黒ラブと東京の山を歩く!新宿、青山、浅草の低山を犬連れでハイキングしてきた
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    2022.02.11

    黒ラブと東京の山を歩く!新宿、青山、浅草の低山を犬連れでハイキングしてきた

    黒いラブラドールレトリーバーとシェルパ斉藤

    黒ラブのセンポを連れて東京の山を歩いた。 詳細は『BE-PAL』3月号の連載「シェルパ斉藤の旅の自由型」を読んでもらいたいが、センポと歩いたのは奥多摩地方の本格的な山ではなく、山手線内にある低山だ。

    東京犬連れ散歩の持ち物

    八ヶ岳山麓に暮らす犬連れバックパッカーの僕は日本全国のトレイルを犬と歩いてきたが、都会の山を犬と歩いた経験はほとんどない。都会の旅にアウトドアの装備はそぐわないかもしれないが、フィールドを歩くときと同じレインウエアやハイドレーションシステムなどをバックパックに詰め、いつものアウトドアウエアとトレッキングシューズで臨んだ(センポとお揃いのカラーコーディネートも意識した)

    センポにもドッグバッグを装着したが、中身はセンポ用の食器と密閉性の高い保存袋しか入っていない。ドッグバックを装着することで旅慣れた犬であることをアピールできるし、公園などで排泄した場合に、排泄物を保存袋で回収してドッグバックに収納するのだ(漏れる心配はないとはいえ、犬の排泄物が入った保存袋をバックパックに押し込みたくはない)。

    尾張徳川家の庭園にそびえる「ミニ箱根」

    最初に訪れた山は新宿区の戸山公園内にある箱根山だ。

    戸山公園は江戸時代に尾張徳川家が下屋敷として整備した地域で、庭園の池を掘った土で築いた山が箱根山である。徳川家は箱根が好きだったようで、造成した庭園内には小田原の宿場町を模した町並みもあったという。いわば箱根のミニチュア版ともいえる小さな山だ。

    黒いラブラドールレトリーバーとシェルパ斉藤

    階段状の歩道を登ってほんの1分程度で登頂できた。

    箱根山は人工の山ではあるけれど、山手線内の最高峰である。標高は44.6mで、周囲のビルのほうが高いし、公園内のこんもりとした丘のような山だから最高峰の実感はほぼない。

    でも、この最高峰に登頂すると「登頂証明書」を発行してもらえる。発行場所は箱根山から明治通りを渡った戸山公園の西側にあるサービスセンターだ。

    箱根山登頂証明書にハンコを押す事務員

    窓口で頼めば、日付をスタンプされた登頂証明書や、箱根山の歴史を紹介した資料もゲットできる。もちろん無料だ。

    登頂証明書

    新聞配達青年をしていた新宿二丁目を歩く

    箱根山に登ったあとは明治通りを南に向かって新宿の市街地に入り、新宿二丁目の路地を歩いた。

    アジア最大のゲイタウンといわれるこの地区は、個人的な思い入れが強い街だ。高校を卒業して自活の道を歩んだ18歳の僕が、住み込みで新聞を配っていた街なのである。もう40年以上前の話だが、今日を生きるために全力で駆け回っていた街だから忘れようがない。

    黒いラブラドールレトリーバーとシェルパ斉藤

    強烈な思い出を懐かしみながらセンポと歩き、四谷三丁目から信濃町方面に向かって外苑東通りを歩いた。

    黒いラブラドールレトリーバーとシェルパ斉藤

    外苑のイチョウ並木は落葉が進み、歩道は黄色の絨毯になっていた。

    青山のホンダショールームで記念撮影

    外苑東通りの途中には青山がある。ここも東京の山といえなくもない。

    青山1丁目の交差点の向かい側にはホンダの青山ショールームがあり、両手を掲げるF1レーサーのマックス・フェルスタッペンの巨大な写真が「ありがとう」の文字とともに掲げられていた。

    F1から撤退するホンダのラストランとなる2021年シーズン、メルセデスの王者ハミルトンと同点で最終戦を迎えたレッドブルホンダのフェルスタッペンは、ラスト1周でハミルトンを追い抜き、初の年間チャンピオンとなってホンダの有終の美を飾っている。

