車中泊は『プチアウトドア』ともいえる楽しさがありますが、いかに良質な寝心地を確保するかが問題です。「車中泊だと安眠できない」という人は、エアマットを使って快適な寝場所を作りましょう。エアマットの選び方や、おすすめの商品を紹介します。
車中泊ベッドはエアマットで簡単に
普段快適なマットレスで眠っている人にとって、ゴツゴツした車中で眠るのは難易度が高いのではないでしょうか。車の中を家のベッドと同じくらい快適にしたいなら、エアマットを使うのがおすすめです。
車の中で眠るときにエアマットがあるとどのようなメリットがあるのか、見てみましょう。
シートの上に敷くだけでOK
エアマットは、空気を入れて膨らませるマットレスです。倒したシートの上に広げるだけなのでとても扱いやすく、床面の硬さや凸凹も気になりません。車中での睡眠を快適にしてくれるアイテムです。
携行性が高いのもエアマットの魅力の一つです。空気を抜けばコンパクトなサイズに収まるものがほとんどで、ムダなスペースを取りません。
車中泊はもちろん、気軽に使えるキャンプギアとして、キャンプ場に持参するキャンパーもたくさんいます。
エアマットの種類
エアマットは、空気の入れ方によって大別できます。定番である『手動式』『自動膨張式』について、それぞれの特徴を見ていきましょう。
自分好みに調節できる「手動式」
手動式は、文字通り自分の手で空気を入れるタイプです。完全に膨らむまでマットレスに付きっきりとなりますが、空気量でマットの厚さを微調整できます。自分好みの硬さに仕上げられるので、寝心地を追求したい人におすすめです。
手動式のエアマットを自力で膨らませるには、かなりの体力を消耗します。とくにエアマットが大きめだったり厚みがあったりするときは、空気を自動で送ってくれるエアポンプがあるとよいでしょう。
エアポンプはマットレスに付属している場合もありますが、単体購入も可能です。アウトドアで使うなら、コンセント不要の電池式や充電式がよいでしょう。
膨らませる手間がない「自動膨張式」
このタイプは、内部に高反発ウレタンフォームといった素材を使うことで自動的に膨らむようになっています。自身で息を吹き込んだりエアポンプで空気を送ったりする必要がなく、マットが膨らむまでそばに付いている必要もありません。
ただし、空気量の微調整は難しいため、購入前に空気注入後の厚みや弾力性を確かめた方がよいでしょう。
自動膨張式のエアマットは女性や子どもでも簡単に扱える上、自然に空気が抜けるタイプもあります。エアマット設置・撤収の手間を少なくしたい人にはとくにおすすめです。
車中泊ベッドにするエアマットの選び方
車中泊用のエアマットを選ぶときは、サイズや厚みが重要です。車との相性や好みの寝心地をイメージして、最適なものを選びましょう。
エアマット選びでチェックしたいポイントを紹介します。
車のサイズに合わせて選ぶ
「大きなマットでゆったり寝たい」と思っても、大き過ぎては広げられません。まずは車のシートをフラットにした状態でサイズを測り、どのくらいまでなら設置できるかを認識しておきましょう。
また、エアマットのサイズを見るときは、『何人で使うか』も想定しなければなりません。1人で使うならシングルサイズで十分ですが、数人で使うならダブルサイズ以上がおすすめです。
連結ボタン付きなら『切り離してシングル』『つなげてダブル』と臨機応変に使えるため、『1人でも複数人でも使う』という人は重宝するでしょう。
寝心地の良い厚さを選ぶ
体を横たえたときに『底付き感』を覚えにくいのは、厚さ10cm以上のマットです。シートの凸凹が気にならず、自宅での就寝環境に近い状態をキープできます。そのままでは眠りにくい車中でも、快適な睡眠を得られるでしょう。
エアマットが薄過ぎると、どうしても底付き感があります。体を横たえたとき一部に負荷が掛かりやすく、落ち着いて寝られません。朝目覚めても疲れが取れていなかったり体に痛みを感じたりするでしょう。
ただし、車の仕様・使用者の体重によっては、10cmでも物足りなく感じるかもしれません。その場合はより厚みのあるエアマットを選ぶようにしましょう。
