焚き火で使う五徳の選び方
五徳は、調理器具を火元から一定の距離に保つための器具です。五徳があることで器具が安定するだけでなく、火力の調節も容易になります。そんな五徳を選ぶ際のポイントを3つ解説します。
五徳を選ぶポイント
五徳のサイズで選ぶ
五徳を選ぶ上で、用途に合ったサイズは大切なポイントです。五徳が大きすぎると火と調理器具の距離が遠くなり、熱がうまく伝わりません。逆に小さすぎると、調理器具が安定せず事故の原因となります。
荷物をあまり増やしたくないソロキャンプなら、軽量で小型のものが望ましいでしょう。一方、複数人でのキャンプや料理に力を入れたい場合は、ある程度の大きさや機能性を備えたものが適しています。
自分が持っている調理器具のサイズを、あらかじめ測っておくことをおすすめします。調理器具と同じメーカーで揃えると失敗しにくいでしょう。
アイアン・チタンなど素材をチェック
五徳に使われる素材はいくつかありますが、代表的なものは鉄・チタン・ステンレスです。鉄の五徳は、上にのせた調理器具に熱をよく伝え、見た目の雰囲気もよいので、デザインにこだわる人におすすめです。ただし鉄は錆びやすいので、こまめにメンテナンスしなければなりません。
チタンは軽量で強度が高く、錆に強い素材です。熱伝導率が低いため五徳が熱くなりにくく、火加減を調節するときに動かしやすいのもメリットといえます。しかし値段が高くなりがちなのが難点です。
ステンレスは鉄にクロムを含ませた合金です。錆に強いので、持ち運びのしやすさを重視する人におすすめです。汚れた際もブラシでこすれば汚れが落ちるので、メンテナンスも楽でしょう。
置き方のタイプも重要
焚き火用の五徳には、支えとなるものの上に置くタイプのものと、脚が付いている自立式があります。
焼き網やグリルなどは、置くタイプの五徳の一種で、シンプルな作りで軽量なのが特徴です。使う際は石など支えとなるものを両端に置き、その上に五徳を置きます。レンガなら問題ありませんが、石は大きさがバラバラなので、安定して置くには、かまどを作るなどの工夫が必要です。
自立式は脚が付いている分、安定性が高いのがメリットです。高さを変えられるものが多く、火加減がしやすくなっています。堅牢な作りのものが多いので、ダッチオーブンなどの重量がある調理器具も置けるでしょう。ただしその分、五徳自体も重く、サイズも大きい傾向にあります。
簡便さが嬉しい「自立式五徳」
地面のコンディションによらず安定して設置できる、自立式五徳を4つ紹介します。自立式は脚を広げたり、組み立てたりするだけですぐに使えるので、簡便さがメリットです。
FIELDOOR「アイアン焚火スタンド」
脚を差し込むだけで設置が簡単で、鉄の武骨なデザインが特徴的な五徳です。吊るし台が付いています。耐荷重は30kgのため、ダッチオーブンも設置可能です。
ボディには耐熱塗装が施されており、鉄の弱点である錆への対策が施されています。解体するとフラットに収納できます。
FIELDOOR(フィールドア) アイアン焚き火スタンド
belmont「ワイド五徳」
脚を広げるだけのシンプルな作りになっています。ステンレス製で耐荷重約20kgなので、重い調理器具をのせても安心の強度を誇ります。自立式としても使えますが、脚は外せるため、かまどの上に上台だけ置くといった使い方も可能です。
自立式と置きタイプの両方を楽しみたい人におすすめです。収納方法は脚を折りたたむだけなので、コンパクトに収納可能です。
belmont(ベルモント) BM-180 ワイド五徳(High)
BUNDOK「マルチスタンド23」
26cm×23cm×10.5cmのコンパクトサイズで、折りたたみ収納もできて持ち運びに便利な五徳です。重量もわずか380gなので、荷物を増やしたくないソロキャンプで活躍するでしょう。
単体でも十分に使えますが、コンパクトなので別売りの網と組み合わせることで、地面のコンディションに左右されず焚き火を楽しめます。もちろんほかの焚き火台との組み合わせも可能です。
本体はスチールで、火加減調節などで触れるときは軍手を使うなどして火傷に注意しましょう。
BUNDOK(バンドック) マルチスタンド 23
37CAMP「ファイヤーディスク 五徳」
コールマンの円盤型焚き火台『ファイヤーディスク』専用の五徳です。クランプによって、しっかりと焚き火台(ファイヤーディスク)を挟み込めるので、使用時にぐらつきがありません。『ファイヤーディスク』の凹型になった中心部から五徳までの高さは約17cmになります。
