ログハウスキットとは
そもそもログハウスキットとは、どのようなものなのでしょうか。まずはログハウスキットの概要について解説します。
ログハウスキットの概要
必要な材料をセットで販売
ログハウスキットとは、ログハウスを建てるのに必要な材料一式がセットになっている商品のことです。建築に必要な材料はすべてカット済みで、各材料に番号が振られているものも多く販売されています。
そのため専門的な技術や知識がないDIY初心者でも、図面通りに作業をすればログハウスが建てられるようになっています。ログハウスキットはAmazonなどのECサイトでも購入でき、手軽に入手可能なのも特徴の一つです。
デザインや大きさもさまざま
ログハウスキットには、さまざまなデザインや大きさのものがあります。間取りだけでなく、屋根の形状やウッドデッキの有無、階数など、複数の選択肢から選ぶことが可能です。3坪程度の小屋のようなものから、50坪以上の本格的な別荘のようなものまで幅広く展開されています。
ログハウスキットの販売サイトを見れば、上記の条件に加え、水回りや設備などの条件により細かく絞って検索することも可能です。ログハウスの用途や敷地の広さ、そのほかのこだわりポイントに合ったものがきっと見つかるでしょう。
ログハウスキットなら自作が可能?
ログハウスキットであれば、家を自分で建てることができるのでしょうか。ログハウスキットを使って家を建てる方法はいくつかあります。ログハウスを建てる際の注意点も解説するので、押さえておきましょう。
ログハウスを建てる際の注意点
自ら大工工事をする「セルフビルド」
『セルフビルド』とは、文字通り自分で大工工事をして家を建てることです。自分で家を建てたいと思っている人にとっては、うってつけの方法でしょう。セルフビルドであれば、一連の作業を自分で行なうため、費用の圧倒的な節約につながります。
ただし家を建てるには、基礎工事や電気工事が必要です。これらの作業は専門的な知識が必要な上、特に電気工事に関しては有資格者でないと施工ができないため、素人は行なうべきではありません。基礎や電気工事は専門業者に任せ、家自体の組み立てを自分の手で実施することになります。
できない部分はプロに依頼「ハーフビルド」
『ハーフビルド』は、自分で可能な作業のみを行ない、対応できない部分はプロに任せる施工方法です。ログハウス作りに興味はあるものの、自分だけで施工するのが不安な人におすすめの方法といえます。ハーフビルドの場合、基本的には以下の作業をプロに依頼することになるでしょう。
- 基礎工事
- 上棟工事
- 屋根工事
- 外壁工事
- 窓ドアの取り付け
しかし、予算や時間、自分の希望に応じて施工範囲を調整できる場合も多いので、気軽に相談してみましょう。万が一、途中の段階で自分では作業ができなくなったときは、残りの作業を業者に任せることも可能です。
仕上がりや製作期間は事前に考慮する
家をセルフビルドする場合は、仕上がりのクオリティと製作期間に注意が必要です。セルフビルドの場合、材料が加工済みだといっても、素人がプロと同じクオリティで仕上げるのは困難です。また作業効率も素人とプロでは差が出てしまうので、製作期間が当初の想定より長引く可能性もあります。
そのため、セルフビルドで進める際は、上記の点を踏まえた上で作業計画を立てましょう。作業が長引くと費用や労力が余計にかかり、さらにモチベーションの維持も難しくなります。途中で挫折してしまわないためにも、セルフビルドのデメリットを把握しておきましょう。
申請が必要になる場合もあるので注意
ログハウスを建てる際は、建築確認申請が必要かどうかを確認しましょう。「都市計画区域」にログハウスを建てる場合、以下のいずれかに当てはまった場合は建築確認申請が必要です。
- 床面積が10平方メートルを超える
- 更地に「新築」で建てる
- 防火指定のある地域内に建てる
ポイントとなるのは「新築」かどうかという条件です。ログハウスを建てる敷地内に母屋がない場合は、新築と見なされます(母屋がある場合は「増築」)。つまり更地にログハウスだけを建てる場合は、その大きさにかかわらず建築確認申請が必要になります。
