縄文遺跡は東日本エリアに集中している。遺跡見学に加え、周辺の温泉や美術館など、見どころをピックアップしてルートを作成。雪の多いエリアもあるので、事前に積雪情報もチェックしよう。
※2022年に取材した記事です。
青森県青森市
三内丸山遺跡
土偶の出土数日本一! 前期中ごろから中期末の大規模集落跡
約5,900年前~4,200年前の縄文時代の集落跡で、日本最大級。「大きい・長い・多い」がキャッチフレーズで、広さは約42ha(東京ドーム9個分)、集落の存続期間は約1,700年、重要文化財に指定された出土遺物は2,000点近くと膨大。隣接する青森県立美術館を組み込んだ、見学モデルコースもある。
○問い合わせ先:三内丸山遺跡 https://sannaimaruyama.pref.aomori.jp/
岩手県一戸町
御所野遺跡
縄文時代の景観が復元され、当時の暮らしぶりを想像しやすい
遺跡を御所野縄文公園として公開し、隣接して博物館を併設。遺跡は縄文時代中期後半の拠点集落跡で、東西に細長い台地の上に東ムラ、中央ムラ、西ムラの3つのエリアがある。博物館では土器づくりなどの、てづくりプログラムも実施(要予約)。いわて銀河鉄道一戸駅からは、約2.5㎞。路線バスもある。
○問い合わせ先:御所野縄文公園 https://goshono-iseki.com/
北海道函館市
大船遺跡&垣ノ島遺跡
世界遺産登録で注目度UP 函館市東部で縄文文化を体験!
まず、国宝・中空土偶を展示する『函館市縄文文化交流センター』で遺跡について学習し、隣接する盛り土遺構が特徴の垣ノ島遺跡へ。毎日10時・13時・15時にガイドツアーも開催されている。その後は、1時間ほど歩いて、大型竪穴建物跡のある大船遺跡へ。現地へは函館駅から路線バスが運行している。
○問い合わせ先:函館市公式観光情報 https://www.hakobura.jp/jomon/
垣ノ島遺跡は太平洋に面している。
大船遺跡の竪穴建物跡。深く掘り込んだ床が特徴。
新潟県糸魚川市
長者ケ原遺跡
縄文中期の大規模集落跡。縄文人気分でヒスイ拾いも体験
ヒスイの玉の生産・交易拠点として知られ、東京ドーム約3個分の集落跡は公園として整備されている。冬期間は雪のため閉園となるが、見学や雪上トレッキングなどは自由。敷地内の長者ケ原考古館で縄文時代を体感。バスもあるが、糸魚川駅から徒歩約45分。帰りがけに糸魚川海岸でヒスイ拾いを楽しもう。
○問い合わせ先:長者ケ原遺跡公園 https://www.city.itoigawa.lg.jp/6175.htm
長野県茅野市
尖石・与助尾根遺跡
「縄文のビーナス」の故郷 。八ヶ岳を眺めつつ縄文スポットを巡ろう!
縄文時代中期の集落遺跡で、エリア内に尖石と呼ばれる三角錐状の巨石がある。八ヶ岳山麓はクリなどの木の実、シカ、イノシシ、川魚などが獲れる豊かな自然を有し、また、黒曜石の産地だったことから、縄文文化が栄えていた。尖石縄文考古館を起点に尖石や温泉などをめぐる散策路も整備されている。
○問い合わせ先:茅野市尖石縄文考古館 https://www.city.chino.lg.jp/site/togariishi/
鹿児島県霧島市
上野原遺跡
早期前葉の集落跡が見られるウォーキングコースも整備
縄文から弥生時代を中心とした複合遺跡。約9,500年前の竪穴住居跡など、北側には国内最古、最大級の定住化した集落跡がある。周辺は上野原縄文の森と呼ばれる県営公園で、落葉広葉樹の森内の見学エリアには、「遺跡保存館」「復元集落」「地層観察館」など、施設も充実。散策路も整備されている。
○問い合わせ先:鹿児島県上野原縄文の森 https://www.jomon-no-mori.jp/jomon-no-mori/
福井県若狭町
鳥浜貝塚
低湿地帯の貝塚から大量の遺物が出土。野鳥観察ができる三方湖も近い!
三方五湖のひとつ、三方湖の昔の湖岸で見つかった縄文時代草創期から前期の集落跡。当時は湖をゴミ捨て場として利用しており、丸木舟をはじめ、さまざまな遺物が発見された。貝塚は公園として整備。出土品は1㎞先の、若狭三方縄文博物館に展示されている。博物館そばの三方湖では野鳥観察もOK。
○問い合わせ先:若狭三方縄文博物館 https://www.town.fukui-wakasa.lg.jp/jomon/
※構成/松村由美子
(BE-PAL 2022年2月号より)