世界遺産に認定されたユングフラウ地方のスキーコースは総距離215km!
スイスのベルン州南部にそびえ立つ名峰アイガー、メンヒ、ユングフラウ。アルプス最大・最長のアレッチ氷河があるこの広大なエリアは世界自然遺産に認定され、アルプス観光のハイライトでもある。スイスが誇るユングフラウ三山の麓には整備された総距離215kmのスキーコースが広がっている。ケーブルカーやリフトは42本。
絶景を眺めながらのスキーやスノーボードはもちろん、スノーハイキングやソリ、ユングフラウ地方生まれのユニークな形のソリも楽しめ、ウインタースポーツの聖地としても知られる。
快適すぎるゴンドラ「アイガー・エクスプレス」
2020年12月開通の高速ゴンドラ「アイガー・エクスプレス」は人気が高く、今シーズンもたくさんのスキーヤーで賑わっている。このゴンドラのおかげで広大なエリアをより効率よく滑走できるようになった。
26人乗りのゴンドラは新設された「グリンデルワルト・ターミナル」からアイガーグレッチャーまで全長6,483m、標高差1,385mをなんと約15分で繋ぐ。新型3Sロープウェイのシステムを採用し風に強く揺れが少ないのが特徴だ。
新しい駅舎を出ると、そこがスキー滑走の出発地点!?
標高2,328mのアイガーグレッチャーに到着したら、スキーを履いて出発だ。一気に登ってきたので水分補給をこまめにとって高山病にならないようにケアしよう。ここは北側なので午前中は日陰。しかし透き通る空気が美味しく、絶景が目も心も癒してくれる。カフェもあるので、スキーをせずに景色を堪能するだけでも気分が良い。
クライネ・シャイデックまで滑走し、反対側の太陽さんさんと輝く南側チュッケン・エリアへ移動。雪が降ったあとはコース外の新雪の上に多くのラインが残る。滑走に自信がない方は、左奥にある整備されたコースを滑れば安心だ。
想像を超える迫力ある景色。ユングフラウヨッホも発見
チュッケンまでリフトで登るとメンヒとユングフラウの絶景が広がる。素敵な写真スポットだ。何度来ても感動する景色。日常生活の小さな悩みも吹っ飛んでしまう。
上の写真中央の赤い丸は、1912年に全線開通したヨーロッパで一番高い鉄道駅として知られる「ユングフラウヨッホ」だ。標高は3,454m、アイガーとメンヒの岩盤を砕き110年前に完成した、圧巻の鉄道技術だ。ユングフラウヨッホの反対側には、ユネスコ世界自然遺産のアレッチ氷河がベルン州からヴァレー州に向け約23km広がっている。
コースは、初心者、中級者、上級者に分けられている。この絶景を眺めながら子供たちも颯爽と滑っていく。
ヴェンゲンまでのソリコースはファミリーに大人気
クライネ・シャイデッグからはヴェンゲンまで滑走できる人気のソリコースがある。ヴェンゲルンアルプ鉄道の電車がゆったり走行する景色も素敵だ。
海外スキーの魅力の一つはスキーサファリ。スキーでエリアをぐるっと1周し、また出発地に戻ってくる滑り方だ。
グリンデルワルト・ターミナル→アイガーグレッチャーから滑走→クライネ・シャイデック→ヴェンゲン→メンリッヒェン→グリンデルワルト・ターミナルへ戻るツアーがユングフラウスキーサファリだ。
クライネ・シャイデックからグリンデルワルト・ターミナルまで滑走する途中に出会った子牛たち。夏のグリンデルワルトには牧草地が広がり、牛小屋がたくさんある。下山コースはその中を滑り降りていく。これもスイスならではの光景だ。
ランチは、その後の移動にも便利なアイガーグレッチャー駅で
アイガーグレッチャーでアイガー・エクスプレスから建物内を経由してユングフラウ鉄道に乗り換えれば、ヨーロッパで最も標高が高い鉄道駅のユングフラウヨッホまで行くこともできる。
現在コロナ禍につき、この写真のホーム(2番線)に止まっているユングフラウ鉄道は、クライネ・シャイデックからアイガーグレッチャー間の折り返し運行になる。クライネ・シャイデックからユングフラウヨッホへ行く際は、この写真の場所で降り、新しい駅舎の地上階にあるホーム(3番線)へ向かい、「アイガーグレッチャー~ユングフラウヨッホ」間を折り返しているユングフラウ鉄道に乗り換えが必要になる。
お気に入りの「レストラン・アイガーグレッチャー」へ
濃厚な味のラクレットチーズが楽しめる
筆者がレストランでいつも注文するのはスイスの伝統料理ラクレット。溶かしたラクレットチーズと茹でたジャガイモをチーズが固まらない熱々のうちに食べる。赤い粉はパプリカ。酸味のあるピクルスは口直しにぴったり。チーズフォンデュには白ワインが入っており、お酒が苦手という方にラクレットはおすすめ。何度食べても飽きない。チーズにはスイス産の白ワインが合う!