なお都市計画区域外にログハウスを建てる場合は、床面積の合計が10平方メートル以下であれば、基本的に建築確認申請は不要です(ただし防火地域及び準防火地域では建築確認申請が必要です)。
ログハウスキットの価格
ログハウスキットはいくらくらいで購入できるのでしょうか。キット自体の価格の相場と、ハーフビルドでメーカーに施工を依頼する際の費用の相場を解説します。
費用の相場
キットの価格の目安
キットの価格は、主にログハウスの大きさによって変わります。施工面積が2坪以下の小型のタイプなら100万円以下で販売されているものもあります。ラインナップが豊富なのは3〜30坪の広さで、価格は200〜600万円前後です。
中には50坪程度の広さで、1,000万円を超えるモデルもあります。そのようなタイプなら、別荘として使っても不便がないかもしれません。予算を見積もる際の参考にしましょう。
メーカー施工費用の目安
基礎工事や、ハーフビルドでメーカーに一部の施工を依頼する場合は、キット代に加えて業者による施工費が発生します。目安としては、10坪程度のログハウスで500万円、30坪程度になると1,000万円かかると見積もっておきましょう。
ただし施工費は業者によって大きく異なります。複数の業者を比較し、納得できる費用で施工してくれる業者を見つけることが重要です。また施工範囲によっても費用が上下するため、コストを抑えたい場合はDIYで進める箇所を増やすなど検討しましょう。
ログハウスキットを扱うおすすめメーカー
ログハウスキットを扱うメーカーはさまざまです。その中からおすすめの3社をピックアップして紹介します。ログハウスキット選びに迷っている人は参考にしましょう。
メーカーおすすめ3社
サエラホーム
商品ラインナップの幅広さが特徴的なメーカーです。住宅・別荘だけでなく、商業施設や教会に使えるモデルも販売されています。施工プランはセルフビルド、コラボ施工(ハーフビルド)、サエラ施工(すべて業者が施工)の3種類が用意されています。
費用もこの順に安くなっており、コラボ施工の場合は施工範囲の調整が可能です。自分で施工する範囲に応じて、標準工事費用から10〜40%節約できます。
ビッグボックス
ミニログハウスが人気のメーカーです。材料となる木材は北欧から取り寄せたパイン材を使用しており、品質へのこだわりがうかがえます。最短3日のスピード納品や、3.9%の低金利ローンなど手厚いサービスが用意されている点もメリットでしょう。
また、簡単な図を用意すれば、自身の希望に合わせたモデルのアレンジや、地形に合わせたフリープランも無料で行ってくれます。LINEやZoom、Skypeを用いた無料オンライン相談会も実施しているので、興味がある人は一度問い合わせてみるのもいいでしょう。
BIGBOX ビッグボックス コスカA
BIGBOX ビッグボックス ティッカ
TALO
セルフビルドに挑戦したい人におすすめのメーカーです。組み立てマニュアルを配布してくれるだけでなく、電話での施工相談、有料ながら現場での施工指導も実施してくれます。また、セルフビルドに取り組みやすい平屋のプランが豊富に用意されている点も特徴でしょう。
モデルのアレンジだけでなく、フリープランにも対応してくれます。フリープランの設計は無料のため、世界に一つだけのログハウスを実現しやすいでしょう。
まとめ
ログハウスキットは、ログハウスの建築に必要な材料がセットで販売されている商品です。初心者でも家を建てられるように設計されているのが特徴といえます。施工方法にはセルフビルドとハーフビルドがあり、いずれの場合も基礎工事や電気工事は業者に任せることになるでしょう。
キットの価格は安いもので100万円以下、高いものは1,000万円以上する場合があり、業者に施工を依頼する際には施工費が別途発生します。予算や希望に合わせて、理想のログハウスキットを見つけましょう。