マタギのジビエ料理、第二弾は、カモのお肉編です!
一斗缶で作る鴨肉燻製
素早い調理がモットーのマタギ料理。時間のかかる燻製さえも、マタギの手にかかれば30分で仕上がる。
「んだよ。燻製すんのに5時間かけたら鴨さ逃げちまう」と、マタギの高橋さんが自作したのが、焚き火に乗せるだけの一斗缶燻製機。
「な、旨いべ?」
激旨です!
【材料】
鴨のむね肉 適量(以下同)
塩・コショウ 以下同
サクラのチップ 以下同
粗目砂糖 以下同
【作り方】
1.鴨肉に多めに塩・コショウをふる。
2.燻製時間を短縮するため、フライパンで1.をソテーし、肉の内部に
火を通す。
3.一斗缶にサクラのチップ、粗目砂糖を入れる。
4.ソテーした鴨肉を網に並べて燻製機(下段参照)に入れる。
5.一斗缶に蓋をし、おき火の上に乗せること約30分。あっという間に鴨の燻製のでき上がり。サクラチップの香りが食欲をそそる。
高橋さん自作の燻製機。網は、家庭用の魚焼き網を数枚組んで、針金で留めただけ。
「だども、旨いべ?」
はい、激旨です!
鴨肉は塩・コショウをし、フライパンでソテーしておく。先に肉に火を通してしまえば、後は香りづけだけ。
一斗缶にサクラチップと粗目砂糖を投入。砂糖の分量はひとつまみ程度。甘みではなく、肉の色づけに使う。
自作の網にソテーした鴨肉を並べて一斗缶の中へ。「簡単だけど味がいい。シカ肉も燻製に向くよ」と高橋さん。
肉を入れたら、一斗缶を焚き火の上に置く。火は必ずおき火で。30~40分ぐらいしたら蓋を開けて肉を取り出す。
マタギ文化に欠かせない「どぶろく」は、穀物を発酵させただけのもっとも原始的な酒類で、清酒の原型。
これを味わえるのは、「どぶろく特区」認定の地域のみ。
認定されると、どぶろく製造と、現地で消費される場合に限り販売が許可されている。現在、秋田県では横手市を含めて12か所ある。
◎文=松浦裕子 撮影=茶山浩