山岳大国スイス!スキーだけじゃない雪山の楽しみ方
待ちに待ったウインターアクティビティを満喫できる季節が到来。クリスマス前後は気温もマイナスになり粉雪が降り積もったが、1月に入ると一転。温かい日が続き、春のようなポカポカ陽気に。
スイスは国土の約3分の2が山岳地帯。山が身近にあるため、冬にはスキーを楽しむ人が多い。チューリヒやジュネーブなど都市部の駅では、スキーウェアを着てブーツを履いたままスキーを持って、電車で山岳エリアへ移動する人もいる。ご老人たちが普段の生活で、スキーのストックを両手に持ち、杖変わりに使っているのも見慣れた光景だ。
今回は、ベルン州に位置するユングフラウ地方で、今シーズン早々に出会ったスキー以外のアクティビティを楽しむ人々を紹介する。
新型コロナウィルスの検査センターが設置
2020年12月にオープンした「アイガー・エクスプレス」の起点地となる「グリンデルワルト・ターミナル」には、新型コロナウィルスの検査センターも完備。PCR検査は160スイスフラン(約2万円)、48時間で結果を発行。日本帰国時に必要な厚生労働省のフォーマットに沿った証明書は、別途10スイスフランで発行できる。ユングフラウヨッホのチケットを購入した場合は、10スイスフランを差し引いてくれる。
スイスでは、ワクチン未接種の人はPCR検査の陰性証明を取得しないとレストランへ行けないルールなので、スキーの前にテストをする人もいる。
アイガー・エクスプレスは1周年!快適に最速の移動を
グリンデルワルト・ターミナルを拠点に、Vの字で二つの路線が走行している。一つ目は26人乗りの「アイガー・エクスプレス」、二つ目は2019年末にリニューアルした10人乗り「メンリッヒェン・バーン」。広大なエリアをより効率的に移動して楽しむことが可能となったことがうれしい。ターミナル(標高943m)からアイガーグレッチャー(標高2320m)までの移動はたった15分!
スイス流!雪山での遊び方と山を愉しむ心意気
1.パラグライダーとスキーを一緒に満喫
冬のスイスでは、スキーを履いてパラグライダーを楽しむ人も多い。フライトとスキーを一度に楽しむことができるなんて、羨ましい。
夏になると、上級者はユングフラウ地方から風に乗ってシャモニーまで飛ぶこともあるそうだ。
2.愛犬と一緒にソリ!
ユングフラウ地方では、犬もロープウェイや登山鉄道に乗ることが許されている。クライネ・シャイデックまたはアイガーグレッチャー~ユングフラウヨッホ間は犬料金が別途かかる。片道一回35スイスフラン(往復利用の際は復路分が30スイスフランに割引)。愛犬と一緒にスキー場で遊ぶことができ愛犬家にはうれしい。ソリ専用のコースでは、ほかにも愛犬を連れて滑っている人に多く出会った。ワンコも幸せに自然の中で過ごせるのがスイスだ。
3.スイスでも人気の柴犬と雪上ハイキング
柴犬はスイスでも大人気。ブリーダーが2か所しかなく、子犬は数年待たないと自分のもとへは来ない状態だ。そのため、周辺諸国まで国境を越えて柴犬を購入しに行く人もいるくらいだ。
スイスでは、犬を飼う場合に資格が必要で、飼い主は購入前に2日の講習を受ける必要がある。そこで犬の面倒やしつけを学び、飼う大変さを知ってからの購入となる。
講習を経て家族の一員となった可愛いワンコと一緒に雪上散歩をする人たちも多い。
4.ちょっと変わったソリ?
上の写真は1 本スキーが特徴の「スキーギベル」という乗り物。体重移動だけで操作する。見た目には不安定そうだが彼らにはそれが楽しいとのこと。これは、ユングフラウ地方から谷を降りた場所に位置するインターラーケン近くのマッテンという村で作られ、ベルン州ではよく見られる乗り物だ。不要になったスキーを使ってスキーギベルを作る4時間のワークショップもあるとか。手作りするのもおもしろそうだ。
5.景色と食事、アルコールをゆっくりと楽しむ
壮大な景色を堪能しながらのランチは最高の時間。比較的温かい日は外のテラス席が大人気。上の写真のお姉さんたちも絶景ランチとソリを楽しみに来たらしい。ソリはスイス人に大人気の国民的な遊び。大人のソリの楽しみ方は、ゲレンデのバーやレストランでアルコールを1杯飲み、いい気分になってから滑り出すこと!
6.ゆったり過ごす贅沢な時間
ゲレンデ近くでは、リクライニングできるチェアに座り、アイガーやユングフラウを見ながら本を読んだり日光浴を楽しむ人も多い。ブランケットの貸し出しサービスもある。
7.犬も自分の荷物を背負い自立している!?
スイスでは、ワンコといえども決して甘やかさず、荷物はできる限りワンコ自身が背負って移動する。犬のハーネスにぶら下がっている青く丸いものは水受け。緑のボトルの中にはビニール袋が入っている。自ら道具を運ぶ姿は、まるで自立した大人のよう。そんな光景が微笑ましい。
8.ヘリコプター体験もできる
天気が良ければアイガーやユングフラウ、メンヒの上空をヘリ遊覧することも可能。リフトやゴンドラがない場所までヘリで移動する、国際山岳ガイドと行く「ヘリスキーツアー」も人気だ。
また、万が一ゲレンデで怪我をした場合、レスキューを呼ぶと数分でヘリコプターが到着し、大きな病院へと運んでくれる。しかし請求は高額になるので保険の加入はおすすめしておこう。
9.気軽に歩けて絶景を堪能できる”フィルスト・クリフウォーク”とは?
グリンデルワルトの村から少し歩きフィルストのゴンドラ乗り場へ。約30分乗車すると標高2167mのフィルスト山頂駅に到着。そこには安全確保された鉄の道「フィルスト・クリフウォーク」が設置されていて、アイガーを遠くから眺められる素晴らしいポイントだ。しかし、高い場所が苦手な人は足がすくんでしまうかも。
10.エキサイティングなフィルスト・グライダー体験
ジップラインに大きなグライダーを取り付けたようなアトラクションも人気。フィルストから約800mを時速83kmで高速移動。アイガーを眺める絶景とスピードを同時に楽しめる。夏はもちろん、冬でも運行しており、風は冷たいが爽快な気分に!
スキーをしなくとも山頂や途中駅のレストランで景色を見てゆったり過ごしたり、「フィルスト・クリフウォーク」や「フィルスト・グライダー」を楽しむのもありだ。
11.老若男女問わず人気のスノーシュー
グリンデルワルトの村で出会った彼女たちは、フィルストエリアを散策した帰りだそう。ウィンターハイキングのコースは、スキーコースとは別に作られているので、歩きやすく衝突の危険がなく安全に楽しめる。
日本とは一味異なるスイスの冬のアクティビティはいかがでしたか?新型コロナウイルスの早い収束を祈りつつ、安全な渡航が再開されたら、ぜひ冬のユングフラウ地方にいらしてください!
【お役立ち情報】
●ユングフラウエリア情報
https://www.jungfrau.ch/en-gb/
●スイス情報
myswiss.jp
●お得な交通パスの情報
https://www.myswitzerland.com/ja/planning/transport/tickets-public-transport/
(取材協力:ユングフラウ鉄道グループ、スイス政府観光局)
【アイガー・エクスプレス誕生の記事】
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