アラスカのデナリ国立公園の最深部、カンティシュナと呼ばれる場所に、アラスカでもっとも有名なウィルダネス・ロッジ「キャンプ・デナリ」があります。1954年、アラスカ最初の女性パイロット、シリア・ハンターとジニー・ウッドがこの地にキャビンを建て、人々が宿泊できるようにしたのが、キャンプ・デナリの始まりでした。
キャンプ・デナリに泊まるには、かなり早い段階からの予約が必須です。予約した宿泊客がアラスカ鉄道などでデナリ国立公園入口に到着する時刻に合わせて、キャンプ・デナリの専用送迎バスが迎えに来てくれます。
公園入口からキャンプ・デナリまでのバス移動は、往路は8時間ほどかけてゆっくりと進みます。というのも道中は、ツンドラの景色や動物たちの様子を眺めるのに最高のシチュエーションがたくさんあるからです。
移動の途中では、スタッフの方々がバスの外でテーブルを広げ、たくさんの食材を並べて、乗客たちが好きな具材でサンドイッチを作って食べられるようにしてくれます。
キャンプ・デナリでは、宿泊客はそれぞれに割り当てられたキャビンに泊まります。中には薪ストーブと寝心地のいいベッドがあって、快適そのもの。キャビンはすべてデナリの方角に向かって建てられていて、屋外にあるトイレのドアの覗き窓からも晴れていればデナリが見えるように作られています。
大食堂のあるキャビン「ポトラッチ」の前には、小さな池があります。晴れた日にデナリの姿が池に映ることが、この場所に「キャンプ・デナリ」が建てられた理由の一つになったそうです。