キャンプでは、焚き火やBBQグリルで料理をする人が多くいます。
もちろん、焚き火や炭火を使った調理はキャンプの醍醐味です。
しかし、さっとお湯を沸かしたいときや、朝食を作るときには、焚き火やBBQグリルではなく「ガス調理器具」を使った調理がおすすめです。
ガス調理器具は、初心者も一つは持っておきたいキャンプギアです。
ここでは、ガス調理のメリット、そして初心者にはどのようなガス調理器具がおすすめなのか、について解説していきたいと思います。
ガス調理のメリット
着火の手間がかからない
焚き火やBBQコンロで調理をする際は、当然薪や炭に着火させる必要があります。
キャンプ初心者は、この火起こしに苦労することも。
その点ガス調理なら、誰でも簡単に火をつけることができ、すぐに調理を始めることができます。
それが、まず最初に挙げられるガス調理のメリットです。
あと片付けが楽!
薪や炭で調理をおこなった後は、焚き火台やBBQコンロの片付けが非常に大変です。
タワシなどで擦っても、なかなか焦げや油汚れを取れないなんてことも。
しかし、ガス調理なら、さっと本体をウエットティッシュで拭けば後片付けは完了。
また、調理に使うスキレットや鍋なども、薪や炭を使うと、黒い煤がついてしまうことがあります。
それに対し、ガス調理で使用したスキレットや鍋は、煤がつくことがないので、洗うのが非常に簡単です。
コンロ本体と、調理器具の後片付けを簡単に済ませることができるのも、ガス調理の魅力なのです。
ガス調理器具の種類
ここからは初心者の方に向け、どのようなガス調理器具があるのか解説していきます
ガスコンロ(カセットコンロ)
ガスコンロ(カセットコンロ)とは、カセットボンベなどの燃料を使用するコンロのことを指します。
一般家庭でも鍋料理などに使用されているもので、ガス燃料を設置すれば、すぐに調理をすることができます。
設置も後片付けも楽ですが、折りたたむことができないので、コンパクトに収納をすることは難しいという難点があります。
しかし、重たいものを置いても安定するというメリットもあります。
大きめの鍋を置いたり、スキレットを置いたりしても、安心して調理をおこなうことができます(製品によっては五徳が重さに耐えられずに曲がってしまうこともありますので、ご注意ください)。
イワタニ
カセットフー タフまるJr.
サイズ:幅286x奥行193x高さ122mm
本体重量:1600g
耐荷重10kg ダッチオーブン使用可
ソロキャンプにも適したコンパクトサイズ
シングルバーナー(ワンバーナー)
シングルバーナーとは、ガスボンベに直接バーナーを取付けて使用するバーナーのことを指します。「ワンバーナー」とも言います。
シングルバーナーは、ガスコンロと違ってコンパクトに収納することができます。
筆者が愛用している、イワタニの「ジュニアコンパクトバーナー」は片手で簡単に持てるサイズに収納することができます。
シングルバーナーは、風が強いと火が弱まってしまったり、火が消えてしまったりすることがあります。
そのため、風よけなどを一緒に使うのがおすすめ。
また、調理をする際に、ガスコンロが一つでは足りなくなることもあるので、メインのガス調理にはガスコンロを使い、サブとしてシングルバーナーを使う、という使い方もおすすめです。
ガスコンロを二つ持っていくと、どうしても荷物が多くなってしまうので、一つをシングルバーナーにすることで、荷物の量を減らすこともできます。
イワタニ
ジュニアコンパクトバーナー
幅155×奥行155×高さ127mm/収納サイズ:幅82×奥行68×高さ109mm/商品重量:約274g/カラー:[本体] シルバー、[器具せんつまみ] こげ茶/材質:[本体] アルミニウム、[バーナー・ごとく・脚・風防] ステンレス/ガス消費量:約194g/h (気温20~25度Cのとき10分間のガス消費量を1時間に換算したもの)/最大発熱量:2.7kW (2,300kcal/h)/連続燃焼時間:[イワタニカセットガス使用時] 約120分、[イワタニカセットガスジュニア使用時] 約40分 (気温20~25度Cのとき強火で連続使用したときの目安時間)/点火方式:圧電点火方式/容器着脱方式:押込半回転方式/使用ガス:イワタニカセットガスジュニア、イワタニカセットガス、イワタニカセットガスパワーゴールド
