さて、農家さんと言えば夜が早い。つまり、朝早くから農作業がある。『こめやかたゲストハウス』では、朝の農作業を“朝活”と称し、なんと、希望すればゲストも参加できるのだ。専業農家さんのお仕事を垣間見られるコトなんて、そうそうない。これは、もちろん参加でしょう! と、意気込む私に、ニコッと笑顔で答えるおしまさん。「じゃ、朝4時にココ(受付スペース)に集合で」と。甘かった・・・。5時か6時を予想していた私。4時なんて、いつも眠りにつく時間じゃないか(昼夜逆転気味な生活のなのです・・・)! 農作業の内容よりも何よりも、起きられるかどうかが、むちゃくちゃ不安だ。なのに、近くの喫茶店に晩ごはんを食べに出て来てしまった(この時点で、すでに20時過ぎ)。だって、農家さんがやってる喫茶店だと言うし、おしまさんが行くと言うので、宿周りのさんぽが好きな私は、ついついヒョコヒョコと着いて来てしまったのだ。
お邪魔したのは店長ひとりで切り盛りする喫茶店。喫茶店と言いつつも、メニュー数が定食屋並み! 農家もしながら、このメニュー数は、ちょっとすごいんじゃないか?
この店のマスターの一日の生活サイクルも、これまた耳を疑ってしまった。朝は農作業、午後は喫茶店、夕方に再び農作業をし、夜は22時過ぎまで喫茶店。しかも、喫茶店は年中無休。一体いつ休んでいるのか、まったくもってわからない。そう言えば、隣でごはんを食べているおしまさんも、明朝4時集合組のはず。店の時計は22時近くになろうとしている。彼女もいつ休んでいるのだろう?
翌朝3時30分。目覚ましが鳴る前にパチリと目が開いた。奇跡だ! 自分を褒めてあげたい(それだけ、朝が苦手なのです)。山用のレインウェアを身に着け、借りた長靴を履き、受付場所でぼ~っと待っていると、次々と皆が起きて来た。まずは、女将の奈緒さん。そして、奈緒さんの旦那さんのサムさん。彼は、山形で英語教師をしているイギリス人。ゲストハウスのオーナーの旦那さんが外国の方だなんて、もう、それだけで、非日常感たっぷりでわくわくしてしまう純日本人な私。続いて、奈緒さんのお兄さんの陽一郎さんと、その奥さんの育美さん。ちなみに、奈緒さん一家、陽一郎さん一家、そして、奈緒さんたちのご両親、この3世帯がゲストハウスと同じ敷地内で生活しているそう。なんて仲良しで団結力のある農家ファミリーなんでしょ! それから、昨夜からお馴染みのおしまさん。ご近所スタッフの創(つくる)さん。この総勢6名+私が本日の朝活メンバー。外は、まだ真っ暗。しかも、9月末の山形の朝は寒い(東京の11月ぐらい?)! 皆、毎朝こんな時間から、朝ごはん前にひと仕事しているのかと思うと、自分の昼夜逆転な生活リズムをいたくいたく反省してしまう私なのであった。