燕三条の凄腕刃物鍛治「藤次郎」とコラボした逸品アウトドア包丁
ギラリと輝く刀身、無骨な槌目模様のハンドル。見るからに斬れそうなアウトドア包丁が登場! 新潟県燕三条地区のプロ向け刃物メーカー、藤次郎と、同じく優秀金属加工会社、村の鍛冶屋のブランド、「TSBBQ」のコラボによる逸品です。
ラインナップは、野菜や肉、魚の切り身など用途の広い「ユーティリティ」、分厚いサンドイッチでもザクザク切り分ける「パン切り」、そして、魚を捌くのに特化した「小出刃」の3種。
刀身には、「TOJIRO × TSBBQ」の刻印が。MADE IN JAPANの銘がその誇りを示しています。2021年度のグッドデザイン賞を受賞した実力の持ち主です。
それでは、切れ味や使い勝手など、3種のアウトドア包丁を用途別にみていきましょう。
ユーティリティナイフ
まずは「ユーティリティ」ナイフから。特徴的なハンドルは、燕三条地域の伝統的な工芸品、鎚起銅器の表面感をイメージしています。適度な凸凹が滑り止めとなり、しっかり握れるようになっています。
刀身の素材は、DPコバルト合金鋼の複合材、ハンドルは腐食に強い18-8ステンレス鋼。すべてのパーツは継ぎ目なく滑らかに溶接されており、汚れが溜まりにくい設計。全長295mm、刃渡りは160mmと、取り回しししやすいサイズです。ハンドルは内部が中空構造で、重量は144gと、見た目よりずっと軽量です。そこで、塊肉の切り分けに使ってみると…
ローストビーフをカットする
160mmの刃渡りをフルに使って、ローストビーフをカット。鋭い切れ味、適度な重みで、刃を軽くスーッと引くだけで切れていきます。
素材の細胞を押しつぶすことなくカットできるためか、肉の柔らかさや、ジューシーさを失うことなく切ることができました。ナイフの切れ味次第で、肉の風味がここまで変わるのか…と、驚きました。ステーキ肉の切り分けや、ビア缶チキンの解体にも重宝しそうです。
さて、次は、パン切りナイフの実力をみていきましょう。
パン切りナイフの実力を検証
パンのカットに特化した「パン切り」ナイフは、全長295mm、刃渡り160mm、重量は142g。材質はユーティリティと同じです。よく見ると、刃先の形状だけシャープで、ホットサンドやバゲットなど、パリパリしたパンの表面に歯を入れやすくなっています。
パン切りとしてはコンパクトですが、刃の長さは一般的な食パン(一辺11〜13cm)より少し大きいサイズ。キャンプ用キッチンテーブルの狭い空間でも取り回ししやすい設計です。
ホットサンドをカットする
手軽に作れて食べやすく、キャンプの朝ごはんや軽食にぴったりな、バゲットサンドやホットサンド。普通の包丁では潰れてしまったり、パンと具材が崩れたりと、なかなかうまくカットできないもの。
このパン切りナイフなら、ギザギザに刻まれた刃で、しっかりパンを捉えることができます。
ザクッ! 小気味よい音を立てて、刃先がホットサンドを切り分けていきます。パリパリのパンが潰れることもありません。
スパッと切り口もあざやか!
トマトとベーコン、アボカドとハムの2種のホットサンドをカットしてみました。具の崩れもなくスパリと切れて、見るからに美味しそうです。この切り口なら「映え」も狙えそうですね。
次は、いよいよ真打ち登場! 小出刃包丁を使って、鮮魚を調理してみましょう。これができれば、キャンプ飯のレパートリーもグーンと広がりますね。
小出刃包丁の使い勝手は?
最後に、実際に魚を捌きながら、「小出刃」包丁をテストしてみます。
素材は上記2点と同様、全長250mm、刃渡り120mm、重量は166g。刃の厚みが3.5mmあり、刃の重量を活かして上から振り下ろし、骨を断つなどの荒めな仕事も十分にこなしてくれます。
アジのお造りに挑戦!
まずは下ごしらえから
近海物の新鮮なアジがが手に入ったので、鮮度を活かしてお造りにしてみました。まずはアジの硬い「ぜいご」を取り去ります。
包丁の切れ味が今ひとつだと、皮と身の切り分けがうまくいかずボロボロになってしまいます。この小出刃はスッスッと包丁が入っていき、硬いウロコ部分だけを取り去ることができました。
ワタを取る
次に、腹を開いてワタを処理します。鋭い切っ先を使って、ワタを掻き出すのもラクラク。
頭を落とす
お腹をキレイにしたら、包丁の重みを利用して、押し出すように頭を一刀両断!
身を三枚におろす
アジの中骨の間に包丁を差し入れ、3枚におろします。包丁の切れ味が鈍いと、骨の方に身が残ってもったいないことになるのですが、中骨ピッタリに刃先が入り、いい感じにおろすことができました。
ここで再びユーティリティナイフ登場!
皮を引く
3枚におろせたら、仕上げにアジの身についた皮を引いていきましょう。皮引きには、先ほど使ったユーティリティナイフを使います。皮と身の間ギリギリに刃を入れ、すんなりと皮引き完了。これも切れ味が鋭いからこそできるワザです。
刺身にカット!
アジの身がサクになったところで、ユーティリティナイフでお刺身にカット。繊細なアジの身をつぶすことなく、いわゆる「刺身の角が立った」状態です。
身を叩いて「アジのなめろう」を作ってみた
ユーティリティと出刃のコンビ使い
せっかくなので、千葉県は房総半島に伝わる郷土料理「アジのなめろう」を作ってみました。「なめろう」とは、魚の身をネギやみょうが、紫蘇などの薬味と一緒に細かくたたき、味噌と生姜で風味づけしたもの。いわばタルタルステーキの魚版です。ご飯のおかずにはもちろん、お酒のおつまみにもうってつけな漁師料理です。
ユーティリティナイフの小回りのきく細い刃先で、香味野菜を薄く、細かく切るのもお手のもの。
ネギとみょうが、アジの身を合わせ、小出刃でトントンたたいて細かくします。
生姜のすりおろし、味噌を混ぜて、全体になめらかになるまで叩いたら出来上がりです。
アジのお造りと、なめろうの2皿が完成。キャンプ地のそばで新鮮な魚が手に入れば、2種のナイフの合わせ技で、居酒屋にいるかのようなキャンプ料理を楽しむことができます。
魚介類の捌き方は、スマホで魚の名前を入れて検索すれば、やり方がヒットします。小出刃とユーティリティを使って、ワンランク上のキャンプ料理に挑戦してみてはいかがでしょうか。
ナイフがよければ、キャンプ飯のレベルも格段にアップ!
いい道具はそれだけでプラスアルファのパワーを授けてくれるもの。腕に覚えのあるキャンプ名人も、ビギナーのあなたも、「藤次郎 × TSBBQ アウトドアクッキングナイフ」シリーズの恩恵を受け、充実したキャンプ飯を楽しんでください。