ガスストーブ
1981年に創刊したアウトドア雑誌『BE-PAL』では、アウトドア用バーナーのことを「ストーブ」「クッキング・ストーブ」として紹介してきました。
なぜかというと、英語の「Stove」には「暖房用ストーブ」のほかに、「料理用のコンロ」の意味があり、欧米のアウトドアショップや雑誌などでも「Stove」と表現されることが多いためです。
「ガスストーブ」は、ガスの燃焼器具、シングルバーナー(ワンバーナー)、あるいはガスのツーバーナーを意味します。
ちなみに「シングルストーブ」という場合、シングルバーナーやワンバーナーを含めた火口が一口のバーナー全般を指します。
軽量コンパクトな登山用ワンバーナーの定番モデルであるスノーピークの「ギガパワーストーブ 地」は、アメリカのアウトドアショップ『REI』では「Snow Peak GigaPower 2.0 Stove」として販売されています。「Stove」は、アウトドア用の燃焼調理器具を意味する世界標準的な用語なのです。
ほかにも、燃料別に、「アルコールストーブ」「ガソリンストーブ」「ケロシンストーブ」などと呼びます。
しかし最近は、キャンプで暖房用のストーブを使うことも多くなったため、紛らわしくなるのを避けるために「ストーブ」ではなく、「バーナー」という表記が増えてきています。
スノーピーク
ギガパワーストーブ 地
● 材質:ステンレス、アルミニウム合金、ブラス
● サイズ:φ106×67.5mm
● 収納サイズ:45×37×82(h)mm
● 重量:90g
● 出力:2,500kcal/h
CB缶とOD缶
アウトドア用のガス燃焼器具の燃料には、2つの種類があります。
ガスコンロ(カセットコンロ)や一部のシングルバーナーには、「CB缶」と呼ばれる細長い円筒形のボンベを用います。CB缶は、コンビニエンスストアやスーパーなど、全国どこでも入手しやすい燃料です。
一方、アウトドア・登山用の小型軽量のバーナーなどは、「OD缶」(アウトドア缶)とよばれるドーム型(饅頭形)のボンベを使用します。
OD缶は過酷なアウトドアフィールドでの使用を前提にした燃料です。ノーマルガスのほかに、寒冷地や高山でも燃焼力が高く保てるように特殊な配合のガスを充填した「寒冷地用」のガス缶もあります。
OD缶はアウトドアショップや、登山専門店、ホームセンターのアウトドアコーナーなどで入手できます。
初心者におすすめのガス調理器具は?
スキレットや鍋を使ってしっかりとした調理がしたい場合には、安定して長時間調理ができる、ガスコンロがおすすめです。
しかし、バイクでキャンプに行く人や、キャンプだけではなく、山登りやトレッキングでも使いたいという人は、軽くてコンパクトに収納できるシングルバーナー(シングルストーブ)をおすすめします。
キャンプスタイルや好きなアウトドアの遊びによって、使用するガス調理器具は変わってくるので、自分のスタイルに合ったものを選んでみるといいと思います。
なお、これからキャンプを始める初心者は迷ったら、まずはガスコンロを買ってみることをおすすめします。
理由は、ガスコンロは家庭でも鍋料理などに使うことができるため利便性が高く、また多くの人が一度は触ったことがあるからです。キャンプ地でも、普段から使い慣れているもののほうが使いやすいからです。
ガス調理をする上での注意点
ガス調理をする際は、必ず安定した場所に置いて使用するようにしてください。
不安定な位置に置いていると、何かの拍子に倒れてしまったときなどに火傷などの原因になります。
また、ガスコンロ、ガスバーナーは、テントの中では絶対に使用しないでください。
テントなどの密閉されている場所でガス調理器具を使用すると、一酸化炭素中毒の原因になります。
注意点をしっかり守って、ガス調理器具を使用するようにしましょう。
まとめ
ガス調理器具は、手軽にキャンプ飯を作ったり、お湯を沸かしたりする際には欠かせないキャンプギアです。
ぜひ、この記事を参考に自分に合ったガス調理器具を選んでみてください。