もうひとつが「魚探の反応を見ての釣り」。これは文字通り、魚探に魚の反応があればルアーを落としてみるという釣り方。この場合は、魚のいるポイントを魚探で広くさぐることになる。というわけで海面を注意深く見つつ、魚探もチェックしながら沖へと向かう。
魚探の見方は全然わからなかったのだが、「魚の群れがいたら映るから大丈夫」という沼野さんの言葉を信じてカヤックを漕ぎ続ける。ちらちら魚探を見ていると、思いのほか魚の反応がないことに驚く。海底に何もない砂地には、基本あまり魚はいないらしい(いても海底にへばりついているキスやヒラメは映らない)。魚が好むのは、障害物となる根回りや、磯回りとのこと。そうこうしているうちに、岸から2キロほどのところにある磯回りに到着。その周囲を探ってみることに。
魚の反応があればアラームがなるように設定したというが、しばらく探索したものの、鳴る気配はない。そこで磯の向こう側まで移動してみる。しかし、アラームはならない。ん? でもなんか魚探に影みたいなのが映ってる。さっきまで真っ白だったのに。
「沼野さーん、なんか影みたいなのが映ってるんですけど」と言うと、近寄ってきて魚探を覗き込む沼野さん。「アラームが切れてたかも。いますよ、投げてみてください」との言葉で、適当に付けていたルアーをキャストしてみる。カヤックからのキャストは初めてなので、思ったように飛ばない。「いけね、失敗した」と素早くリールを巻いていると突然リールが重くなる。何? と思った瞬間、ググググーと明らかに生き物に引っ張られる感触が竿から伝わってきた。魚だ! えぇぇ! いきなり!?