プレートの穴やネジには余裕を持たせた設計となっているため、『ファイヤーディスク』が多少歪んでしまっても問題なく使用できます。2つを組み合わせることで、雰囲気のある焚き火台を作ることが可能です。
五徳単体では使えないので、コールマン社の『ファイヤーディスク』と併せて購入しましょう。
37CAMP ファイヤーディスク 五徳
組み立て自在な「直置き式五徳」
おすすめの直置き式五徳を3つ紹介します。直置きタイプは、五徳をのせる土台部分のアレンジができるのが魅力です。そのため、自分なりの焚き火台を作りたい人におすすめです。
DOD「秘密のグリルさん用ゴトク」
同社製品の焚き火台『秘密のグリルさん』用の五徳ですが、自分で炉を組めば単体で使うことも可能です。シンプルなデザインなので、炉のアレンジの幅も広がるでしょう。
ステンレス製で、汚れが落としやすくなっています。サイズは38cm×12cmのコンパクト設計で、重量は250gと軽くソロキャンプで重宝するでしょう。そのコンパクトさを生かし、焚き火台の隅に置いて、物置きや食材置き場にするといった使い方もできます。
DOD 秘密のグリルさん用ゴトク
Bush Craft「たき火 ゴトク S」
3本のパイプでできたシンプルな五徳です。素材は純チタンで、重量はたったの90gという超軽量設計となっています。片側が少し細くなっており、収納時に荷物の間に滑り込みやすくなるだけでなく、炉のアレンジの幅も広げられるでしょう。
長さは38cm×11cm(狭い側)~13.5cm(広い側)で、中型程度の焚き火台までなら適合します。専用の収納ケースが付いているのも嬉しいポイントです。
Bush Craft(ブッシュクラフト) たき火ゴトク S
Bush Craft「たき火ゴトク Pro」
中が空洞になった純チタンパイプを使用し、86gと驚きの重さを実現した五徳。
一般的な五徳は直線的なものが多いですが、こちらには2箇所を中央に寄せた特徴的な形状になっています。
直線的な五徳だと焚き火の炎に近い部分と遠い部分ができてしまい、遠い部分だと熱源から離れてしまうため調理・保温がしにくかったりすることも。たき火ゴトク Proなら、載せたものをほぼ熱源から近い距離に置けるので料理の幅が広がるでしょう。
Bush Craft(ブッシュクラフト) たき火ゴトク Pro
▼参考記事
五徳は武骨?「おしゃれな五徳」
五徳は武骨なものばかりだと思っていませんか?デザイン性の高いおしゃれな五徳もあります。キャンプサイトを一味違ったものにする、おしゃれな五徳を紹介します。
FIELDOOR「チタングリルプレート」
黒みがかった塗装がおしゃれな五徳です。チタン性でフックや爪などの部品がなく、スタイリッシュな外見をしています。厚みは2mmで、チタンならではの耐久性と耐熱性を備えています。
単体で使ってもおしゃれですが、調理器具や焚き火台も同じメーカーで揃えると、より雰囲気アップにつながるでしょう。
真っ平らなデザインなので、どこにでも置けてアレンジの幅が広がります。収納ケースが付いているのも嬉しいポイントです。すでに同メーカーのギアを持っている人や、キャンプサイトをおしゃれにしたい人に向くでしょう。
FIELDOOR(フィールドア) チタングリルプレート
まとめ
焚き火があるとキャンプの楽しさは倍増します。焚き火は暖かく、炎の揺らぐさまを見えているだけで飽きることがありません。火を囲むと話がはずみますし、静かに火の傍らで自然の音に耳を澄ませる時間もまた格別です。
キャンプで焚き火を楽しむときに、あると便利なアイテムが五徳です。五徳があると、焚き火の上で料理をしたり、焚き火の傍らでお湯や食材を保温したりすることができます。
五徳には、脚が付いている自立式と、支えとなるものに直置きするタイプに分かれます。自立式は場所を問わず安定して焚き火を行なえますが、直置きタイプは携帯性に優れ、炉の作り方を自分でアレンジできるのが魅力です。
五徳の素材は鉄・チタン・ステンレスが主流で、それぞれ長所と短所があります。鉄は重厚な見た目をしており、雰囲気重視の人におすすめですが、錆に弱く本体が熱くなりやすいでしょう。
チタンは軽量で頑丈なのが売りですが、その分ほかの素材よりも値段が高いのが難点です。ステンレスは錆に強く、汚れを落としやすいのが特徴で、持ち運びのしやすさを重視する人におすすめといえます。
構造や素材の特徴を押さえ、自分に合った1台を見つけましょう。