アウトドアトリップを楽しむために必要不可欠な飛行機。海外へと自由に行けるようになったら、環境に配慮しているかどうかも、その航空会社を選ぶ一つの理由。2022年3月1日(火)、ANAは「人に、環境にやさしい国際線機内食」をテーマに2つの取り組みを実施します。国際線エコノミークラス機内食のサラダには、調理残渣(ざんさ)の循環型仕組みが導入されたソフトケールが彩りを添え、国際線ビジネスクラス軽食メニューには脂質・カロリーを大幅カットした肉不使用でヘルシーなかつ丼が登場。新しい取り組みを詳しくご紹介します。
めぐりめぐって、また機内食に。エコノミークラス機内食のサラダがリニューアル
2022年3月1日(火)からサステナブルに進化するカップ入りのミックスサラダ。機内食製造時の調理残渣からリサイクルされた堆肥を使用して育った「ソフトケール」がメインとしてあしらわれています。対象は国際線エコノミークラス日本発国際線全路線(中国大陸、香港、台北、マニラ、ソウルおよび深夜便を除く)。
このソフトケールが機内食として提供されるまでの道のりは、まずANAの国内線および国際線(日本出発便)の機内食を製造する(株)ANAケータリングサービスの成田工場で発生した調理残渣を、千葉県内のみどり産業(株)が収集。そしてみどり産業(株)が残渣をリサイクルして堆肥化し、この堆肥を使用してソフトケールを生産。育ったソフトケールをANAが仕入れ、国際線エコノミークラス機内食のサラダで提供されるという流れです。つまり、ANAの機内食で発生した残渣が、めぐりめぐって、また機内食に活用されるという循環型の仕組みなのです。
(株)ANAケータリングサービスでは2008年より食品リサイクル法に準拠し、調理時に出る残渣は堆肥や飼料へ100%リサイクルしてきましたが、今回の取り組みはそれをさらに発展。今後もこのソフトケールの事例のように、循環型仕組みを用いた機内食を展開する予定です。
ソフトケールは通常のケールに比べて柔らかく、苦みが少ないのが特徴。実際筆者も試食してまったく苦みは感じず、ソフトケールのアクセントが加わったことで、より上質なサラダにグレードアップした、という印象でした。
まるでお肉!ビジネスクラス軽食メニューのヘルシーなかつ丼がおいしい
同じく2022年3月1日(火)からの取り組みとして開始されるのが、軽食メニューのヘルシーなかつ丼!対象は国際線ビジネスクラス日本発北米、ヨーロッパ、インド、オセアニア路線です(ホノルル、ウラジオストクを除く)。大豆おからとこんにゃく由来の新・ヘルシー食材「Deats」を使用し、一般的なかつ丼と比べてカロリー約4割カット、脂質約5割カット、さらに食物繊維約5倍という、カラダが喜ぶ健康メニューなのです。軽食は1回目のお食事終了後自分の希望で食べられるもので、今まではラーメンやサンドイッチなど重量感のあるメニューが多かったのですが、罪悪感少なく軽食を楽しめるようになりました。
ANAは肉不使用のかつを作るにあたって、さまざまな企業の大豆ミートを検討し、大豆の香りが少なくシェフの味付けを活かせる「」を採用。肉肉しい食感、弾力、厚みなど細かな点までこだわり、共同でオリジナルの「Deatsかつ」を開発しました。食べてみると一般的な大豆ミートのような大豆の香りはせず、言われなければお肉と勘違いしてしまいそうなほどのおいしさとボリューム感。半熟に仕上がったトロトロの卵もさすがのクオリティーです。
さらに驚くのは「ごはん」。「白米」とDeatsブランドの「こんにゃく米」を半々で混ぜ込んでいるのですが、味は通常の白米のごはんとほぼ変わりありません。ごはんの甘みがこんにゃく米で半減してしまっていることを、濃いめの甘辛タレでカバーし全体をまとめているのがANA和食料理長・森誠剛さんのこだわり。そのため、カロリーは大幅にカットされているのに一般的なかつ丼と遜色ないほどおいしく食べられるのです。
このヘルシーなかつ丼は、ANAの取り組む「食のユニバーサル化推進」の第2弾。第1弾は2021年10月に実施され、「カラダにやさしい健康メニュー」をテーマに、低糖質(DBML)・低脂肪(LFML)・低カロリー(LCML)、そして低塩(LSML)の4種類の機内食が「特別機内食(スペシャルミール)」のメニューに加わっています。現在、特別機内食で選べるのは24種類。特別機内食は事前予約が必要ですが、「みなさまの多様な食習慣に合わせて、気兼ねなく選んで欲しい」というANAの想いが込められています。
人や環境に配慮し、さまざまな進化を遂げているANAの機内食。海外へアウトドアトリップできるようになった暁には、ANAのサステナブルな「ミックスサラダ」にご注目ください!ベジミート