夏のミシシッピ川の次に目指したのは、冬のドナウ川
こんにちは!ドナウ川を源流地域のドイツから、トルコのエーゲ海沿いを目指してカヤックを漕ぎ進めているジョアナです。2022年2月に出発して、少しずつ前進しています。
カヤックでのドナウ川下りを思いついたきっかけは、2年前に夏のミシシッピ川を3,000kmカヤックで旅行したこと。夏のミシシッピ川をカヤックで下り、野宿する生活は、暑くとも毎日が爽やかで楽しかった。だから今回、ドナウ川下りを思いついたのですが…。
季節は、冬。
冬のドイツ、ドナウ川は極寒です。
夏のミシシッピ川とは訳が違った。
今回は、冬のドナウ川キャンプ生活で辛かった5つのことをダイジェスト版でお伝えします。
1.結露がすごい
外気温が寒ければ寒いほど、雨風凌げるテント内は暖かいオアシスのように感じるもの。
だけどその寒暖差で、朝方になるとどうしても、テントの壁に結露が発生します。そして寝袋の端がテントの壁に触れると、結露した水滴で寝袋が湿ってしまうのです。羽毛が詰まった寝袋に湿り気は厳禁。保温力が格段に落ちてしまいます。しかも冬のドイツは毎日曇りがちで、日照時間も短く寒いため、一度湿った寝袋を自然に乾かすのはかなり難しい。
ちなみに、寝袋に防水のシュラフカバーを被せるとより暖かく感じるので、今まで愛用していた私ですが、今回、シュラフカバーを使用すると内側にかなり結露が発生することを発見。
まあ元々は、雨漏りする古いテントで寝るために購入したシュラフカバーなのですが、今回はモンベルの「チャレンジ支援プロジェクト」で提供していただいたピッカピカのテントがあるのでもう安心。シュラフカバーの出番はもうしばらくなさそうです。
2.濡れたものが乾かない
冬のドナウ川では、洗濯物が乾きません。湿った寝袋が乾かないくらいなので当然なのですが、それでも洗濯に挑戦しようものならどうなるか。まず、日照時間が短くて、手洗いで水気が絞りきれていない洗濯物は1日では乾き切りません。そんな洗濯物は、夜干しに持ち込まれる運命に。寝る前に適当な枝に吊るして、翌朝確認すると、あらびっくり、パリッパリに凍っているのです。
パリッパリに凍った洗濯物は昼にかけて徐々に解凍されていくのですが、結局は乾き切らずにまた次の晩にはパリッパリに逆戻り。冬のドナウ川では洗濯物がいつまで経っても乾きません。
3.カヤック沈没からの曇天の天日干し
カヤックで旅をしていると、たまに発生してしまう「沈(ちん)」のリスク。カヤックで転覆することを「沈」と呼ぶのですが、今回、出発4日目にして早速、沈してしまいました…。
じつは今まで、沈したあとどうやって再乗艇するか練習したとき以外では、沈したことがなかった私。しかも、波やうねりも何もない場所で、どういう訳だかボーッとしたまま誤った角度でパドルを入れてしまい、川の流れに取られて呆気なく沈。
人生初の沈が、冬のドナウ川。朝起きて、洗濯物はおろか2リットルの水のボトルがカチコチに凍っていた、そんな日の出来事です。
なんとか岸まで行って、カヤックに浸水した水を抜いて、濡れた物を乾かして…。って、冬のドナウ川の土手では、干したってほとんど何も乾きません。曇天のドナウ川での天日干しは諦めて、最寄りの町のホテルで一泊、ランドリーを借りて沈したときに着ていた衣類を乾かしました。
ちなみにこのとき、寝袋や衣類が入っていた防水袋の中身は無事だったので、ホテルまでは着替えて乾いた服でチェックインできたのですが…。肝心のカメラなどの電子機器が入った防水袋が、なんと、浸水…。電子機器ほぼ全滅のダメージは、自らが不注意で招いたことでありながら、やっぱり、辛い…。
4.朝は土が凍っていて、トイレが掘れない
先ほどから繰り返し、冬のドナウ川の寒さと乾かなさを嘆いている私ですが、朝になると、土も凍っています。日中はフカフカに見える場所ほど、水分を程よく含んでいて、一晩のうちにカチコチに凍ります。雪が降った翌朝は、雪の下は意外と土が柔らかくトイレが掘りやすいのですが….。雪が降らなかった晩は風で地面が冷やされるのか、カチコチです…。
キャンプ生活中のトイレは、どうしても青空の下というか、林の中に穴を掘って…。ということがほとんどになりますが、冬のドナウ川の朝は、なかなかトイレが掘れません。
5.ソーラーでは全然充電されない
ドナウ川下りというちょっぴりレアな旅の様子をしっかり撮りためて、ほぼリアルタイムでネットにガンガン投稿したい。そんな思いとは裏腹に頭を悩ませるのが、充電問題。
夏と違って日照時間が少なく天気も曇りがちなドイツの冬のドナウ川では、せっかく持っていったソーラー発電がほとんど活躍してくれません。大きな町に着いたらカフェにこもって、いそいそ充電しながら、こうして記事を投稿しています。