地「インターラーケン」より電車で約5分の好アクセスで、ここから標高1967mの「シーニゲプラッテ」を目指します。
シーニゲプラッテ鉄道は1893年に開通した伝統的な路線で、100年以上前の車両を今でも使っているんだとか!木製のベンチシートがずらりと並び、向かい合わせで8人が座れる珍しい客席。大きな窓から素晴らしい景色が望め、観光客は右に左にとシャッターを切るのに大忙しです。最高時速12kmとのんびり登り、シーニゲプラッテ駅までは片道約52分で到着。
「ブライトラウエネン駅」で現地ガイドと合流
途中駅の「ブライトラウエネン」で私たちを出迎えてくれたのは、現地日本人ガイドの幸代さん!ブライトラウエネンはクラシックな駅舎がおしゃれで、トゥーン湖やインターラーケンの街並みを見渡せるベストスポットです。ただし1分しか停車しないので1本見送ってブライトラウエネン周辺を観光し、次の電車に乗るのもあり。
この日の気温は約10度C前後。あいにくの曇り空ですが晴れている日よりも暖かく、手袋は必要ないほどの気温です。幸代さんたちが乗っている便はこの日は満席。夏のハイシーズンよりも便が少ないので混雑する可能性が高く、ハイキングに出かける多くのスイス人のみなさんが乗車していました。シーニゲプラッテ鉄道は雪が降らない5月下旬〜10月下旬頃に毎年運行します。
ユングフラウ三山が目の前に!山頂駅「シーニゲプラッテ」に到着
列車はぐんぐんと登っていき、山頂駅「シーニゲプラッテ」に到着です。駅からの眺めは素晴らしく、アイガー、メンヒ、ユングフラウの「ユングフラウ三山」がどどーんと目の前にお目見え!4000m級の山々は圧巻です。夏も良いのですが、秋なら雪化粧をまとったユングフラウ三山を拝むことができます。
シーニゲプラッテ周辺ではハイキングが楽しめ、初心者向けから上級者向けまで6本のコースから選べます。今回は新しく整備されたウォーキングコース「パノラマフラワートレイル」へ!700種類以上の高山植物が栽培されている「シーニゲプラッテ高山植物園」を通り、山岳ホテル・レストラン「シーニゲプラッテ」を目指す初心者コースです。
シーニゲプラッテ高山植物園は約8,300平米の敷地に6月〜9月の期間で時期によってさまざまな花々が咲き誇り、ベストシーズンは7月。バーチャルツアーが開催された10月はほとんどお花は咲いていませんでしたが、幸運にも白く可憐なスイスの国花「エーデルワイス」を見ることができました。
整備された道を歩いていくと、見えてきたのは巨大なフレーム。思い出の写真を撮影できる「ネイチャーシネマ」というフォトスポットです。幸代さんもポーズを決めてパシャり!
ネイチャーシネマのすぐ隣には大きなカウベルが5つ並んでいて、その中の一つに日本の国旗がついたカウベルを発見!これは2014年、天皇陛下が皇太子時代に日本・スイス国交樹立150周年の日本側名誉総裁としてスイスを訪問された際、この地を訪ねられた記念に贈った「メモリアルカウベル」です。
宿泊・食事が楽しめる山岳ホテル・レストランがゴール
気持ちよくハイキングを楽しみ、ゴールは山岳ホテル・レストラン「シーニゲプラッテ」。100年以上営業している伝統的な宿泊施設で、テラス席もあるレストランでは絶景を眺めながら季節の食事が楽しめます。
狩猟シーズンの秋にはジビエ料理を味わうことができ、幸代さんは「鹿肉のミートソースパスタ」を堪能。レストランでさばいているという鹿肉は新鮮で臭みがなく、デザートには天皇陛下も召し上がったというホームメイドのケーキも味わえます。
ホテルは部屋ごとにデザインが異なり、ヤギやヒツジをテーマにした客室など、スイスらしいインテリアが心をくすぐります。天皇陛下はヒツジの客室をお休み処として使ったそうです!
日帰り客が帰った終電後、シーニゲプラッテは宿泊客だけの特別な空間に。静まり返った大自然を全身で堪能したり、トゥーン湖に沈む夕日を眺めたり。アルプスの山々を望む、開放的なジャグジーも用意されています。入りたい……!
バーチャルツアーの最後は民族衣装を着たアルプホルン奏者による生演奏。のどかで美しいアルプホルンの音色は山々に響き渡り、現地にいるかのような心安らぐ時間を過ごせました。アルプホルンはシーズン中、11:00〜14:00までシーニゲプラッテの各所で演奏されています。
スイスの名峰を望み、初心者から上級者までみんながハイキング・トレッキングを楽しめる「シーニゲプラッテ」。海外の自然に触れたくてたまらない筆者はバーチャル・ツアーを通してユングフラウ地方の大自然を堪能し、その空気を現地で吸いたい!と強く思いました。海外旅行が解禁された時の候補地として、ぜひチェックしてみてくださいね。
・シーニゲプラッテ
https://www.jungfrau.ch/en-gb/schynige-platte/
・スイス政府観光局
https://www.myswitzerland.com/ja/