2020年3月から始まった、100%オーガニックの鎌倉野菜を育てる『雨のちハレ、ときどき農業生活』で使っている農地は約1200平米あります。バスケットコートを縦に3面並べた広さもあると、余ったスペースを使って「一列だけやってみない?」と思いつきで植えることがよくあります。今日ご紹介するそら豆が、まさにそれです。
そら豆の豆知識
発芽の失敗が少なく育てる手間もそれほどかからないため、家庭栽培にぴったりな植物と言われるそら豆は、マメ科ソラマメ属。春蒔きと秋蒔きの2回蒔くことができ、塩茹でしたり、かき揚げや豆ご飯にしたりと、初夏によく食べる人もいると思います。
収穫後、鮮度と味覚が急速に落ちる性質があるため、すぐ食べなきゃいけないそら豆の栄養価は高く、タンパク質、ビタミンB1・B2、食物繊維、カリウム・マグネシウム・リン・鉄分などのミネラル分を豊富に含みますが、連作障害が出やすいので、3~4年は同じ場所でのマメ科野菜の栽培はNGとよく言われます。
連作障害
毎年同じ場所に同じ作物を栽培することを 連作といい、連作を行なうと、土の中の病菌や有害センチュウの密度が高くなったり、土の中の栄養分が不足したりして野菜の育ちが悪くなります。 これを連作障害といいます。
原産地は中央アジアや地中海沿岸。温暖な気候を好み、寒さは強いが暑さに弱いようです。「ソラマメ」という名の由来は、サヤが上向きについていて、まるで空に向かって生育しているように見えることから「ソラマメ」と名付けられたとか。
栽培に手間はかからないものの、収穫までに時間がかかるのが特徴で、僕らの秋蒔きの収穫時期はおそらく春だと思われます。それまでにカラスにやられなければ….…。
制空権と地上権を守るために編み出した奇襲!
僕たちが秋蒔きに選んだのは「一寸そらまめ」。病害から守ったり、畑に病害を持ち込まないようにするため、人身に影響のないことが実証された安全な種子消毒処理を行なっているため、種の表面は青くコーティングされていました。
植え方はとてもシンプル。頭が見える程度に浅めに土に入れて終わりです。ただ、カラスが突っつきにやってくるため、空からの対策が必要なのと、地上戦ではアブラムシが食い荒らしてしまいます。そら豆ご飯を妄想している僕にとって、制空権も地上権も明け渡すわけにはいきません!
そこで編み出した奇襲が、干し草を土の上に被せる作戦です。農場主が思いつきでやってみました。制空権は守れそうですが、農場主曰く「太陽光が届きにくくなるのと、そら豆の呼吸を妨げてしまう可能性もあるので、一長一短かも」と。果たして、奇襲はうまくいき、無事に苗は生えてくるのでしょうか?
このそら豆の種植えの様子も動画に収めてあります。ミニ耕運機「こまめ」を使った耕しと畝作りは100倍速になっていますので、サクサク見られるかと思います。頭が見える程度に浅めに土に入れる様子もあります。来春に無事に収穫できることを祈って!