収納時のサイズで選ぶ
車中泊をするとき、『荷物はエアマットだけ』というケースは少ないのではないでしょうか。ほかの荷物があっても困らないよう、収納時のサイズも確認しておくことが大切です。
厚みがあったりサイズが大きかったりするエアマットは、空気を抜いてもコンパクトにまとまりにくいかもしれません。いざ出発するときに『積めない』ということになれば、エアマットを購入した意味がなくなってしまいます。
一般的なエアマットは、広げたときのサイズとともに収納時のサイズも記載されています。数字だけではイメージしにくい場合、実際にコンベックスやメジャーを持って車に行き、どのくらいのサイズかを体感してみるとよいでしょう。
シングルタイプのエアマット
1人でふらっと出掛けてみたい、そんな人はシングルタイプのエアマットを車に常備しておくとよいでしょう。
車中での寝心地をアップしてくれる、シングルタイプのエアマットを3つ紹介します。
フィールドア「車中泊マット Sサイズ」
総合アウトドアブランド『フィールドア』の自動膨張式エアマットです。本体サイズは60×188×10cmで、1人寝にちょうどよい適度なサイズ感です。
エアマットを広げるときは、マットの両端にある口径約22mmのバルブを開きます。空気は自動で吸入されるため、空気入れの手間がありません。撤収時はバルブを開けてスムーズに空気を排出でき、収納も容易です。
本体表面素材はポリエステルで、汚れが付いてもサッと落とせます。中材にはクッション性の高い高密度ウレタンフォームが使われており、床面の凸凹を伝えにくいのも魅力です。
エアマットは単体でも使えますが、本体横には連結用のボタンも付いています。複数人で横になりたい場合は、シングルサイズを並べて広く使うことも可能です。収納バッグも付いていて、収納時は直径約28×長さ約68cmになります。
- 商品名:フィールドア「車中泊マット Sサイズ」
- Amazon:商品ページ
クイックキャンプ「車中泊マット 8cm」
本体サイズは201×70×8cm、収納時は約20×60×20cmのマットです。中材には高反発ウレタンフォームが使われており、凸凹のある車内でもフラットな状態で眠れます。
また裏面には滑り止め加工が施されており、横たわったときにズレにくい仕様です。2か所のバルブを開ければ自動で広がるため、自分で空気を注入する必要はありません。
ほかのマットとの連結用ボタンが付いていたり専用収納袋・バンドが付いていたりと、使い勝手にも配慮が見られます。もしものためのリペアキットも同梱されているので、うっかり穴を開けてしまったときも安心です。
- 商品名:クイックキャンプ「車中泊マット 8cm」
- Amazon:商品ページ
AKASOOM「キャンプ用 エアーマット」
本体サイズ196×68~70cm、厚さ約7~9cmのシングルタイプのエアマットです。枕一体型なので、別途枕を用意する必要がありません。マットの両側が高く作られており、体が端に寄りにくいデザインです。
空気を入れるときは付属の足踏み式エアポンプを使うと、およそ1分で膨らみます。空気量を調節すれば、好みの寝心地を実現することも可能です。
また本体はナイロン素材と多層構造のTPU材が使われており、防水性・耐久性にも不足はありません。軽い水洗いもできるので、清潔に保ちやすいのもメリットです。
収納時は約32×16cm・約860gとコンパクトになります。連結ボタンで複数のマットをつなげられるので、いくつか揃えておくのもおすすめです。
- 商品名:AKASOOM「キャンプ用 エアーマット」
- 楽天:商品ページ
ワイドタイプのエアマット
家族・友人と広々使いたいなら、シングルサイズでは物足りません。車の大きさに合わせて、広く使えるサイズを選びましょう。
ワイドタイプのエアマットから、おすすめを紹介します。
コールマン「アドベンチャーエクストラデュラブルエアーベッド」
約185×135cmで、ミニバンなどの車内に適しています。厚さは約20cmあるので、体を横たえても車内の凸凹が気になりません。収納サイズは約36×30×9cmで、携行性も良好です。
