キャンピングカーにトイレは必要?「車内トイレ」の圧倒的メリットとは?
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    2022.01.16

    キャンピングカーにトイレは必要?「車内トイレ」の圧倒的メリットとは?

    ポータブル式トイレ

    キャンピングカー購入時に迷うのが「トイレ」の有無

    キャンピングカーの室内レイアウトを考える際、大きなポイントになるのが車内トイレの有無です。

    固定式トイレでもポータブル式トイレでも一定の床面積が必要なため、後からのレイアウト変更は難しく、もしトイレを希望するなら、キャンピングカー購入時に計画的に車内をデザインする必要があります。

    トイレは必要派・不要派の「意見がもっとも分かれる設備」でもあるようです。

    私は「間違いなく必要」と考えており、現在愛用しているキャンピングカーにも搭載しています。今回はトイレを搭載することのメリット・デメリットを考えたいと思います。

    車内トイレのデメリット

    トイレイメージ

    キャンピングカー株式会社の「キャンピングカー比較ナビ」サイトで実施されたアンケート(https://japan-crc.com/ccn/polls/)によると、およそ4割の読者がキャンピングカーにトイレは「いらない」と回答したそうです。

    日本RV協会の過去のアンケートでも、トイレは搭載してよかった装備の上位にくる一方で、「ほとんど使用していない」「今後もあまり使う予定のない」装備の上位にもランクインする両極端な存在です。

    トイレ不要派の理由としては

    • 「日本はどこにでも清潔なトイレがあるから」
    • 「排泄物の処理に抵抗があるから」
    • 「メンテナンスが大変だから」

    といったところが挙げられるようです。

    たしかに日本は「道の駅」、鉄道駅、レストラン、ショッピングセンターなど、至るところに無料で清潔なトイレがありますし、管理人が常駐していない公衆便所でさえ「使えないほど荒れている」ということはめったにないので、衛生面でも治安面でも本当にレベルが高いと思います。

    ですので「どこにでもトイレがあるから困らない」という意見は一理あります。

    汚水タンク洗浄機

    RVパークに設置された汚水タンク洗浄機。

    また、車内トイレを使うデメリットとして「処理のわずらわしさ」があります。容量が一杯になる前に必ずどこかで汚物を処理し、タンクを洗浄したり便器を拭き上げたりといった手入れが必要です。

    短期間の旅行ならまだしも、旅先で汚物を捨てる場所を探すのは大変ですし、自宅が集合住宅の高層階であったりすれば、帰宅時に持ち運ぶのも手間です。

    着座して使うという形状から、ある程度のスペースが必要な装備でもあります。トイレをつけるくらいなら、別のことにスペースを割きたいという方もいるでしょう。

    これらの理由はどれも「なるほど」と納得できる部分がありますが、それでも私はトイレを設置できるようレイアウトを考えました。

    私が考える車内トイレのメリット

    キャンプ場イメージ

    たしかに日本では、外出中にトイレがなくて困るといった場面にはほとんど出会いません。しかしそれは「昼間なら」という条件つきです。

    まだ車内トイレのないキャンピングカーに乗っていた頃、車中泊地は「トイレによって決まる」といっても過言ではありませんでした。

    たとえばキャンプ場やRVパークなら、いつもトイレ棟との距離を考えていました。本当ならプライベート感のある奥まったサイトがいいですが、深夜に目を覚まして薄暗い道を歩くのは心細いものです。

    荒天時にはなおさらです。冬の寒い時期や、風雨の強い夜には一気に目が覚めてしまいます。もし小さな子ども連れなら風邪も心配ですね。

    湯YOUパークのような「くるま旅パーク」では、24時間トイレが使えるところを選ぶ必要がありました。実際「夜間はトイレが使えない」という「くるま旅パーク」で、まんじりともせず夜明けを待ったことは一度や二度ではありません。

    女性であれば、ノーメイクや寝間着姿といった無防備な軽装で車外に出ることに抵抗のある人も多いでしょう。トイレに行くたびに身支度を調えて……となっては心理的に負担です。

