トレッキングポールの基本の使い方。楽しく安全に登山を楽しもう
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    山・ハイキング・クライミング

    2024.08.09

    トレッキングポールの基本の使い方。楽しく安全に登山を楽しもう

    トレッキングポールの基本の使い方。楽しく安全に登山を楽しもう
    トレッキングポールは、登山をサポートしてくれる便利なアイテムですが、使い方がわからず困っている人もいるでしょう。そこで、今回はトレッキングポールの使い方や注意点を徹底解説します。正しい使い方を理解し、登山をより楽しみましょう。

    トレッキングポールの特徴とメリット

    (出典) photo-ac.com

    登山をするときにトレッキングポールを使うと、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。トレッキングポールの特徴と併せて解説します。

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    トレッキングポールを使うメリット・特徴

    足腰の負担を軽減する

    トレッキングポールは登山用の杖のことで、『ストック』と呼ばれることもあります。登山は下半身への負担がかかるスポーツです。トレッキングポールは第三、第四の足の役割を果たしてくれるので、下半身への負担を軽減するのに役立ちます。

    登りのときは腕の力で推進力を増すことで、前に進みやすくなります。下りのときは自分の体重と荷物の重量が足にかかるため、より負荷が大きくなるでしょう。そのときにトレッキングポールがあれば、負荷を分散できるため足や膝への負担を和らげられます。

    転倒のリスクを低減する

    山道は凹凸が激しいことに加え、登山中は重い荷物を背負いながら歩くため、少しバランスを崩すだけで転倒しやすくなります。しかしトレッキングポールがあれば、支点が一つないし二つ増えるため、バランスを崩すことによる転倒のリスクを軽減できます。

    トレッキングポールがあれば、登山中バランスを取るために手をつく必要もありません。足場が悪い道を歩く際には、トレッキングポールがあると心強いでしょう。

    トレッキングポールの種類

    (出典) photo-ac.com

    トレッキングポールはグリップの形によって、I字型とT字型の2種類に分けられます。各タイプの特徴やメリットを解説します。

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    トレッキングポールは2種類ある

    2本で使う「I字型」

    持ち手がまっすぐになっているタイプで、通常は2本セットで使用します(1本だけを杖のように使用する人もいます)。見た目はスキーのストックにも似ています。両手で1本ずつ使うため、力が入りやすい点がメリットです。

    また、I字型は製品ラインナップが豊富で、好みのデザインのものを選びやすいでしょう。

    I字型は2本で使うことで、足元が悪い道でもバランスを取りやすく、平坦な道では推進力をつけられるのがメリットです。初心者でも使いやすく、荷重を2本のストックと足に分散して歩けるので、テント泊登山などで荷物が重い場合や、高い山に登るときにもI字型が適しているといわれています。

    また、先端のゴムキャップを雪用のバスケットに交換することで、雪道や雪山の登山道を歩く時にも使えます。

    LEKI(レキ) マカルーライト

    サイズ:67~130cm 重量:約500g(組) 直径:16/14/12mmアルミ グリップ:エルゴンサーモロング

    1本で使う「T字型」

    T字型の持ち手を上から握るタイプで、杖のように1本で使用します。なだらかな道を歩くのに向いており、腕が疲れにくく体重をかけやすいのがメリットです。そのため低山ハイキングなどにおすすめのタイプとされています。

    片手が空くので、水分補給や写真撮影などをしやすいのも魅力的です。平坦な道をメインにトレッキングする人や、散歩感覚でのんびり歩きたい人に向いているでしょう。

    また、杖として普段使いすることもできます。

    LEKI(レキ) レジェンドシリーズ マイクロ

    サイズ:85-100cm(収納時38cm) 重量:約232g 直径:18/16/14/14mm カーボン グリップ:エルゴムド

    トレッキングポールの長さを調節

    (出典) photo-ac.com

    自分に合ったトレッキングポールの長さは、どのように測ればよいのでしょうか。トレッキングポールの長さを調節する際のポイントを解説するので、場合によって使い分けましょう。

