日帰りのキャンプでも、結構な量のゴミが出ます。帰りの車内に嫌な臭いが充満したり汁漏れしたりすると楽しかったキャンプが台無しです。
また悪気のない行動でも、知らないうちにマナー違反になってしまうことも。そこで今回は、キャンプのゴミ持ち帰りの基本やゴミを減らす工夫を紹介します。
キャンプ場でのゴミ処理の基本ルール
ゴミ処理の基本的なルールは、どこのキャンプ場でも共通です。
受付でルールをしっかり確認する
多くのキャンプ場では、到着したら受付でチェックインをします。その際にゴミに関するルール説明があるはずです。
キャンプ場によって分別のルールが違ったり変更されたりすることがあるので、慣れた場所でも毎回しっかりと話を聞きましょう。
炭を正しく処分する
使い終わった炭を土に埋めたり、そのまま放置したりすることは厳禁です。ほとんどのキャンプ場には、炭を捨てる灰捨て場があるので、所定の場所に廃棄しましょう。
完全に火が消えたのを確認してから捨てるのも大切なポイントです。炭の火を早く消す方法は、主に2つあります。
ひとつ目は、水に浸すことです。水をかけるのではなく、しっかりと水に浸すようにしましょう。
大きめのバケツにたっぷりの水をはり、炭を入れたら10分ほど放置します。一番太い炭を割って、中央の火が消えていたら消火できた証拠です。
ふたつ目は、火消し壺に入れることです。
火消し壺は、火がついている炭や薪(たきぎ)を入れて蓋をし、酸素を遮断することで消火する入れ物のことです。
ゴミを減らす努力をする
ゴミ捨て場があるからといって、ゴミをたくさん出していいわけではありません。食べ残しを減らす、リサイクルできるものはリサイクルする、ということを意識しゴミの量を減らすことが大切です。
ただ、野菜の切れ端や皮、紙コップやお菓子の包装を燃やすのはマナー違反。臭いや有害物質がでることもあるので、可燃ゴミも持ち帰るようにしましょう。
プラスチックのトレーやペットボトルはきれいに洗って乾燥させれば、帰り道にあるスーパーなど、回収してもらえる場所もありますよ。
キャンプでありがちなゴミトラブルと対策
ほとんどのキャンパーが一度はゴミ関係の失敗をしたことがあるのではないでしょうか。よく起こりがちなゴミのトラブルと対策方法を紹介します。
ゴミをカラスに荒らされる
しっかりと袋の封をしたり段ボールに入れたりしていても、カラスは器用に開けて荒らしてしまいます。
就寝時やサイトから離れる時は、ゴミ袋を車の中に入れると安心です。
車の中に長時間入れることに抵抗がある場合は、蓋がロックできるコンテナボックスを活用するのがおすすめ。キャンプ用品や季節用品をまとめて保管することもできるので、1つ持っておくと便利ですよ。
悪臭がする
冬場やデイキャンプであればそこまで臭いがキツくなることはありませんが、夏場や連泊した際は持ち帰りが憂鬱になるほど生臭くなることもあります。
そうなると、普通のゴミ袋やビニール袋に入れても臭いはシャットアウトできません。残飯や油汚れがついたゴミは、ジッパー付き袋や消臭袋に入れて密閉するようにしましょう。
ゴミを車で持ち帰る時のコツ
キャンプ場にゴミ捨て場がない場合は、当然全てのゴミを持ち帰る必要があります。しかし、何も対策を考えていないと車内を汚してしまったり、帰ってから処理が大変になったりすることも。
ここからは、ゴミを気持ちよく持ち帰るコツを紹介します。
洗えるものは洗って乾かす
ドリンクの入れ物やタッパーをそのままゴミ袋に入れると、虫が寄ってきたり水漏れしたりする原因に。
多くの自治体では、燃えないゴミは洗って乾かしてから、ゴミ出しをする必要があります。家に帰ってから大量のペットボトルや缶を洗うのは大変なので、できるだけキャンプ場で洗って乾かして持ち帰りましょう。
レジャーシートを敷く
キャンプ用品やゴミ袋には、どうしても土や臭いなどがついてしまいます。そのまま車のトランクに乗せると、あとで掃除や消臭が大変です。
車を汚れから防ぐために、レジャーシートを敷いてからゴミ袋などを乗せてください。
防水バッグに入れる
臭いや水漏れがしやすい生ごみを持ち帰るための防水バッグがあると便利です。中身が見えないので、気持ち的にも快適!
ソロキャンプ〜3人くらいの少人数のキャンプなら、10リットル程度のもので十分足りるはずです。
ルーフボックスに入れる
所持している車にルーフボックスがある場合は、ゴミをそこに積むのも有効な方法です。
臭いがうつったり液漏れしたりしても、基本的に丸洗いできるので後処理が簡単です。
ゴミを減らすための4つのアイデア
環境を守るためにも、ゴミを減らす工夫をしましょう。
使い捨ての食器類をやめる
頻繁にキャンプをする方は、エコと節約のためにキャンプ用の食器を一式揃えるのがおすすめです。
キャンプ用として販売されている食器は、スタッキングできるように設計されているものが多く、4〜5人分のセットを持ち運んでも意外とかさばりません。
紙皿やプラスチックのコップよりもお気に入りの食器を並べた方が、写真映えもしますよね。
下ごしらえは自宅で
プラスチックのトレーや包装、野菜の不可食部はとてもかさばります。
事前に買い出しをして下ごしらえを済ませた食材を持っていくと、現地での調理が楽になりますし、ゴミも出ません。
食べる分だけジッパー袋に入れて持っていけば、帰りの荷物がグッと減りますよ。
買うものをリスト化する
道の駅や地元のスーパーで、その土地ならではの食材を買い出しするのもキャンプの楽しみのひとつです。
しかしテンションが上がってついつい買いすぎて、食べ残してしまったり使わなかったりと結局ゴミになってしまった経験がありませんか?
必要以上に買い込まないように献立をあらかじめ決めて、買うのもをリスト化すると衝動買いを減らせますよ。
スクレーパーを使う
洗い物の時短や炊事場を汚さないために、事前に食器類の汚れをキッチンペーパーで拭き取る人は多いと思います。
しかし汚れたキッチンペーパーは意外とかさばり、臭いのもとにもなるんです。
そこでおすすめなのがスクレーパー(こそげとるためのヘラ)。汚れをかき集めてビニール袋にまとめれば、ゴミがかなり少なくなります。
ゴミ処理のルールを守って気持ちのいいキャンプを
ゴミが正しく分別されていなかったり放置されたままになったりと、ゴミ問題が深刻化すると最悪の場合キャンプ場が閉鎖されてしまうこともあります。
コロナ対策の一環で、全てのゴミが持ち帰りになったキャンプ場も少なくありません。いつも利用するキャンプ場であっても、毎回ルールを確認しマナー違反をしないようにしましょう。