ただしエアマットを広げるときは、横にあるバルブから自分で空気を注入しなければなりません。電動エアポンプを持っていない場合は、同じくコールマンの電動エアポンプを併せて購入するのがおすすめです。
本体素材は70Dポリエステルが使われ、破裂しにくいダブルレイヤー構造です。同サイズのコールマン製品と比較して、パンク性能・強度ともにアップした仕様です。
- 商品名:コールマン「アドベンチャーエクストラデュラブルエアーベッド」
- Amazon:商品ページ
オンリースタイル「車中泊専用マット ワイドサイズ」
本体サイズは198×100cm・厚さ約10cmです。中材には高反発ウレタンフォームが使われており、バルブを開ければ自動で空気が入ります。
本体表面にはポリエステルが使われており、手触りはサラサラです。汚れが付着しにくいうえに防水性にも優れ、飲み物をこぼしてもサッと拭き取れます。
裏面には起毛生地が使われており、マットに体を横たえたときズレにくい仕様です。触れると温かみがあるため、寒い季節はこちらを表にして使ってもよいでしょう。
収納袋や収納バンドのほか、修復用のリペアキットも付いています。収納時のサイズは、約107×20cmです。
- 商品名:オンリースタイル「車中泊専用マット ワイドサイズ」
- 楽天:商品ページ
DOD「SOTONE NO KIWAMI (L)」
かわいいウサギがトレードマークのDODでは、約208×138cmのエアマットがラインアップされています。中材には高反発ウレタンフォームが使われており、バルブを開けるだけで自動的に膨張する仕組みです。
表面素材はポリコットンが使われており、伸縮性があります。汚れが気になるときはカバーを外して丸洗いできるのも嬉しいポイントです。万が一穴が空いてしまったときは、付属の補修パッチで修復できます。
また、マットとおそろいの枕にはエアポンプ機能があります。エアマットの膨らみが足りないときは、枕をポンプ代わりにして膨らみを足すことが可能です。
本体を付属の袋に収納すると、約70×31×31cmとコンパクトになります。
- 商品名:DOD「SOTONE NO KIWAMI (L)」
- Amazon:商品ページ
シートを倒さず使えるエアマット
ラゲッジスペースに荷物をたくさん積んでしまうと、シートを倒して使えません。この場合は、後部座席に設置できるエアマットがおすすめです。
シートを起こしたままで使えるエアマットを見ていきましょう。
Ceme「車中泊 エアーベッド」
脚付きで、後部座席と前シートとのすき間を埋めるように設置します。後部座席が広く使えるため、シートを倒さなくても快適です。
設置の際は、エアポンプを使ってバルブから直接空気を入れます。エアポンプは本体に付属しているため、別途購入する必要はありません。このほか、枕2個・収納袋・エアノズルも付属しています。
本体素材には起毛タイプのPVCが使われており、さらっと軽い手触りです。耐汚性もあり、食べ物等をこぼしても簡単に拭き取れます。
本体サイズは約142×88×45cmで、収納時のサイズは約28×33×13cmです。
- 商品名:Ceme「車中泊 エアーベッド」
- Amazon:商品ページ
YOUTALLY「カーマットレス」
後部座席の足置き部分にすっぽり入れて使うエアマットです。後部座席の面積が広がり、体を横たえるスペースを確保できます。
本体を展開するときは、自分で空気を入れる仕様です。材質はPVCで、収納袋・電動エアポンプも付いています。
本体サイズは約130×30×40cm、収納時は約30×25cmです。
- 商品名:YOUTALLY「カーマットレス」
- Amazon:商品ページ
まとめ
エアマットがあれば、車中の居住性はぐっと高まります。体を横たえても凸凹や段差を感じにくく、普段と近い状態で眠りやすくなるでしょう。
ただし、サイズ・空気の入れ方・厚さなどはエアマットの仕様によって異なります。車のタイプ・使用人数・価格・素材などにこだわって、ニーズに合ったものを選ぶことが大切です。
車中以外で使いたい人は携行性も重視して、使いやすいエアマットを見つけましょう。