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    長さを調節する際のポイント

    身長から適切な長さを計算

    平坦な道でトレッキングポールを使う場合の適切な長さは、『身長(cm)×0.63』で計算するとよいといわれています。たとえば身長170cmの人であれば、約107cmがちょうどよい長さです。

    トレッキングポールには、身長に対応したメモリとポールの長さを表すメモリが付いているケースがあるので、そちらを目安にしてもよいでしょう。計算が面倒な場合は、『ポールを持った腕の肘が直角の状態から2cm下がった程度』と覚えておくと、おおむね適切な長さになります。

    登り・下りで長さを調節

    平地、登り、下りそれぞれで、トレッキングポールの長さを調節する必要があります。平地での長さの目安は、ポールを持ったときに肘が直角に曲がるくらいの長さです。そこを基準に、登りのときは少し短く、下りのときは少し長めに調節しましょう。

    具体的には、登りのときは平地で持ったときに拳が腰のあたりに来るくらいの高さに、下りのときは拳が胸のあたりに来る高さが目安です。この目安をもとに、実際に歩く中で微調整をするとよいでしょう。

    4つのロック方式

    ポールの長さのロック方式には、主に以下の4つがあります。自身が使いやすいと思うものを選びましょう。

    • レバーロック
    • スクリューロック
    • ピンロック
    • ハイブリッド

    レバーロックは操作のしやすさが特徴的で、力の強くない人やグローブをはめながらでも調整できます。スクリューロックはポールを捻ることで長さを調節する方式で、多くのモデルが販売されています。ただし調節には多少の力が必要なのが難点です。

    ピンロック方式はピンでポールを固定するタイプです。ポールが軽量化できる点がメリットですが、細かい長さ調節が難しい点がデメリットでしょう。

    ハイブリッド方式は複数の調節方法を組み合わせたタイプで、それぞれの欠点を補えるのがポイントです。ただしその分、構造が複雑になる傾向があります。

    トレッキングポールのグリップの持ち方

    (出典) photo-ac.com

    トレッキングポールのグリップには正しい持ち方があります。間違った持ち方をすると、ポールの性能をうまく発揮できなかったりけがの原因になったりするので、しっかりと押さえておきましょう。

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    グリップの持ち方のポイント

    I字型の場合

    登りと下りで、グリップの持ち方を変える必要があります。登りの場合は、ストラップの下から手を通してグリップを握りましょう。下から手を通すことで手首にも適度な負荷をかけられるので、握力だけに頼らず負荷を分散できます。

    下りの場合は、ストラップの下から手を通し、グリップに上から被せるように持つのが基本です。登りのときと同じような持ち方をしてしまうと手首への負荷が大きくなり、傷める原因となるので注意しましょう。

    T字型の場合

    T字型のポールは、一方のグリップが長く、もう一方が短くなっています。T字型の持ち方は、親指と人差し指で短い方のグリップを持ち、残りの指で長い方を持ちます。登りのときも下りのときも同じ持ち方で問題ありません。

    T字型のモデルによっては、I字型のようにグリップの下の方も持てるよう2ウェイになっているものもあります。その場合、登りのときはI字型のように下の方を握ると、より登りやすくなるでしょう。

    トレッキングポールの正しい使い方

    (出典) photo-ac.com

    トレッキングポールの正しい使い方を解説します。正しく使いこなすことで、より安全かつ楽しく登山ができるようになります。しっかりと確認しましょう。

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    確認しておきたいトレッキングポールの使い方

    平地の場合

    平地を歩くときは、踏み出した足と反対側のポールを、足の少し前に突くようにします。ちょうど腕を振って歩くときのように腕を後ろに振り、体を前に押し出して歩きましょう。歩幅はやや狭くし、リズミカルに歩くことがポイントです。

