山深い小谷村に唯一ある、雨飾高原キャンプ場。
昨秋こちらに来たときにホームページを見たものの、インターネット黎明期をほうふつとさせるレトロなサイトで「あー、なんか林間合宿とか飯盒炊さんとか似合うよなぁ……」と、そっとページを閉じていました。
ところが。初夏からFacebookで見かけるようになった写真は、instagramっぽさもあり、「どうした!?雨飾!!」と心がざわざわしていました。特に大々的なリニューアル告知もなかったのに、何が起こってるんだろう。さっそく偵察にいってきました。
日本百名山のひとつ、雨飾山は標高1,963m。西側に連なる北アルプスに比べると地味な印象ですが、小谷温泉側から登ってみるとなかなかにハードかつ面白い山。ブナ林あり、沢あり、岩場とりつきあり、お花畑あり。小谷村自慢の山です。その登山口にあるのが「雨飾高原キャンプ場」。登山者向けテントサイトもあります。
話をうかがったところ、2015年に栂池山荘や雨飾荘なども運営しているおたり振興公社に運営が変わり、今シーズンから昔ながらの田舎のキャンプ場のイメージを徐々に変えていっているとのこと。これからさらにブラッシュアップされていくようですが、いまのポイントを紹介していきます。
1.レンタルテントなどに、スノーピークを起用
「グランピング」なんていうものが流行るくらいに、いまどきキャンパーは道具立てもハイエンド志向なひとも増えています。それに応えるべく、テントも新しいものを。今シーズンはテントだけですが、来シーズンはスノーピークとのさらなる展開も期待できそうです。
2.パン屋直伝の生地で石窯ピザ体験
今年新設された石窯ではピザ焼きができるようになりました。スタッフの石田拓也さんのご実家が北海道でパン屋を営んでいるということもあり、生地にもこだわりあり。トマトソースは自家製、トッピングの具材は小谷産の季節の野菜を使うなど、本気です。生地のばしとトッピングからの体験は2,500円〜で要予約です。ワイン持参でぜひ。
3.流れ星も天の川も。星空ベッドで夜空観察
空気が澄んでいて人工光が少ない小谷村なのですが、標高が高いため霧に包まれてしまうことも多い夜。ところが雨飾高原では星空鑑賞が比較的しやすい環境だそう。その空を楽しんでもらうべく「星空ベッド」を手作り。人家からも離れた山奥だからこその贅沢な夜を。
……と新しくなったポイントはもちろんなのですが、初めて行ってみて思ったのが、各サイトの間に木があったり、高低差がつけられていたり、プライベート感のあるキャンプ場だなということ。昼間は渓流釣りや登山など本格的な山遊びをすることもでき、近所には泉質のいい小谷温泉がある。そういった点でアクティブとリラックスの緩急がつけやすく、連泊するのもよさそう。
夏が終わって、これからは秋の紅葉シーズン。彩りが増すキャンプ場にも足を運んでみてくださいね。
■「雨飾高原キャンプ場」
・期間:6月中旬〜10月末
・予約:ホームページ(推奨)もしくは電話で受付。登山テント場は予約不要
・チェックイン:13〜17時、チェックアウト:10時(ハイシーズンのみ)
・料金:サイト使用料(車1台含む)は平日2,160円、土・祝前日は2,700円、8/6〜20は3,240円。宿泊代は1名1,080円。その他はホームページで要確認。すべて税込。
・問合せ先:雨飾高原キャンプ場 0261-85-1045
http://www.vill.otari.nagano.jp/kanko/index.html
文・写真/村岡利恵
(元女性誌編集者。都会育ちのアウトドア初心者なのに15年小谷村に移住。HÜTTE muu muuとしても活動開始)