ワンダー・レイクでの1週間のキャンプ生活を終え、帰りのキャンパー・バスに乗りました。バスの窓から、朝の光に染まるデナリの山頂がくっきりと見えました。
ツンドラの中で朝ごはんを食べていた、雌のムース。2メートル以上もある大きな動物です。彼らが暮らすこの世界とも、お別れです。
公園入口のライリー・クリークのキャンプ場で一泊した翌日、アンカレジに戻るアラスカ鉄道に再び乗りました。紺色と黄色の車体がゆっくりと駅に入ってきました。
列車に乗った後、座席の窓の外を流れていくツンドラの景色。ほっとしたような、名残惜しいような、また味わいたいような……かけがえのない、ワンダー・レイクでの1週間でした。
【アラスカ・デナリ国立公園の旅1】
【アラスカ・デナリ国立公園の旅2】
【アラスカ・デナリ国立公園の旅3】
【アラスカ・デナリ国立公園の旅5】
◎文/写真=山本高樹 Takaki Yamamoto
著述家・編集者・写真家。インド北部のラダック地方の取材がライフワーク。著書『ラダックの風息 空の果てで暮らした日々[新装版]』(雷鳥社)ほか多数。
http://ymtk.jp/ladakh/