適切な油処理はキャンプの基本にしてマナー
アウトドアで手作りごはんを楽しむなら、油は欠かせません。揚げ物や炒め物はもちろん、バーベーキューでも焼いた肉から大量の油が出ます。
そうなると、問題になるのは使った油の処理です。「なんとなく知っているから大丈夫」なんて考えで油を扱うと、火災などの大きなトラブルにつながりかねません。油を正しい手順で処理するテクニックは、キャンプ飯を作る上で絶対に必要な知識です。
そこで今回は、キャンプで使った油の正しい処理方法や、詳しい方法をご紹介します。
「キャンプ場に油を捨てる」はNG
原則として使ったあとの油は、必ず自分で適切に処置して持ち帰るようにしましょう。「キャンプで使ったから」と、キャンプ場の水場やトイレに流すのは絶対にNGです。
捨てた油が水道を通って河川に流れてしまえば、近場の水質を汚染します。また、熱した油がパイプを通ると詰まりや配管の変形につながり、故障する可能性も。軽い気持ちで捨てた油で、そのキャンプ場に大変な迷惑をかけてしまうのです。
施設によってルールは異なりますが、油を捨てていいキャンプ場はまずないでしょう。「キャンプ場で使った油は持ち帰る」まずは、これを鉄則として覚えてください。
キャンプでの正しい油処理テクニックを解説
キャンプで使った油は持ち帰るのが基本です。とはいえ、使った容器に入れたまま荷物としてまとめるのもよくありません。
具体的にはどうすればよいか。ここでは、初心者でも簡単な油の処理方法を3つ解説します。
1.ペットボトルに移す
空のペットボトルをあらかじめ用意しておき、使った油を移すやり方です。キャップを締めるだけでしっかり容器を密閉でき、帰り道でこぼれたりしないのが、この方法の大きなメリット。ペットボトルの用意が楽なのもグッドです。
注意点としては、じょうごのような物を用意して、油がこぼれないよう気をつけて移すこと。また、油の温度が高すぎるとやけどしたり、ペットボトルが高温で変形したりするおそれがあります。油が冷めきってから、ペットボトルに移すようにしましょう。
2.キッチンペーパーや新聞紙で拭く
炒め物やバーベーキューなど、あまり油を使っていないなら紙で油を拭くのがベターです。
紙は、油を吸いやすいキッチンペーパーがおすすめ。手で紙を持つと汚れやすいので、菜箸やトングで紙をはさんで容器全体を拭くと、手も汚れず綺麗に拭きとれます。
「キッチンペーパーはロール式しか持ってなくて荷物になる」そんな方は、新聞紙を数枚ほど持っていくと荷物が少なくすみますよ。また、最近では油拭きに特化したペーパーや綿がメーカーから販売されています。そちらをチェックするのもいいでしょう。
なお、油を拭いた紙は持ち帰ってから可燃ごみに出すように。万が一にも着火しないよう、袋を厳重にしばってから捨ててくださいね。
3.油凝固剤を使う
油凝固剤とは、液体である油を寒天のように固めて、捨てやすくしてくれる便利な薬剤です。さまざまなメーカーから販売されており、スーパーや薬局、通販で気軽に買えます。
凝固剤は画像のように粉末状になっているものが一般的で、粉が油に溶ける過程で油そのものを固めます。
固まった油は容器から簡単に外せるので、後はそのままゴミ袋に入れるだけ。筆者も基本的にはこの方法で油処理を行なっています。
注意点としては、油が温かいうちに使うこと。油の温度が低すぎると、凝固剤が溶けこみません。油を使って間もないタイミングか、商品に記載されている推奨温度を目安に使用してください。
ちなみに、片栗粉や小麦粉でも油を固められます。ただし油と同量の粉が必要だったり、ドロッとしたペースト状になったりと、凝固剤より不便な点が多いです。あくまで代用品と考えておくのがいいでしょう。
アウトドアでも家庭でも覚えておくべき油処理
自分で料理を作るなら、油の処理は逃れられない後片付けです。今回お伝えした油処理は、キャンプはもちろん家庭でも活用できますので、ぜひ試してみてください。
油はあらゆる料理に活用できる一方、扱いを間違えれば事故や火事の原因になりうる、とても危険な液体です。トラブルを避けておいしく料理を味わうためにも、ぜひ正しい油処理を実践するよう心掛けてくださいね。