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    2019.02.13

    遊びがうまれる、冬の山道散歩[読者投稿記事]

    立春を過ぎて、平地では春の訪れを感じている人も多いと思いますが、我が家のある北陸の山奥では春の兆しはまだほんの微か。相変わらずの雪景色です。
    そんなある日、4歳の息子と二人で雪道を散歩。家の向かいの山へ続く道路を登って行きます。
    雪の止んだ静かな道を、ただ二人でてくてくと歩くだけ。でも息子からは、次々と遊びがうまれます。
    アスファルトに薄く残った雪を見て、「顔みたいだねー」。次は道路の脇に高く続く雪の壁にぐいぐいと腕を押し込んで穴を開けて、「ねずみのかまくら」。豪雪地帯で育つ彼にとってはかまくらも身近なもの。その発想に思わずぷっと笑って、感心してしまいます。
    少し走っては膝をつけて転んでみせ、「わざと転んでるの」、足を広げて立ち股の間から顔をのぞかせて「さかさま」。
    小さなつららを手に取って、私のほっぺに当ててきます。よく考えたら、私はつららの冷たさを肌で感じたことなんかなかったかも。と思ううちに、本人はつららを笛に見立てて吹いているのでした。
    少し歩くと今度は「お母さん、抱っこして見せて」積もった雪の壁がすでに彼の背丈より高いので、壁の向こうの景色が見えないのです。持ち上げて見せてやると、「絶景だねー」なんて、どこで覚えたのか。
    そんなふうに、なんの道具もなくても、ただ歩いているだけでも、息子からは次々と遊びや言葉が生まれてきて、散歩と言えば歩くだけしか能のない私はしみじみと「子どもってすごいなあ」と思ってしまうのでした。


    ※こちらの記事は過去の読者投稿によるものです。

    mm.kugaiさん

    北陸地方の山奥深く、豪雪地帯の小さな村で息子と二人暮らし中。毎日の暮らしが山や自然と隣り合わせです。

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