    これらの理由から、現在のキャンピングカーを購入するときにはトイレルームにこだわりました。

    一般的に、車内トイレはスーパーロングボディの大型バンコン(バンをベースにしたキャンピングカー)やキャブコン(トラックなどのキャブオーバー車に専用の居室を架装したキャンピングカー)に搭載されることが多いでしょう。

    私の車は標準ボディのバンコンなので従来トイレ搭載モデルはほとんどなく、また必然的にポータブル式になってしまうのですが、あらかじめ製品まで決めて設置場所を作ってもらいました。スペースとしてはかなり無理をしているものの、「搭載してよかった」と思っています。

    トイレは旅を自由にしてくれる

    キャンプ場イメージ

    トイレを設置してからは、車中泊地にトイレがあるかどうかを気にしなくて済むようになりました。たとえばオートキャンプ場でも、トイレの位置に関係なく自由にサイトを選ぶことができます。

    湯YOUパークに多い「施設の閉館後は翌朝までトイレ使用不可」というシステムのところも、心おきなく選択肢に加えられます。

    道の駅などでの仮眠時は譲り合いの心が大事ですが、あえて施設から離れたところに駐車する、という行動も取りやすいです。

    私は女性ひとり旅のことも多いので、防犯上の理由から深夜に車外に出たくない、という場面がしばしばあります。寒い、暗い、雨に濡れそう、危ないかも……そんなときでも車内でトイレを済ませられるのは安心です。

    トイレに起きたくないがために水分摂取を控える、といった健康面でのリスクもなくなりました。

    そしてもちろん、渋滞時や体調不良時、災害時などに車内で生活が完結するというのは大きなメリットになります。予想外の通行止めや立ち往生に巻き込まれたときも「いざとなればトイレがある」と思えるのは心強いですね。

    雪山イメージ

    突然の大雪で家に帰れなくなった…

    ごく最近、季節はずれの降雪で自宅に帰れなくなったことがありました。山ひとつ超えれば大丈夫だとは思ったのですが、そこに至るまでの路面状況がわかりません。

    「早く家に着きたい」「行ってしまえ」という気持ちと、「ここで進んだら危険かもしれない」という葛藤。

    道路情報カメラとにらめっこをしていたのですが、気温は下がる一方で帰宅を断念しました。

    そのときもトイレがあったおかげで、駐車場で朝を待つことができたのです。

    また、タンクに汚物を溜めるタイプでは負担となる後始末や洗浄も、「熱圧着式トイレ」を搭載することで解決しています。詳細はここでは割愛しますが、汚物を凝固剤とともに密封し、つねに新しいフィルムが出てくるためにほとんど手入れがいらない製品です。

    こんな人にはトイレをお勧めしたい

    マルチルームのイメージ

    いろいろな場所で車中泊をしたい人、防犯上や健康上の理由から夜に車外に出たくない人、小さな子どもを連れている人、災害時の備えとしてキャンピングカーを購入する人には、トイレの設置場所を確保することをお勧めします。

    固定式トイレの場合は契約時に決める必要がありますが、そうでなくともスペースさえあれば後からポータブル式トイレを設置することもできます。

    逆にいつも決まった場所で車中泊をする人、夜にトイレに起きることがない人、フットワーク軽く屋外に出られる人には必要性が低いでしょう。

    必要性は感じるけれども予算の都合で断念する、というのは個人的にはあまりお勧めできません。そもそもキャンピングカー自体が高価な買い物なので、安易に妥協しないことが結果的に長く乗るコツのような気がしています。

    汚物の処理が心配で……という方には、私が使っている「ラップポン」という製品もお勧めです。機会があれば別の記事でご紹介したいと思います。

    そもそも物理的に搭載することが難しい小型車の場合は、100円ショップなどで購入できる簡易携帯トイレもあります。過去記事で比較検証しているのでぜひご参照ください。

    【過去記事】100円ショップの「簡易トイレ」を比較レビュー!防災、車中泊、渋滞対策に便利なトイレはどれだ?

     

    私が書きました!
    フリーライター
    SAYA
    グルメ、トラベル、車中泊、クルーズなどの記事を執筆しているフリーライターです。バンコンタイプのキャンピングカーで全国を巡っています。太陽も昆虫も苦手なインドア派ですが、車中泊×観光の組み合わせに無限の可能性を体感中。車を拠点にした遊びの話題をお届けします。

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