店長さんは元IT系プログラマー。どんな経緯で開業したのでしょう?
全国三千万の自転車好きの皆様、お待たせしました”セガボン”です。
ワタクシがよくサイクリングに行く場所のひとつに”多摩湖”がございます。
そうです、志村けんさんでお馴染み、「東村山~♪庭先ゃ~多摩湖~♪」の多摩湖です。
多摩湖といえばワタクシが以前ご紹介した”多摩湖自転車歩行者道”が近くにあるので、たくさんのサイクリストが訪れる場所でもあります。
記事はこちらです→https://www.bepal.net/bike/162443
そんな多摩湖のサイクリングロード近くに一軒の自転車屋さんを見つけました。
看板には”多摩湖のじてんしゃ屋さん ポキート ア ポコ”
ムムム!なんですかこのシャレオツな感じは!?なんだかおもしろそうな予感がしたワタクシ。
その後、SNSを通じて店長の大倉さんと知り合ったのを良いことに、不躾ながらインタビューをお願いしました。
それではインタビュー開始です!
―今日は宜しくお願いします!早速ですがこのお店は昔から営業しているんですか?
大倉「2016年の9月からです。なので5年経って6年目に突入しました。もともとは向かいの駐車場のところがお店だったんですけど、2年前にこちらに移転しました」
―最初から自転車屋を目指して?
大倉「じつはプログラマーをやってたんです。大学を卒業したあとにIT企業に就職して、通勤で東大和から新宿まで30kmぐらいを自転車通勤していました。でもその会社がけっこう仕事が大変で、入社して半年ぐらいで『もう転職しよう』と。そのとき『自転車屋さんが良いな』と思ったんです。大学進学前には工業高等専門学校を卒業していて、もともと機械いじりとか工作とか好きだったんですよ。通勤で乗っているうちにだんだん自転車にのめり込んで行った感じです」
―それで地元の東大和市にお店を出そうと!
大倉「僕、出身は茨城なんです(笑)」
―えええ~っ!?だってさっき自転車通勤していたって……
大倉「新宿まで通勤するのに家賃が安くて、家に自転車が置ける物件を探してたんです。新卒でお金が無いけど、間取りが広い家を探して、たまたまたどり着いたのがここ東大和市だったんです。すいません、縁もゆかりもない土地です」
―そうだったんですね!
自転車屋を目指すきっかけとは?
大倉「自転車屋を始めようとした転機ですが、物件が決まり、引っ越す直前になって自転車を盗まれてしまったんです。自転車が置ける家に引っ越したのに自転車が無いと(笑)。それでとりあえず安い自転車を買って会社まで通勤していたんですけど、あまりにも乗り心地が悪いので近くの自転車屋さんで整備をお願いしたらメチャメチャ乗り心地が良くなって。通勤時間も30分くらい縮んで『うわ!自転車って凄いな!』ってなったんです」
―その驚き、分かります。
大倉「それがきっかけで近くの自転車屋さんで修行して、平日はプログラマー、土日は自転車修行という生活を送っているうちに『これを仕事にしたいな』と思うようになりました。その自転車屋さんの紹介でチェーン店の自転車屋に就職して、それから数年で独立してこのお店をオープンしました」
―まわりの反応はどうだったんですか?
大倉「親からは反対されましたね。メチャメチャいわれました。独立するときもまわりからは結構反対されて……。それでも、なんとか5年はお店をやってこれましたね」
タイヤチューブの品揃えには自信あり!?
―多摩湖やサイクリングロードが近いですけど、パンクや修理で利用するお客様も多いですか?
大倉「そうなんです。そんなお客様に対応するため、チューブの種類はメチャメチャ多めに置いてると思います。小さいものでは12インチのチューブから用意しています。チューブのバルブは、米式・英式・仏式の3種類ありますけど、サイズごとにそれぞれ用意してます。最近は700Cだとリムハイトが高いものもあるのでバルブ長80mm対応のモノも置いてます。それでも足りない場合はエクステンダーで延長したりして対応してます」
―す、すごい!ではどんな車種が来ても大丈夫ですね!