    最初のうちはポールが気になって視線が下に行ってしまいがちですが、目線はできるだけ前に向けて歩きましょう。

    登りの場合

    登りの場合は、まずトレッキングポールの長さを短めに調節しましょう。製品によっては『アンダーグリップ』という、グリップの下にさらに持つ部分が用意されています。アンダーグリップがある場合は、そこを持ってもよいでしょう。

    平地を歩くときと同じように、踏み出した足の反対側のポールを足の少し前に突きましょう。持ち手は肩より低めに持ち、歩幅は狭くして、ポールに体重をかけると同時に上半身で推進力を得ながら進むイメージです。ただしあまり前に突きすぎると、上半身に力が入ってしまい、疲労の原因となります。

    下りの場合

    まずはポールの長さを長めに調節しましょう。歩幅は平地を歩くときよりも狭くし、踏み出す足が地面につく直前に、反対側のポールを足のすぐ横に突きます。体重がポールにかかりすぎると、ポールが破損する可能性もあるため注意しましょう。

    足場が悪かったり、斜面が急だったりする場合は、ポールを2本同時に突く方法もあります。その場合は、2本のポールの真ん中に足をつけながら歩きましょう。このときもポールに体重をかけすぎないよう注意が必要です。

    トレッキングポールを安全に使うために

    (出典) photo-ac.com

    トレッキングポールを安全に使うために注意すべき点を解説します。使い方を間違えるとけがにつながりかねないので、正しい使い方を守りましょう。

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    安全に使うためのポイント

    必要な場所で適切に使う

    トレッキングポールは必要な場面の見極めが重要です。ゴツゴツした岩場などでは、トレッキングポールは使えないどころか、無理に使うと滑って大けがの原因となってしまいます。そのような場合は、トレッキングポールを短くたたんでザックに収納し、手足をつかって上り下りするようにしましょう。

    トレッキングポールは必ず体の外側に突くようにしましょう。体の内側に突いてしまうとバランスが取りにくくなり、転倒の恐れがあります。万が一、転倒しかけたときに地面に手を突くことができず、顔面を打つ可能性もあります。

    また、トレッキングポールに全体重をかけることも危険です。ポールが折れてけがの原因となります。トレッキングポールだけでなく足にも適切に体重を配分し、ポールをつく地点と足元をしっかり見ながら、バランスを崩さないように歩くことが大切です。トレッキングポールはあくまで登山の補助である点を忘れないようにしましょう。

    先ゴムを必ず装着する

    トレッキングポールは先端が金属製で尖っています。これは雪山や凍結した雪面を歩くときに、突き刺してスパイク的な効果を得るためです。

    安全性を確保するため、また環境を傷つけないために、雪道以外では必ず先端に付属のゴムキャップを装着して使用しましょう。とりわけ公共交通機関での移動中や、自然保護の対象となっている場所など、地面を傷つけてはいけない状況ではゴムキャップの装着は必須です。

    雨に濡れて滑りやすい道やぬかるんだ道を歩くときも、ゴムキャップがあった方が安全に歩行できます。ゴムキャップを装着することは、自分だけでなく他者や自然を守る意味もあることを覚えておきましょう。

    雪道では先端のゴムキャップを外し、雪用のバスケットを装着して使用します。雪用のバスケットは、スキー用のストックについているような円形または六角形のストックキャップです。トレッキングポールにあらかじめ付属の場合と、別売りの場合があります。

    まとめ

    より安全かつ快適に登山を楽しむためには、トレッキングポールがあると便利です。トレッキングポールがあれば、傾斜がきつい道でもバランスを崩しにくく、体への負担を和らげられます。

    トレッキングポールにはT字型とI字型の2種類がありますが、高い山も含めてさまざまな登山で使う場合はI字型の2本使いがおすすめです。一方、なだらかな場所での写真撮影や、低山ハイキングや散策などに向いているのはT字型です。

    トレッキングポールを使って歩くときは、必ず体の外側に突くようにし、あまり前に突きすぎないよう注意が必要です。必ずゴムキャップを装着し、マナーを守って登山を楽しみましょう。

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