今年は「東京アウトドアショー2022」も同時開催
千葉県にある幕張メッセで1月14日〜16日まで開催された、日本最大級を誇るカスタムカーの祭典「東京オートサロン2022」。昨年はコロナ感染症により中止となりましたが、今年は入場制限など対策を施し厳戒態勢のなかで開催されました。また、同会場で「東京アウトドアショー2022」も併催したことでも話題になりました。
「オートサロン」と聞くと、チューニングカーやドレスアップカーを想像される方も多いと思いますが、昨今のキャンプや車中泊人気もあって、車中泊ができるキャンピングカーやオリジナリティあふれるカスタムを施した車両も多く展示されました。今回は、会場で出会った個性的なモデルを紹介していこうと思います。
千原ジュニアさんの愛車「フォード・エコノライン」
330型の日産セドリックにはじまり、プリンスグロリア・スーパー6、フィアット・チンクチェントにムルティプラなどなど、旧車好きと知られる千原さんの愛車のひとつが1965年式フォード・エコノライン。それも稀少なキャンパー仕様の「トラベルワゴン」。日本でもフォルクスワーゲンのタイプIIなどがキャンパーにも人気ですが、こちらのほうが見かけることの少ないレアな1台。サイドドアやリヤドアが観音開きになっており、荷物の出し入れも楽々。愛らしいフロントフェイスやお洒落な2トーンのボディカラーで注目を集めていました。
ハイエースをヴァナゴン風にフェイスチェンジ
オートモーティブジャパンの「ヴァナス」シリーズは200系ハイエースをベースに80年代のフォルクスワーゲン・ヴァナゴン(T3型)を彷彿とさせるヴィンテージカスタムを提案。フロントフェイスは丸目4灯、丸目2灯、角目2灯の3パターンがあるほか、ボディカラーも10色を用意。内装もウッド加工によりバンライフエッセンスが注入されている。持ち込みでの架装を行っているので、ハイエース(標準ボディ・ノーマルルーフ)のオーナーで自分らしくカスタムしたい人にはお薦めです。
フレックスはリノベーションという発想で愛車を変身!
ランドクルーザーやハイエースを得意とするフレックス。そんな同社のリノベーションカープロジェクトがRenoca(リノカ)。既に8モデルがラインナップされていますが、今回初出展となったのがこの夏発売予定の「MOL(モル)」です。
ベース車両はコンパクトで取り回しのいいタウンエースバンで、最近ではキャンピングカーのベース車両としても人気の高いモデルです。愛らしさと優しさのあるフロントフェイスが魅力。オリジナルのブラックバンパーをはじめ、日産・ラシーンに採用されていたシーダーグリーンをボディカラーに採用し、商用車らしからぬレトロ感ある1台に仕立てていました。
ハイエースをベースに角目4灯のフロントフェイスが目を引く「COAST LINES(コーストラインズ)」。こちらのクルマには、オーストラリア発の4WDカスタムに欠かせないルーフラック・キャリアバー・アクセサリのブランドである「Rhino-Rack(ライノラック)」の270度開閉できるバトウイング・オーニングを装着し、キャンプでの楽しさや快適さを提案。ライノラックは「エクシズルライン」が正規代理店となっています。
車内でまさかの薪ストーブが使える!
軽自動車カスタムで人気のカーファクトリーターボーとブローがタッグを組んで制作したのが「Bug-truck PANEL VAN」。ベースはダイハツ・ハイゼットパネルバンで、ソロ車中泊にピッタリのレイアウト。
跳ね上げ式の引き出しベンチ兼ベッドを備えつつ、左サイドにキッチンキャビネットと薪ストーブを装備しています。薪ストーブは煙突が小窓から出せるようになっており、寒い季節でも車内はポカポカ。
フロントフェイスはブローが得意とするアメリカンクラシカルな愛嬌ある表情で、のんびりソロで車中泊を楽しむのにぴったりのモデルです。
自動車メーカーからも気になるモデルが!
日産自動車では人気のスポーツカーである「フェアレディZ」が初披露されたことで注目を集めていましたが、個人的にはマイナーチェンジしたばかりのNV350キャラバンのコンセプトカー2台が気になりました。
「CARAVAN MYROOM CONCEPT(キャラバン マイルーム コンセプト)」は、特装車などを手がける部門が「どこでもMY ROOM」をテーマに開発。キャンピングカーという概念ではなく部屋感を意識したインテリアが特徴で、直線的なデザインを多く使うことでスッキリとした印象です。
2人での使用を想定し、右サイドにある6つの棚は移動させることができ、サイドカウンターは引き出しながら回転させることでテーブルとしても利用が可能。
また、左サイドには大きな窓を配し採光性も確保。最後部のマットやソファの生地にもこだわっており、質感も高くてまるで家のよう。移動オフィスやリビングとしての可能性を感じました。
一方「CARAVAN MOUNTAIN BASE CONCEPT(キャラバン マウンテン ベース コンセプト)」は、「トレイルランナーが山で遊びつくすための基地として活用できる車両」がテーマ。
ルーフにはリモコンひとつで仰角や向きが変えられる可動式太陽光パネルを搭載するほか、サイドウインドーにもソーラーパネルを搭載。車内にはポータブル電源が装備されており、車内で使用する電気をまかなえるようになっています。
さらに右側の壁一面は一見普通のウッドパネルですが、インテリアパネルから画面が透過する最新技術を採用し、ワーケーションなどもできるような仕様。ベンチ部分は右側のテーブル下に格納でき、積載性もアップできるなど、ギミックも豊富でちょっとした未来感にワクワク。こんなクルマが市販されたら、趣味の世界ももっと広がりそうで楽しみです。
まだまだ興味深い車両がありますが、「東京オートサロン&東京アウトドアショー」リポート後編へと続きます。