ハンモック好きが待ち望んでいたカモック「サンダ2.0」がついに発売された。
そもそもハンモックは地面の影響を受けずに過ごせるので、夏は涼しく、冬は背中側に工夫をすればあたたかく眠れる優れものだ。フレームがない分テントよりも軽快で、ハンモック泊を取り入れるソロキャンパーがジワジワ増えている。
ところが、日本では木にロープをかけるのを禁止するキャンプ場が多く、また、特段禁止してはいなくてもハンモック向きの木が少なくて利用できないことがままある。快適さを求めてハンモック泊を目指しても、結局、地面の上にマットを敷いてタープ泊をすることもあるわけだ。
カモック「サンダ2.0」はタープ付きのハンモックでありながら、わずかのステップで自立式テントになるというハイブリッドタイプ。キャンプ地の状況に惑わされることなく、快適なキャンプができる待望のハンモックテントなのだ。
12月17日の発売開始を前に、試してきた。
すべてそろって重量2790g
総重量は2790g。
ハンモック、二人用テントとしては決して超軽量とはいえないが、DAC製フレームとペグ、木を保護しつつハンモックをかけるツリーストラップ等付属品込み。タープも含まれているのでこんなものだろう。
フライは20Dリップストップナイロン、テントの壁部分は15Dナイロンメッシュで薄く軽量だが、ハンモック(テント)の床部分は厚めの40Dリップストップナイロン。軽くて強靱なストラップのおかげで耐荷重は181kgを実現している。
テント設営は10分もかからない
フレームエンドをポール受けにはめる。ポール受けは水滴型の穴になっているので太いほうにフレームをいれてスライドするだけ。一度セットすれば反対側をセットする間にはずれるなんてことがないのがいい。
テントの場合は、フットプリントをフレームに取り付ける。
フロアはバスタブ形状で上部は細かなメッシュで覆われている。ハンモックをかけられないときに行うタープ泊とは違い、ハンモックをかけられなくても虫の心配をせずにすごせるのがありがたい。
半面、スカートなし+メッシュなので冬は手持ちのシートで隙間風が入りづらくするなど工夫が必要だ。ハンモックへのトランスフォームは3分ほど
次はいよいよテントからハンモックにするわけだが、テントの形のまま宙に浮かせるわけではない。
テントのフロア部分の両側にバックルがある。テントからハンモックにするときはペグをすべて抜き、フットプリントを取り外したらこのバックルを外して床のテンションをゆるめる。
注意したいのは、バックルをはずすとベルトがスリーブの中に入りこむことがあること。ペグを引っかける赤い輪のそばにスナップボタン付きのリボンがあるので、バックルがスリーブ内側に入らないよう固定すると後が楽。
赤いロングフレームから伸びるロープとつながった細いロープがあるので、これを引き絞る。ここまできたらツリーストラップを木に回しかけ、付属のカラビナでつなげれば宙に浮く。
通常のハンモックとは違って、上にフレームを通したフライが載っているため頭でっかち。
このままでも過ごせなくはないが、バランスが悪くフライが倒れてしまう。そこで張り綱を取り付けてペグダウンするのだが、張り綱は片側には自在金具、もう片側はフックが取り付けられていて、本体のループにフックを引っかけるだけ。フック先端がややすぼまっているのでループから抜けにくいのは気が利いている。
各部をペグダウンすればハンモックの完成だ。ハンモック(テント)とフライは一体化されているので、雨が降り込まないよう調整する必要はない。
ツリーストラップ側には小窓があり、内側からフライの小窓を開閉可能。また天井部分が全体に広く、圧迫感を感じない作りになっている。
さすがに寒くて試す気にならなかったが、蒸し暑い夏は水上コテージみたいに過ごせる。乗り降りに濡れるわけだが夢がある使い方だ。
重量だけを考えれば、ハンモック+軽量タープや2kg以下のテントを用意するほうが軽快だ。けれどもキャンプ場の環境によってどっちを持っていくか考えなくてはならず、場所を転々とするキャンプ旅では結局テントを選択せざるを得ない。
「サンダ2.0」なら、これひとつでハンモック泊もテント泊もまかなえる。
草原やビーチではテント、ゴツゴツ地面やぬかるみの林間はハンモックにトランスフォームする「サンダ2.0」は、目的地を決めない長期のキャンプ旅で強い味方となりそうだ。
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