愛知県のアウトドアブランド・SOTO(ソト)が、来年に発売する新商品をお披露目した。今回は初となる単独内覧会で、規模を制限して丁寧に説明してくれた。どんな商品が発表されたのか、詳しく紹介しよう。
大型アップデートを遂げたSOTOの新作
今回は4つの新作アイテムをご紹介。
1.大型ヘッドを採用したレギュレーターストーブ

「レギュレーターストーブ Range ST-340」¥8,800
今回発表したアイテムの目玉のひとつが、レギュレーターストーブ Range(レンジ) ST-340。現行のST-310の兄弟分にあたるバーナーで、CB缶を使用していることや五徳の形状などはほぼ変わらず、火口を大きく変更したのが大きい違いだ。

ST-310(奥)の火口は直径45mmなのに対し、新作ST-340(手前)の火口は直径66mmになる。
現行のST-310はコンパクトなヘッドに遮熱板をセットしたデザインだが、新作のST-340は遮熱板とほぼ同じくらいのヘッドが装着されており、現行と比べて拡大しているのだ。

ST-310(左)の火力は2,500kcalなのに対し、新作のST-340(右)は2,800kcalとより高出力に進化。
これがどのくらい違いがあるのか、メッシュプレートを温めて火に当たるところを見させてもらった。左がST-310で右がST-340。見てわかるように、左は中央に熱が集中する一方で、右は広範囲に熱が当たるようになっている。

ST-340(右)は直径11〜19cmの調理器具にぴったりくる。左は従来モデルのST-310。
これにより、大きいクッカーやフライパンでも広い範囲を均一に温めることができるようになった。
ただし、小さいクッカーをT-340で使用すると炎が外へ漏れてしまい、想定外の場所も熱せられる可能性があるため、ST-340を使用する際はむしろ大きいサイズの調理道具で使用するのがいいそうだ。また、シェラカップを温めるのもST-340ではなくST-310で行なってほしいとのこと。

点火スイッチはST-310と同じ場所に配置。
また、ST-310を使用する際に難点とされていた点火スイッチのオプション(点火操作がしやすいレバー)が、ST-340では装着されている。以前までは別売りとなっていたこともあり、愛用者にとっては嬉しいポイントだろう。

ST-310と一緒に使われる人が増えたミニマルワークトップ。
さらに、別売りのミニマルワークトップにもセット可能なので、たとえば小さいクッカーで調理する際はST-310を、鍋やフライパンを使う際はST-340を使うなど、用途に合わせて使い分けるのもアリだろう。
ちなみに、使う用途が異なることからST-340が発売されてもST-310はそのまま継続して販売する。大きい調理道具を使いたくても難しいと感じていた人はありがたいアイテムだ。
2.ハンドルを外さなくても収納できるホットサンドメーカー

「ミニマルホットサンドメーカー」¥6,600(左が販売予定の形に近い見た目)
次はホットサンドメーカーの新作。現行でトーストサンドパンという商品が販売されているが、こちらはハンドルを折りたたんでコンパクトに持ち運べる新しいコンセプトのアイテムである。

本体はアルミダイキャストにフッ素樹脂コーティングを施す。
ホットサンドメーカーの欠点として、本体とハンドルが一体になりコンパクトにできないことがあった。外せたとしても、ネジ式で手間がかかったり、取り外して持ち運ぶため紛失する心配があったり、などが挙げられた。
こちらのミニマルホットサンドメーカーは、ハンドルを開くようにたたむ構造で、外す必要がない。小さく持ち運べるうえに、ハンドルを紛失する心配もないのが魅力なのだ。

転倒を防ぎ、具材を置きやすくした新発想。
また、本体の一方を開ききると、ハンドルがストッパーとなり固定できるようになった。これによってST-310などの上に置いたまま具材を入れたり、揺れなどで同商品が倒れたりすることがなくなる。

本体のサイズは13.6×17.3cm。
構造は中央がくぼんだデザインで、8枚切りのパンがちょうど入る大きさ。中央に具を寄せれば、ボリューミーな状態でも問題なく挟んで食べられる。もちろんフライパンと同じ感覚でこの上で食材を温めることも可能だ。
現在はこれにテフロン加工を施し、焦げ付きにくいように改良を重ねているとのこと。仕上がりが楽しみだ。
3.ミニマルワークトップがより楽しくなるオプション

