田舎暮らしの魅力の裏側
インターネットを通して多様な生き方に触れられるいま、地方移住を希望する人が増えています。
確かに田舎は、いろんな意味で刺激が多い都会を離れ、スローライフを送るには良い環境です。
しかしやはり、田舎暮らしの魅力としてクローズアップされるアレやコレの裏側には、実際に住んでいないとわからない不都合があるもの。
今回は地方移住を決める前に知っておいてほしい、田舎暮らしのデメリットをお伝えします。
車の維持費が負担になる
田舎は公共の交通機関が充実していないため、基本的に車が必要です。
車があると自由に行動できますが、問題は、車を維持するための出費です。
車の購入費用・ガソリン代・車検代・保険料・自動車税など、たくさんの名目で支払うことになります。
そして田舎は都会と比較して、所得が少ないことは周知の事実。
そもそも財布に入ってくるお金が少ないうえ、車に関する支払いを強いられることに。
これが田舎暮らしにおいて、大きな負担となる可能性があります。
しかし、景色が良くて道路が空いている田舎は、ドライブに適した環境でもあります。
気晴らしにいつでもドライブへ出かけられるのは、車好きにとってたまらない魅力でしょう。
雪国は毎日早起きを強いられる
「雪国に移住して、美しい雪景色を見ながら暮らしたい」
そう思っている人に、知っておいてほしいことがあります。
冬は雪かきに時間を取られるため、生活のサイクルを変えなくてはならないことです。
とくに辛いのが、夜間に積もった雪を捨てるために、毎朝早く起きなくてはならない点。
「除雪車が道路脇に積みあげた雪の壁のせいで、自宅から車を出せない」というのは“雪国あるある”です。
雪景色の美しさに感動したり、ウィンタースポーツを楽しむだけでは済まないのが、雪国で暮らすということ。
しかし、積雪地域で暮らしたことがない人にとって、貴重な経験になることは間違いありません。
居住地を決める際は、年間の積雪量や除雪の状況なども考慮しましょう。
娯楽施設が少ない
田舎は都会とくらべ、趣味や娯楽に関する施設が多くありません。
今現在、施設ありきの趣味を持っている人は、一考の余地ありといえます。
施設ありきの趣味とは、たとえば映画鑑賞やウィンドウショッピング、ボルダリングなどです。
ただ、たまにカフェ巡りをしたりショッピングをしたりするくらいであれば、車や電車で街に出ればOK。
いわゆる地方都市との距離を考えて、居住地を決めるといいでしょう。
いっぽう、キャンプ場や温泉など、自然を利用した施設は都市部より多いことも確か。
アウトドアが趣味な人にとっては、天国といえる環境です。
山に近い場所ほど虫が多い
人によっては、虫が多いことも気になるはずです。
とくに山が近い地域ほど、大きな虫と遭遇する機会も増えます。
しかし生息しているのは、みんなから嫌われている虫だけではありません。
クワガタやカブトムシなど、子どもが喜ぶような昆虫も身近にいます。
友達や親と一緒にカブトムシをつかまえに行く経験は、美しい思い出としてずっと残るもの。
遊びのなかで命の尊さを学べる環境とも言えます。
子どもの教育施設が充実していない
小さな子どもがいる家庭ほど、地方移住は慎重になるべきと考えます。
田舎は子どもが少なく、学校や塾などの教育に関する施設も多くありません。
必然的に、自分とはちがう価値観や能力を持った子と触れあう機会が少なくなります。
さらに日常生活のなかで受動的に取り込める情報が少なく、都会ほど働き方の多様性を目にする機会に恵まれません。
そのことが自分の子どもの将来に、どのような影響を及ぼすか。大人の意思で地方移住をすることが、果たして我が子にとっても良いことなのか。
移住を決める前に考える必要があります。
とはいえ、田舎にはその土地ならではの仕事があることも事実。「地方移住が子どもの将来の選択肢を狭める」とは単純に言い切れません。
地方移住を実現したあとは、子どもの学習やキャリア形成について、しっかりサポートしてあげましょう。
それでも魅力が多い田舎暮らし。まずは下見をしてみよう!
地方移住に何を期待するかは、人によってさまざまあることでしょう。
しかし自然豊かな環境で暮らすためには、多少の面倒を受け入れなければならない現実があります。
重要なのは、移住をする前に目当ての場所の下見をすること。できれば春夏秋冬、すべてのシーズンの暮らしを体験してみましょう。
気候や土地の環境がもたらす、生活への影響がわかります。
移住のサポートをおこなっている地域も多いため、お金や仕事に関する情報収集も忘れずに。
経済的な負担が減ると、そのぶん不便を楽しむ余裕が生まれるというものです。
日常生活において、何かと面倒がある田舎暮らし。
そこには都会を知っている人だからこそ気づける魅力も、数えきれないほど存在します。