アルコールバーナー「TR-B25」は、メスティンで有名なTrangia(トランギア)社の製品。1951年から、ほとんど変わらないデザインで製造されている、アルコールストーブの定番。世界中のアウトドア好きから、長い間愛されている製品です。今回はアルコールバーナーTR-B25の魅力を、愛用者目線でお伝えいたしますね。
アルコールバーナーTR-B25を細かくチェック
TR-B25のつくりは非常にシンプル!画像の左上から時計回りに燃料を入れる本体、火力調節用の蓋、燃料用の蓋のたった3つのパーツから成り立っています。
本体の中央には穴が開いています。中央の穴は、燃料のアルコールを注ぐ、タンク部分です。その周りには細かい穴が円状に空いています。細かい穴はバーナー部分で、使用時はここから炎が噴き出します。
火力調節用の蓋の上部はスライドします。本体の上に取り付け、蓋を閉めることによって弱火、蓋を開けることによって強火になります。
火力調節用の蓋により、ガスバーナーほどではありませんが、TR-B25は火力調節ができます。炊飯の際にとろ火にできるのは便利な機能ですね。
燃料用の蓋は、内側にパッキンがついています。
燃料用の蓋をすれば、本体に燃料を入れた状態で持ち運びが可能です。
アルコールバーナーTR-B25の魅力
アルコールバーナーと同じように、アウトドアでおなじみの火器が、ガスバーナーです。ここからはガスバーナーと比較しながら、TR-B25の魅力をご説明いたします。
1.TR-B25はコンパクトに収まる
TR-B25のサイズは、一般的なガスバーナーと比べるとコンパクトです。
本体は、高さがなく、角ばっていないので、クッカーなどにうまく収納できます。
燃料であるアルコールも、詰める容器を小さくすることで、全体のサイズをコンパクトに収めることができます。使う分のアルコールだけを自身で計算して持ち出すことが可能ですね。
一般的なガスバーナーは、OD缶(アウトドア缶)やCB缶(カセットボンベ缶)を燃料として使用します。OD缶やCB缶はアルコールのように、使用する分だけ持ち出すことはできません。バーナーをたくさん使う予定がなくても、かさばるOD缶やCB缶を持ち運ぶ必要があります。
バックパッキングスタイルのキャンプや、山登りなど、できるだけ荷物を減らしたい場合には、ガスバーナーよりもTR-B25をおすすめします。
2.燃料が手に入りやすい
TR-B25の燃料のアルコールは、国内ではドラッグストアやホームセンターで手に入ります。世界中どこででも手に入りやすい燃料なので、海外に出かける際にも扱いやすいですね。
3.壊れにくい
TR-B25は構造がシンプルなので、故障することがほとんどありません。仕様に半世紀以上変更がないのは、製品として完成されているということです。著者も5年以上使用していますが、1度だけ蓋の内側のパッキンを交換したのみで、大きな故障がなく使用できています。
4.経年変化が楽しめる
TR-B25の本体は真鍮製。真鍮はジーンズのように経年変化を楽しむことができる素材です。購入当初はピカピカとしていますが、使い込むほどに、色が濃くなり、使い込まれた味がでてきます。長年使えば、どんどんカッコよくなるので、愛着が増してきますよ。
5.静かな時間を味わえる
ガスバーナーは燃焼時に「ゴーッ」と音がでますが、TR-B25は無音で燃焼します。TR-B25は、周りへの配慮が必要な、キャンプのサイレントタイムにはうってつけの道具。風や波の音に没頭し、より深く自然を感じたいときにもおすすめです。
TR-B25を使うにあたって必要なもの
ゴトク
TR-B25のバーナー部分の上には、クッカー等を直接のせることができません。クッカーを直接のせると、アルコールの気化が妨がれるため、バーナーの炎が消えてしまいます。そのため、TR-B25の使用には、ゴトクが必ず必要になります。ゴトクはトランギアからも純正のものが販売されています。
TR-B25と併用すると便利なもの
風防
バーナーの部分はむき出しのため、強風時は消えてしまうことがあります。アウトドアで使うことを考えると、風防の併用をおすすめします。
軍手や皮手袋
TR-B25は、使用中と使用後のしばらくの時間、本体が非常に高温になります。素手で触ると火傷してしまうので、軍手や皮手袋などがあれば、便利です。
目盛りつきの容器
目盛りつきの容器があれば、アルコール燃料の残量が簡単に把握できます。
TR-B25の使い方
TR-B25は誰にでも簡単に扱うことができます。使い方をご説明いたします。
1.使用する場所を見極める
TR-B25が使用中に倒れると、こぼれたアルコールが燃焼を続けるので、あたり一面が火の海になります。使用の際は必ず平らな場所で使用しましょう。また、燃焼中は本体が高温になるため、木製の机の上で使用すると、机が焦げる恐れがありますのでご注意ください。
2.タンクにアルコールを注ぐ
TR-B25の蓋を開け、ゴトクを乗せた後、タンクの中央にアルコールを注ぎます。タンクの内側だけでなく、タンクの外側にも数滴のアルコールを垂らすことで、着火がしやすくなります。
3.着火
ライターやマッチなどで着火します。
4.炎が安定するのを待つ
外気温にもよりますが、10秒から20秒ほどすると、本体が温まり、タンクに入れたアルコールが気化します。気化したアルコールは円形に配置された穴から噴き出し、青色の炎が上がります。小さなボディには似合わないほどの大きな炎です!
日中に使用する際、TR-B25の炎は見えにくいので、火傷にご注意くださいね。
おわりに
TR-B25はコンパクトに収納ができ、扱いやすいアルコールバーナーです。飽きがこないシンプルなデザインで、使えば使うほど味がでるので、愛着が湧きますよ!ガスバーナーを既にお持ちの方には、セカンドストーブとしてもおすすめできます!ぜひその使い勝手を体験してみてくださいね。
TrangiaアルコールバーナーTR-B25
使用燃料:エチルアルコール、メチルアルコール
重量:110g
収納サイズ:直径7.5×H4.5cm
価格:2,750円