公園からニッポンを変えよう! パルパーク・プロジェクト第35回 特報
「子どもたちにたくましく生きる力を!」。パルパーク第1号の山田緑地で、焚き火ワークショップをサポートする“森の焚き人”養成講座が今年も開催された。
広がるパルの輪!進化するパルパーク!!
ススキの穂が秋の日に輝いている。『焚き火の学び場』への道すがら、講師の長谷部さんは立ち止まると、その穂を摘んだ。
「今回は、麻ひもだけでなく、ススキの穂も火口に使いましょう」
山田緑地にパルパークができて3年。恒例となった『“森の焚き人”養成講座』が今年も開催された。森の焚き人とは、子どもたちに焚き火のやり方や楽しさを伝えるパル(仲間)のこと。パルパークを持続的に運営するために欠かすことのできないサポートメンバーである。
「技術の習得はもちろんですが、森の循環の中での焚き火の位置づけを常に忘れないようにしましょう。そして、自然の知識を深め、自然を活用することで焚き火がもっとおもしろくなることを体感してください」
ススキの穂を手にした長谷部さんのことばに、森の焚き人たちがうなずく。3回目となる養成講座は、その内容もより深まっていた。
1日目:火おこし・焚き火をマスター
2日目:子どもたちを迎えて焚き火教室
2日目は子どもたちを迎えての焚き火教室。昨日の生徒がこの日は先生になる。ここでも新たな試みが加えられた。長谷部さんは裏方に徹し、主体性を発揮するよう1・2期生も含めた森の焚き人たちにすべての運営がまかされたのだ。スタートは緊張からかぎこちなかったが…。
「火がついた!」
ファイヤースターターの火花で火口がボッと燃えた瞬間、子どもが歓声を上げた。
「やったね!!」
火のつけ方を教えていた先生は、子どもよりも大きな声を爆発させた。
焚き火教室終了後の振り返りで、森の焚き人が口にしたのは伝えることの難しさと喜び、充実感だった。
さらに、「焚き火場を増設したい」、「マシュマロだけでなく焚き火料理を体験させてあげたい」、「自然とのつながりを伝えるために、薪集めからやらせてあげたい」といったさまざまな希望が語られた。
こうしてパルの輪が広がり、パルパークは一歩ずつ着実に進化を続けている。
※構成・文/鍋田吉郎 撮影/江藤大作