「ミニマルグリル」¥6,600
ロングセラーのST-310と一緒に使えるミニマルワークトップ。バーナー部とテーブルが一体になったデザインは、多くのソロキャンパーが待ちに待ったアイテムとして空前のブームを巻き起こした。
今回は、そんなミニマルワークトップのバーナー部に設置する鉄板が登場する。

厚みは8mm。一般的な鉄板と比べて肉厚で、ずっしりとした印象を受けた。

表面には縞模様のオウトツ加工を施す。
また、表面にオウトツをつけることで肉がこびりつきにくくなるとともに、余分に出た肉汁を落とし、よりジューシーに仕上げることができるようになった。

ホルダーのおかげで転倒やズレを防止。また五徳から距離があり傷つく心配もない。
ちなみに、余分な肉汁をどこに落とすのかについては現在開発段階で、斜めに置く構造にして低い側に受け皿を用意するのか、流れ落ちないような囲いをつけるのか検討中とのこと。それがクリアしたらソロキャンパーの肉料理がさらに楽しくなりそうだ。
4.Hinotoを安定して置ける脚とケース

「Hinoto スタビライザー」¥2,000

収納すると7×1.5×1.5cmと超コンパクトになる。
今年に発売された新商品で、あまりの人気で生産が追いついていないほど大注目のHinoto(ひのと)。多くのキャンパーから要望があったこともあり、ついに底につける脚が発売される。

「Hinoto 収納ケース」¥2,000(セットは¥8,500)

フィルアダプターと脚を収納するスペースを設けている。
ちなみに、来年はひのと単体での販売は行なわず、ケースセットの販売。ケースのみでの販売もあるため、ひのとだけ持っている人はケースを買い足してもよし。
このケースには、フィルアダプター(タンクにOD缶からガスを注入するアクセサリー)とスタビライザーを収納できるスペースを設けている。また、ホヤとタンクを切り離して収納するため、保管スペーサーを付けなくても済むのも特徴だ。
そのほかに発売される新商品やリニューアル商品

「エアロボトル 300」¥9,900、「エアロボトル 200」¥8,800
注目の4商品以外にも発売されるアイテムがあるので、そちらも紹介しよう。こちらは今年に発売される予定だったチタン製のドリンクボトル。200mlは126g、300mlは151gと非常に軽量に仕上がっている。しかも、価格は両方とも1万円を出してお釣りが帰ってくるお得な商品! ウルトラライトを追い求めている人は必見のアイテムだ。

「ナビゲーターフライパン」¥2,000
2サイズのクッカーとリッド、ケースがひとまとめになったナビゲーター クックシステム。こちらのオプションとしてフライパンが仲間入り。アルミ製で熱伝導率に優れ、クックシステムにスタッキングしてまとめて持ち運べる。フッ素樹脂加工を施して食材がこびりつきにくくしているのも魅力だ。

「フィールドライター」オープン価格

マッチタイプでランタンや蚊取り線香などの点火に便利。
現在発売しているでかマッチがリニューアルし、ミリタリールックなデザインに刷新。現在発売しているモデルはターボタイプだが、こちらはマッチタイプなので、用途に応じて使い分けできる。

「マイクロレギュレーターストーブ FUSION Trek」¥9,900

ガス噴射口を3つ穴(写真左)から1つ穴(写真右)に変更。
OD缶を使った分離型バーナー。一見変更点がなさそうに見えるが、ガス噴射口のパーツの穴を変更し、耐風性と重量は変わらず、火力をあげることに成功した。現行は2,800kcalだが、次は3,000kcalと大幅アップ! 山行での分離型バーナー愛用家にとっては嬉しいポイントだろう。
そのほかにも新作が発売される予定で、来年の4月から順次発売される(一部先行発売するものもあり)。心待ちにしていよう!
SOTO 公式ページ
http://www.shinfuji.co.jp/soto/
※今回登場した商品は試作品のため、発売時には仕様や価格が変更される可能性があります。