レストラン自慢のケーキ
ここのクレームシュニッテは絶品。甘すぎずサクサクの触感。ケーキのボリュームたっぷりなのでランチは控えめに。筆者のお腹にはラクレットの量がちょうどよく、デザートを食べる余裕ができるのだ。お茶をしに訪れるだけでもおすすめな場所。
窓側の席の特典
レストランの横にはユングフラウが間近に迫っている。近すぎて分からない方もいるかもしれない。
5つ星ホテルで贅沢な時間を過ごしてみる
ソファ席でゆったり心を落ち着かせる
カフェ好きな筆者がもう一つおすすめしたい場所が。グリンデルワルトにある5つ星の「ロマンティックホテル・シュヴァイツァーホフ」。宿泊は最高に素敵な時間とお部屋だが、経済的に…という方にはバーエリアがおすすめ。ゆったりとしたソファが並ぶ。スキー後の休憩や夜にお酒を飲みに行けば贅沢な時間を楽しむことができる。スイスに来たらぜひラグジュアリーなひとときを楽しんでいただきたい。
バーでスイスワインを楽しむ
通りから見ると、ライトアップされたスイス風の赤い窓のホテルは幻想的でロマンティック。心がときめく。バーでスイスワインやスイスで有名なアプリコットや洋ナシの蒸留酒を楽しんでいただきたい。
天候が悪くても楽しめるインターラーケン
悪天候でスキーの気分でない日は電車でインターラーケンの街まで降り、ショッピングを楽しむこともできる。オスト駅からウェスト駅まで店舗やレストランが並ぶ。
ホテル・メトロポールの入っている建物に新設されたお土産物ショップ「トップ・オブ・ヨーロッパ・フラッグシップストア」の中には、リンツのチョコレートやスウォッチ、ビクトリノックス、Tシャツや小物のお店が入っている。ユングフラウエリアの各種チケットも購入できる。スイス国内の主な鉄道、バス、湖船の路線が乗り放題になるスイストラベルパスを使い、割引区間であるロープウェイや登山鉄道のチケットを追加で、移動するのがおすすめだ。
緩和されたスイスの行動制限最新事情
スイスでは2022年2月17日以降、スイス国内の行動制限の一部が緩和された。レストラン内での接種証明の提示やマスクの着用義務も廃止された。例外として、公共交通機関ではマスク着用義務となっている。スイス入国時の検疫措置(ワクチン接種証明、回復証明、または、陰性証明の提示義務)が撤廃され、入国フォームも不要になった。
いつの日かスイスへスキーに来る際にはユングフラウエリアを訪れ、ユングフラウ三山の絶景を見て心を癒していただきたい。
【スイス旅行のお役立ち情報】
●ユングフラウエリア情報
https://www.jungfrau.ch/en-gb/
●スイス情報
myswiss.jp
●お得な交通パスの情報
https://www.myswitzerland.com/ja/planning/transport/tickets-public-transport/
(取材協力:ユングフラウ鉄道グループ、スイス政府観光局)
【アイガー・エクスプレス誕生の記事】
アイガー・エクスプレスやユングフラウヨッホについては、こちらの記事もぜひご覧ください。
「ヨーロッパ最高地点の鉄道駅ユングフラウヨッホへ最速!アイガー・エクスプレス誕生!」https://www.bepal.net/trip/overseas/141074