国内のロングトレイル
BE-PAL本誌では、バックパッキングや自転車などさまざまな旅の様子を綴った連載を30年以上続けているシェルパ斉藤さん。今回は、ロングトレイルについてじっくりお話を伺いました。
登場したシェルパさん、まさかの松葉杖です!
「先日、北アルプスの焼岳を登っているときに踏み外してしまって…。足首を骨折したのですが、そのときは捻挫だと思っていたのもあって自力で下山。下山後は、マニュアルのクルマを運転して帰りました(笑)」
骨折した足で下山し、さらには運転までするなんて、さすがですね…。早速本題に移ります。まずはシェルパさんが思う「ロングトレイル」について。
「山登りではないということ。頂上が目的ではない。歩くのを楽しむことだと思っています。ずっと山の中ではなくて、下りたければ、下りればいいし、あとは人とも触れあいたい。全部が全部山の中じゃなくていいんです。集落に行って、食料品の買い物ができたり、欲をいえば温泉があったり。テントじゃなくて宿に泊まったり、旅を楽しむのがロングトレイルだと思います。国内に限らず、世界中を歩いてきた僕ですが、今日はその中からふたつ選んで紹介してほしいということなので、厳選しました!」
甲州クラシックトレイル
「これは僕が勝手に名付けたんです。なだらかで山の稜線をゆったり歩ける気持ちのいいトレイル。場所は、PICA明野のすぐ近くです。僕の家も近い。甲州街道に沿って山道があるので、甲州と名前に入れました。瑞牆山から歩き始めて、奥多摩駅まで歩けます。気持ちのいいテント場があるし、山小屋もあるんです。水場も多い。キツかったら下りればいいので、少し長いトレイルも楽しいです」
熊野古道小辺路
「ふたつめは熊野古道。いくつかあるんですけど、僕のおすすめは小辺路。ここがいちばん好き。一気に100kmぐらい歩けるのがいいんです。もちろん途中キツければ、やめてもいいんですよ。熊野古道は、高野参道を歩きます。仏から始まって、神様に向かっていく。その神々しい雰囲気がいい。あとは歴史を感じられるのも素晴らしいです。世界遺産の中を歩けるってすごいですよね」
心を開放しながら歩ける。「こうじゃなきゃいけない」というのがないのがロングトレイルの良さだと、シェルパさんはいいます。
「歩く旅って、本当に自由。いつやめてもいいっていうのが楽しさなんです」
詳しいトレイルの紹介は動画でチェック!
シェルパさんのおすすめトレイルについて、もっと詳しく知りたいという方はぜひ動画でチェックしてくださいね。