製作者やブランドの想いを大切にした商品セレクトで定評のあるアウトドアショップ「Nicetime Mountain Gallery」が、国際的に活躍するデザイナー・熊野亘氏とタッグを組んで新商品を開発した。 同ショップがこだわって作ったのは、アウトドアシーンに「最適な」鉈。商品に込められた思いとともにご紹介する。
伝統的なシンプルな形の持つ魅力
日本の鉈は、林業や狩猟などの山林で働く人々のニーズに合わせて、多様な発展を遂げてきた。その中でも、今回開発された「NMG 001 Nata」は腰鉈の形状を踏襲しており、先端部分に突起のないシンプルな形をしている。
一見すると包丁に見えるが、刃の幅が先端ほど広くなっており、柄に対してやや内側に傾けて取り付けられているのが鉈の特徴だ。この傾きがあることで、枝を打ち払うときなど、振り下ろして使う際の切れ味に違いが出るそうだ。
薪割りにも適した両刃仕上げの刃
刃の開発は、89年に渡り刃物づくりを継承してきた皆川農器製造が参加。新潟県燕三条の技術で、グリップ内部に軽量化を施し、刃先に重心を置くことで、より振り下ろしやすい構造になっている。
また、刃先にかけて4.7度の角度を設けることで、常に最適な角度で薪に当たるように設計。小さな薪を割ったり、小枝を払ったり、燃えやすく薄く割いたり、キャンプシーンでの使用を意識し、6mmのステンレス材で十分な強度を確保している。
時代に即したシリコンゴム製のグリップ
グリップ部分には、2cm厚のシリコンゴムを採用。一般的な木製の鉈よりも握り心地がソフトになり、薪を割る際の衝撃を緩和してくれるので、手の痛みが出にくい。
表面には摩擦力を高める特殊加工を施し、さらに安全ストラップをプラスすることで、手が滑ってしまう事故が起きないよう配慮した。安全ストラップで握り心地を損なってしまわないよう、紐の厚みが干渉しない処理をすることで、握り心地と安全性を両立。
キャンプシーンで取りまわししやすい、28.8cmの長さに仕上げた。
専用のレザー収納ケースが付属
刃を覆う専用ケースには、2本のストラップホールを設けており、腰ベルトなどにも装着が可能だ。 素材には、LWG承認を得たレザーを使用している。これはレザーに関わるブランド・タンナー・薬剤メーカー3社で構成する国際団体が設けた厳しい審査をクリアした革だけが得られる認証で、環境の保護や安心安全な素材の証だ。
アウトドアシーンに適した機能を追求することで、それ以外の不要な要素が削ぎ落とされ、洗練されたミニマルなデザインとなった新時代の鉈。道具として長く愛用できる、魅力的な一品になったのではないだろうか。
商品概要
NMG 001 Nata
価格:¥19.800
サイズ:288×75×20mm
重さ:514g
素材:ステンレス、シリコンゴム
Nicetime Mountain Gallery 公式ページ
https://www.haveanicetime.jp