冬キャンプ装備のハードルを下げる!
夏キャンプは経験があっても、冬キャンプは未経験という方も多いと思います。
寒さ対策は装備をそろえるハードルが高く、躊躇していませんか。
そんな冬キャンプ初心者のハードルを下げる、ローコストかつ環境にも優しい最強アイテムとして筆者がおすすめするのが「ダンボール」です。今回は、冬キャンプでのダンボールの活用方法をご紹介します。
キャンプで私たちが一番長く触れるものはなに?
冬キャンプの冷え込み対策でもっとも重点をおくべきは、テント内の底冷えです。
なぜなら一日の中でもっとも長く、もっとも広く体に触れるのは寝床だからです。
そのため、冬キャンプ初心者が最初に注力するべきなのは「床」、と筆者は考えています。ストーブや焚火台の充実はその次でいいでしょう。
そして、床といえばマット類の強化が重要です。
マット類の強化には、インフレータブル・エアマット・銀マットなど選択肢は豊富です。電気カーペットを考える方もいるでしょう。
しかし、もっと簡単で、それらに勝るとも劣らない威力を発揮するものがあります。それが、意外にもダンボールなのです。
ダンボールの長所
入手と処分のしやすさ
ダンボールの圧倒的な長所は、入手と処分のしやすさです。
コスパで言うと、コストがほとんどかからないので最強です。
入手:全国どこでもスーパーやドラッグストアで無料で分けてもらえます。
自宅に保管する必要もなく、お手入れの概念もなし。
こんなキャンプ用品は他にありませんよね!
気楽に使えるから、汚れても穴があいても気になりません。
ウン万円の高額マットではそうはいきませんよね。
処分:お住まいの自治体の資源物回収のほかにも、ダンボール回収ステーションが常設されているお店は多くあります。
キャンプ場へ放置せずきちんと持ち帰り、確実にリサイクルへ回しましょう。
普段の暮らしに浸透しているので気付きにくいかもしれませんが、実は日本の社会的なダンボールリサイクルシステムは世界トップクラスです。
全国段ボール工業組合連合会によると、ダンボール回収率は95%超を誇り、サステナビリティの高さはピカイチです。
厳冬キャンプ用マットと同等の断熱性能の高さ
底冷えを防ぐ断熱性能の目安として、R値という指標があります。
R値は、簡単に言えば「R値が大きいほど断熱効果が高い(=寒さが入ってこない)」というもの。
各メーカー市販のキャンプ用マット類のR値は2.0~6.0あたりが主流。
厳冬キャンプ用では、10.0を超えるモデルもあります。
そんな中、ダンボールのR値は意外にも高く、2.0~4.0と言われています。
つまり、1枚でR値2.0のダンボールを、6重に重ねればR値は2.0×6=12.0となります。
理論上は厳冬キャンプ用マットと同等の性能になるのです。
あくまで理論値なので、体感温度は少し変わるかもしれませんが、重ねる事で断熱性能を自在にコントロールできるメリットがあるのです。
底冷えを防ぐダンボールの敷き方
敷く順番
筆者は、基本的に下図の順番で敷いています。
地面の状況や、お手持ちのマット類と合わせて適宜調整しましょう。
小石が多い場合など、凸凹の緩衝のためにテントとグランドシートの間にダンボールを挟むこともあります。
重ね方
テント床面全体を覆うように敷いていきます。
そもそもダンボールのサイズがまちまちなので、テント内にピッタリ合わせるのは無理です。
細かいズレ・段差・すき間は気にせず、大体平らになるように敷きましょう。
重ねるほど断熱効果があるので、めいっぱい重ねるのがおすすめです。
上の写真は、マイナス8度Cの朝です。
ダンボール6重状態で底冷え感はゼロ!
熱源は体温だけにも関わらず、この時は朝までヌクヌクと快眠できました。
ダンボール使用時の注意点
水には弱い
特殊耐水コーティングがされている場合は別として、普通のダンボールは濡れると使い物になりません。
断熱効果は効かなくなり、ボロボロで後片付けも面倒です。
濡れた地面には、直接敷かないようにしましょう。
運ぶときのコツ
大量になるとかさばり、徒歩や自転車キャンプにはあまり適しません。
車の場合でも、駐車場とテントサイトが離れていると運びにくさが気になります。
筆者は重ねたダンボールにペグを何本か突き刺して、ペグをフック替わりにして運んでいます。
ガイロープでほかの荷物と一緒にくくったり、吊り下げたりすれば楽に運ぶことができます。
これは、惜しげもなく穴を開けられるダンボールならではですね。
まとめ
身近で地味な存在のダンボールですが、実は人にも地球にも優しい超優秀なキャンプ用品です。
もちろんダンボール箱としても使えますし、簡易テーブル・チェアにも早変わりするなどキャンプでの応用幅も広い素材です。
皆さんも大いに活用してはいかがでしょうか。
以下まとめです。
1.ダンボールは高機能かつ入手容易、しかもサステナブルな優良素材である。
2.テント底冷え対策は、温度に応じて重ねる枚数を調整する。
3.濡れると役に立たないので注意
4.廃棄時はリサイクルへ回す!(重要)
それでは楽しいキャンプライフを!