まったくの初心者が、カヤックフィッシングに挑むもようをリアルにレポートするこの連載。第三回は、カヤックの乗り比べです。
前回は、足漕ぎカヤックの「ミラージュ レボリューション13」にて人生初のカヤック試乗体験をさせてもらった。でもせっかくなら違うタイプにも乗ってみて、何が違うのか知りたい。
そこで勧めてもらったのが、同じくホビーキャット社の「ミラージュ アウトバック」というモデル。レボリューション13と比べて横幅が広いのが特徴とのこと。それによって、より安定性が増すが、スピードや操作性はやや落ちるという。とにかく、乗ってみよう!
うーん、やっぱり海の上は気持ちいい。肝心の乗り心地だが、たしかに最初のモデルより安定しているように感じる。だけどスピードはあまり変わらない気がする。まだ初心者だからだろうか。ただ、さっきは少し窮屈に感じたが、これは横幅が広い分、ちょっと余裕がある。脇にドリンクホルダーや、小物がおけるポケットがあるのも嬉しい。
しばらくミラージュアウトバックに乗ってみたが、いたって快適だった。ミラージュレボリューション13にも不満はなかったが(なんせ初体験なので)、アウトバックの方がたしかに乗ったときの安心感がある。
続いて乗せてもらうのが、これまたホビーキャット社の「ミラージュ プロアングラー12」というひと回り大きいモデル。椅子からして違う。さて、これはどんな乗り心地なんだろう。
乗ってすぐに感じたが、これは全然違う。安定感からスペースの広さから、何もかもが別モノだ。これはカヤックなのか、そこら辺の手漕ぎボートより快適ではないか。しかも、カヤックなのに「立てる」という。つまりカヤックに立ってキャスティングができるというのだ。
恐る恐る実際に立ってみたが、なんと、本当に立てた。慣れないうちは手すりをつけた方がいいそうだが、慣れたら普通に立って釣りができるらしい。しかも、椅子がリクライニングしたり、足元にタックルボックスやロッドを収納できるスペースがあったりと、もう至れり尽くせり。
レボリューションが軽自動車、アウトバックがコンパクトカーだとしたら、プロアングラーはステーションワゴンといったところ。最初の2艇はそれほど差がないが、プロアングラーは別格という印象。
これらのモデルの違いは、最初にレボリューションが誕生し、その次により安定性を求めたアウトバッグが出来、そしてさらに釣りに特化したプロアングラーというように「進化」してきたらしい。どうりで快適なわけだ。
そんなプロアングラーにも短所があって、図体が大きい分スピードがそれほど出ず、小回りもあまりきかないとのこと。そして55キロもあるので、女性ひとりでスロープを引っ張ってあがるのは辛いかもしれない。
というわけで、足漕ぎカヤック3モデルに乗ってみたが、これだけだとホビーキャット社の回し者みたいなので、ここはやはり別のメーカーの一般的な手漕ぎカヤックにも乗っておきたい。そんなわけで、次回は手漕ぎカヤック試乗と、まとめです。
※読者の皆さんに違いをお伝えするために乗り比べておりますが、通常「MARINE BOX100」での「カヤック無料試乗体験」は1回1種類となります。どうしても乗り比べたい場合は事前にご相談ください。
取材協力:MARINE BOX100
逗子市新宿2-14-4
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穴澤 賢(あなざわまさる)
1971年大阪生まれ。2005年7月から愛犬との暮らしを綴ったブログ「富士丸な日々」が話題となり、その後エッセイ、コラムなどを執筆するようになる。著書に「またね、富士丸。(集英社文庫)」、「明日もいっしょにおきようね(草思社)」、「また、犬と暮らして(世界文化社)」などがある。株式会社デロリアンズ代表。Blog:Another Days