ナイフの本場アメリカでは、鋼材の進化とメカニズムの正確性を求めながらも、マイカルタハンドルのようなナチュラル志向も増加中。全体的には、軽量&コンパクトが相変わらずの根強い人気を誇る。自分のアウトドアスタイルに合った一本をみつけよう。
※こちらの記事で紹介している商品は、2021年取材時点のものです。すでに販売が終了している可能性もあります。ご了承ください。
バール兼用OK、頑丈さはピカイチ!
リックヒンダラー/ハーフトラック
ブレードの厚みが4㎜もあり、丈夫なステンレスの刃として捉えたうえで、バールとして使うのにピカイチのナイフ。タフなナイフとして注目の人気メーカー。
マルチに活躍する最新モデル
デムコ/AD20.5
今年いちばんの注目株。波刃はロープを切ったり、穴を掘ったり、雑草を切ったりとマルチに活躍する。最新のシャークロックを搭載。
カスタムパーツで衣装替え可能
スパイダルコ/パラ3
定番モデルのハンドル材を人気のマイカルタにチェンジし、ポケットクリップを取り付けた。ブレードは人気の3インチで、ハンドルが大きくて握りやすい。
人気モデルの場合、カスタムパーツが充実していて楽しめる。
流行りのマイカルタ材がオシャレ
LTライト/デイリーキャリー
フィックスナイフも小型が人気。フォールディングナイフと同じサイズ感。柄も流行りのマイカルタで、キャンバス素材が積層され、経年変化も楽しめる。
ポケットに収まりやすいデザイン
WE/バンター
ナイフショップのカリスマ店員がデザインしたナイフ。少々ポッチャリデザインだが、クリップの位置が深めでポケットにスッポリ収まるのがうれしい。
ブレード鋼材が目を引く
スパイダルコ/デリカ4(限定モデル)
世界的定番で日本製のモデル。ブレードは20CVというサビに強い最新ステンレス。薄くて軽い。こちらのポケットクリップも森さんが自身でカスタマイズ。
UL系には不動の人気を誇る
ベンチメイド/バグアウト
UL系ナイフの代表格。片手で開閉できるので、使い勝手は抜群。この世界は軽量化に拍車がかかり、ミニバグアウトも販売中。
海外製品を安心して購入する方法とは
昔から日本とは違い海外、とくにアメリカではフォールディングナイフが市場の主流だ。
「都市部ではシースナイフはデザインも古く、あまり人気がないんですよ」
と現代のナイフ事情に精通する森勝さん。
「海外で人気のナイフショップのBlade HQやKnife CenterなどのYouTubeでよく取り上げられる人気品の傾向としては①コンパクト、②鋼材が良い、③マイカルタハンドル、④精度、⑤タフさです」
刃長は3インチ(人差し指の長さが目安)が主流で、手のひらサイズの握りやすいものが売れ筋。柄は少し前は現代的なカーボン、そこから伝統的な真鍮に人気が移り、いまはナチュラル感のある積層素材マイカルタが注目されている。価格帯は100ドル前後がお買い得。
「僕はYouTubeなどを見て、おもにアメリカのショップから並行輸入しています。それがいちばん信頼性が高い」
日本で刃物というと鍛冶屋が鋳造した1点もののイメージだが、コンピュータ制御で工作精度が飛躍的に上がり、丈夫でデザイン性に優れた洋式ナイフが量産化されている。
「カスタムパーツも充実しているので自分仕様のナイフも作れ、オリジナリティーを求めるナイフ好きには堪りません」
解説してくれたのはこの人! 森 勝さん
ハイキングを中心に裏山の楽しみ方を発信している。無類のフォールディングナイフ好きで、アウトドアギアを独自の視点でインプレッションするブログのファンも多数。
※価格はすべて編集部調べの参考価格です。国内で正規販売されていないモデルは、1ドル114円で換算。
※構成/大石裕美 撮影/黒石あみ
(BE-PAL 2021年12月号より)