    その勇姿の前で写真を撮ろうと、リードを離してセンポを立たせた。

    黒いラブラドールレトリバー

    たいしたしつけはしてないが、旅に出るとセンポは僕の言葉を理解して従順なおとなしい犬になる。犬種に関係なく、ともに歩いて旅をすれば主人との絆が深まると僕は信じているが、センポは「そこに立って」と口にした僕の言葉を理解して、「よし」というまで立ち続けた。

    黒いラブラドールレトリバー

    青山や六本木は通りにオープンカフェが何軒もあって、犬連れでも利用できるからありがたい。歩く旅に慣れたセンポだが、舗装された路面を歩く機会はあまりない。土の道と違って肉球にも関節にも負担がかかるだろうからオープンカフェでじっくり休憩した。

    八ヶ岳山麓のわが家の庭や森を駆け巡っている田舎の犬のセンポだけど、都会に連れてくるとそれなりの都会っぽい犬に見える。排泄に関しても日常生活では土の上でしかしてないから、都会の路面でオシッコをすることもない。安心して都会の道を歩くことができる。

    ハードロックカフェの前にいる黒ラブ

    東京23区の最高峰「愛宕山」に登る

    青山に立ち寄ったあとに登頂した山は港区の愛宕山(あたごやま)だ。箱根山より低い標高25.7mだが、こちらは天然の山としては東京23区の最高峰である。

    愛宕神社でもある山頂へのアプローチは3つあり、「出世の石段」とされる急な直登の石段を歩くコースと裏側からスロープの道を歩くコース、そして都会の山ならではのエレベーターコースだ。赤い鳥居と黒いラブラドルレトリバー

    もちろん僕とセンポは出世の石段を歩いて登頂した。愛宕山も箱根山と同じく、山らしさは感じられない。神社にお参りに来た気分を味わった。

    白い鳥居と黒いラブラドルレトリーバー

    上野公園と浅草の低山

    2日目は上野界隈の山を歩いた。動物園もある上野公園内には摺鉢山(すりばちやま)と大仏山がある。どちらも箱根山と愛宕山以上に山らしさを感じない。公園を散歩しているうちに、気がつけば登頂していたというレベルだ。上野公園を出たあとは浅草の仲見世通りに立ち寄って隅田川に向かった。

    紅葉と黒いラブラドルレトリバー

    雷門と黒いラブラドルレトリバー

    浅草の北にある東京で一番低い山とされる待乳山(まつちやま・標高10m)に登ろうと、浅草から隅田川に沿って歩いたが、神社でもある待乳山はペット連れ禁止と書いてあったので、センポを待たせて僕ひとりで登頂。2日間で箱根山、青山、愛宕山、摺鉢山、大仏山、待乳山の6山を踏破した。

    浅草の待乳山

    犬連れ宿泊にはRVパークが便利

    宿泊は墨田区のRVパークを利用した。車中泊ができる東京初の施設とのことで、町工場が並ぶ一角にRVパークはあった。

     

    RVパーク

    一見すると、何の変哲も小さな駐車場だが、トイレとシャワー設備があって、電源コンセントも設置されている。近くにコンビニもあるし、便利といえば便利だけど、味気ない。

    でも自然や外の空気を楽しむキャンプと違って車内で泊まるための施設なんだからこれでいいのかもしれない。料金は1台4000円で、地方在住者が家族連れで都内に泊まるケースを考えればお得といえる。もちろんペット連れも可で、車内でセンポの温もりと安らぎを感じて眠りについた。

    詳しくは『BE-PAL』2022年3月号「シェルパ斉藤の旅の自由型」を読んでください。

    シェルパ斉藤
    私が書きました!
    紀行作家・バックパッカー
    シェルパ斉藤
    1961年生まれ。揚子江での川旅を掲載してもらおうと編集長へ送った手紙がき っかけで『BE-PAL』誌上でデビュー。その後、1990年に東海自然歩道を踏破する紀行文を連載して人気作家に。1995年に八ヶ岳の麓に移住 し、自らの手で家を作り、火を中心とした自己完結型の田舎暮らしを楽しむ。『BE-PAL』で「シェルパ斉藤の旅の自由型」を連載中。『シェルパ斉藤の行きあたりばっ旅』ほか著書多数。近著『シェルパ斉藤の遊歩見聞録』(小学館)には犬と歩いたロングトレイルの旅も収録。

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