うるしを塗る

右からかぶれ防止用のビニール製(ポリプロピレンは化学反応を起こすのでNG)手袋、磁器小皿、撹かく拌はんするための棒、テレピン油、生うるし、うるし塗り用布、拭き取り用布、仕上げ磨き用のじゅうねん(えごま)油と砥との粉こ(木の粉)、磨き用の布を巻いた棒。
塗りの2度目まではうるしとテレピン油を同量混ぜたものを塗ると、材に浸透しやすい。3度目以降はうるしだけでOK。
布にうるしを少量染み込ませ、カップに擦り込む。縦横に布を動かし、目地の奥までしっかり擦り込む。内側から塗ると作業がらく。
うるしを擦り込んだら、うるしが均一になるよう、別の布で丁寧に拭き上げる。隅などにうるしが溜まらないように注意する。
室(うるしを乾かす乾燥庫で、温度20〜25度C、湿度70〜80%に保つ)に入れて乾かす。プラケースの底に湯に浸した布を
敷き、上に棒を渡してカップを乗せる。
乾いたら塗りを繰り返す。左から塗る前の木、1度塗り、2度塗り(ここまでは希釈液)、原液による3度塗り、4度塗り。
仕上げ磨き。じゅうねん油と砥の粉を1対1で混ぜ、布に取って磨く。表面のザラザラがツルツルに変わったら、布で拭いて完成。
見事にスタッキングされたカップ。1本の竹から作ると断面の形やクセが同じで、調整しやすい。ワンセットで総重量215g。およそシェラカップ2個分の重さ!
教えてくれた人
長野修平さん
ネイチャークラフト作家。「塗料のなかではいちばん気を使うけど、色つやも上品で(うちの奥さんみたい♡)、一度塗ると半永久的に変わらないのがうれしいよね」