大倉「そうですね。これで対応できなかったらゴメンナサイって感じですね。バーディー(BD-1)とかブロンプトンなど、珍しいサイズのチューブも置いているので、うちのお店で対応できなかったら『ほかのお店に行ってもダメなんじゃないかな?』と言えるくらいチューブは充実させているつもりです。パンク修理のパッチで対応できればいいけど、できない場合もあるので。もちろんセガボンさんの好きなファットバイクのチューブも用意していますよ」
―あら、うれしい!それなら僕も多摩湖でパンクしても安心です!
大倉「『とりあえずは家まで無事帰れるように』ということを意識してます。駆け込み寺というか、お客様のセカンドショップのイメージですね。『何かトラブルがあってもあの店に行けば帰れるぞ』みたいな。ですのでチューブに関しては、たくさんご用意しています。最近は小学校や自治体からの依頼で、リヤカーや一輪車用のかなり特殊なタイヤチューブも置いてます」
オススメの一台を聞いてみた!
―ちなみに今お店の推しの一台はどの自転車ですか?
大倉「今推しているのはボムトラックの『アライズ・ギアード』です」
大倉「最初からフロントラックが付いてて、このモデルはギア付きのモデルですけど、シングルスピード(ギアなし)のバージョンも出ています。フレームは、ギア付きをシングルスピードに簡単に改造できるように設計されています。おもしろいギミックもちょこちょこ付いているんですよ。ハブダイナモ(自転車のホイールのハブに組み込まれたライト用の発電機)を付けられるのですが、ワイヤーがフロントフォークやフレームの内側を通せるように加工されているから見た目がスッキリします。ブレーキもタッチが軽い油圧ディスクでオススメですよ」
ドイツのメーカー「ボムトラック」とは?
―ボムトラックってどんなブランドなのでしょうか?
大倉「わりと最近のメーカーさんですね。輸入代理店が数年前に変わったんですよ。それでプロモーションの方法がだいぶ変わって、インスタグラムとかも頑張って日本でも盛り上がり始めたブランドです」
「もともとBMXをやっていたドイツのメーカーさんなんです。マウンテンバイクやグラベル系、ツーリングバイクが強いですね。マウンテンバイクでもツーリング系が多いですね。イメージ的には”サーリー”とかが近いんじゃないかな?最近は世界一周してる人とか横断してる人とかのスポンサーになったりしています。必ず新車のリリース前には長距離の耐久テストをするような信頼できるメーカーさんです」
「グラフィックというか塗装もきれいで、ほかのメーカーさんには無い色があったりします。メーカーとしてはわりと新しい規格やトレンドを取り入れる傾向があるので、おもしろいと思います。そのあたりは”サーリー”とはちょっと違いますけど」
ちなみに店名の「Pokito a Poko(ポキート・ア・ポコ)」はスペイン語で、”ちょっとずつ”という意味だそうです。地道に東大和でお店を営む姿に「大倉さんにピッタリの店名だな」と思い、家路につくワタクシなのでありました。
というわけで、ポキート・ア・ポコの大倉店長、そしてメカニックの田中さん、色々とありがとうございました!
いや~、自転車屋さんって本当に素晴らしいですね!
それでは皆さん、サヨナラ!サヨナラ!サヨナラ!
ショップ情報
Pokito a Poko(ポキート・ア・ポコ)
所在地:〒207-0004東京都東大和市清水3-800-6
電話:042-569-8460
営業時間:10:00 – 18:00
定休日:火、水曜日
https://www.pokito-a-poko.com/
●おもな取り扱いメーカー
丸石サイクル
アサヒサイクル
ホダカ
グスト
サーベロ
ラピエール
ボムトラック
※「その他お客様から相談いただければ随時対応します」とのことです。