荒々しい波の音だけが響き渡り、大自然の中でひたすら海と向き合う磯釣り。
ただ無心にキャストを繰り返すルアー釣りも良いですが、水平線から上る太陽を眺めながら、静かに魚からの反応を待つエサ釣りも魅力的です。
今回は、初心者の方でも、思わぬ大物が釣れる磯のエサ釣りについて実釣を交えて、解説していきます。
魚が集まりそうなポイントを見つける
ルアー釣りでもエサ釣りでも言えることですが、釣り場に魚がいないことにはどんな達人でも魚を釣り上げることはできません。
そこで、まず意識したいのが、魚が集まりそうなポイントを見つけることです。
磯の釣り場では、陸から少し離れた小磯周りや海流が複雑になっているところなどに魚が溜まりやすくなっています。
そのようなポイントを見つけたら、その近くに釣り座を確保することをオススメします。
釣り方と用意した道具
今回筆者は、針に掛けたエサを海底まで沈めて放っておく、ブッコミ釣りと呼ばれる釣り方でチャレンジしました。
ロッド(竿)とリール
磯のエサ釣りにおいては、各釣り具メーカーから多くの専用ロッドとリールがリリースされています。
専用のものを使うことに越したことはないですが、磯場から数十メートル投げるようなエサ釣りであれば、ライトショアジギングのロッドで流用することも可能です。
また、ダイソー振り出し竿が磯のエサ釣りで使えるのかということも試したかったので、持ち込みました。
リールはシマノ製3000番のものと、ダイソー製3000番のものを用意。
メインラインは両方ともナイロン3号のセッティングを選びました。
仕掛け(針やオモリ)
仕掛けは釣具屋さんで市販されている、カレイ釣り用のものを使います。
リールに巻かれているメインラインを、仕掛けについているスナップ(接続金具)に結びます。
スナップにナス型オモリ(ナスのような形をしたオモリ)を取り付ければ、釣るための仕掛けは完成です。
使うエサ
エサはスーパーで市販されているサバの切り身を使いました。
短冊切りのものを用意しておけば、あとは針に掛けるだけです。
エサは、スーパーであれば、かなり格安で手に入れることができます。
竿先に反応はあるけど……
夜が明ける前には釣り場に到着し、少しだけ明るくなってから釣りを始めました。
朝方は、釣り用語で朝マズメと呼ばれ、魚がエサを食べるために高活性になるので、釣果が期待できる時間帯です。
しばらくすると、さっそく竿先に反応が……。
小刻みな揺れが続き、急に反応が無くなったので、リールを巻いて、仕掛けを確認してみると、エサだけがきれいに無くなっています。
エサ取り名人であるフグの仕業か、それとも小魚たちの仕業か……。
魚がいることだけは確かなので、気を取り直してエサを取り付け、再度海に投げ込みます。
突然竿先が沈みこむ!?
太陽が完全に昇りきり、今日は厳しいかもしれないと思っていた矢先……。
突然、ダイソー振り出し竿の竿先がグゥーッと沈み込む反応が!
慌てず竿先を観察し、何度も上下する反応を見届けてから魚が掛かっていると確信。
ロッドをそっと持ち上げ、上に勢いよくあおってアワセ(魚を針に掛けること)ると、ずっしりとした重みが!
強引にリールを巻き続け、海面から出てきた魚は、70センチを超えるウツボ……!
ド派手な色合いと大きさに圧倒されつつ、なんとか釣り上げることができました。
釣り上げた魚はトラウツボという種類で、主に太平洋沿岸に生息しています。
ウツボよりも珍しい魚で、筆者も初めて釣った魚です。
見た目はいかにも狂暴そうですが、毒などはなく、意外と大人しい魚です。
ただ、口周りは鋭利な歯がびっしり生えてるので、釣りあげても、不用意に触らないようにしましょう。
筆者も細心の注意を払いながら、針を口から外して、リリースしました。
磯は何が釣れるか分からない……
トラウツボが釣れたあと、2時間ほど竿を出して粘りましたが、反応が無かったので、ここで納竿としました。
それにしても、磯でのエサ釣りは何が釣れるか本当に分かりません……。
漁港や堤防では考えられないような魚が、磯周りでは当たり前のように生息しており、やはり磯場は、夢のある釣り場であると改めて思いました。
初心者の方でも、釣り座に到着するまでは少し苦労しますが、磯のエサ釣りであれば、とんでもない大物を釣り上げることができるかもしれません。
大自然に囲まれて釣りをしてみたい!
大物を狙ってみたい!
という方は、ぜひ、磯のエサ釣りにチャレンジしてみてくださいね。
最後に
初めての釣り場へ行くときは、釣り禁止の看板がないかを確認しましょう。
磯での釣りはベスト型のライフジャケットを必ず着用し、専用のスパイクシューズを履きましょう。
ルールやマナーを守り、誰にも迷惑のかからないよう行ないましょう。
Googleマップを頼りに未開拓の釣り場を求めて沿岸を練り歩き、自然の美しさと過酷さに魅了された冒険家気質な釣り人。