でも、そこで回収された枝葉はただ燃やされてしまう。
最近、クリーンセンターが改修されたので、焼却熱を利用した地域発電が行われるのじゃないかと期待したが導入されなかった(残念)。
焼却炉で燃やされるだけだと、折角樹木がため込んだCO2を、燃料を使って空気中に戻すだけのことになる。
郊外の住宅地でできる範囲で、枝も葉っぱもできるだけ活用してみたい。
今回剪定したのは月桂樹=ローリエ。スーパーやデパ地下に行けばそれなりの値段で売っているれっきとしたスパイスである。生木の状態でも使えるが乾燥させれば保存もできる。人に配っても喜ばれる。
柚子も、二階の窓まで届くと、その分を伐ることにしている。
果実に負けないくらい香りが強いのでなにか活用法がないかと考えているが、今のところお風呂に入れるくらいしか思いつかない。
ネットで調べてみたら「柚子の葉は邪気を払うと言われていて、日本料理の飾りにも用いられる」とあった。なんと1枚30円で売られていた!知ったところでルートがないから売りようがないけど。
枇杷の葉も、毎年実を採るとき一緒に刈り込む。枇杷茶にしたりお灸にしたりするとガンにも効くという話がある。でも、どうなんだろう。家族に試したことがあるけど期待した効果はなかった。ガンは人によって効果のあるクスリが違うから恩恵を受ける人もいるのだろうなあ。
1本の木を剪定すると「こんなにあるの!」とビックリするくらいの嵩になる。木でいるときはそんなでもないのに……本棚から本を出してみるとそのボリュームにおどろくのに似ている……かな。
乾燥しても追っつかない分は庭に敷き詰めてみた。
これは大正解。踏みしめる度に洋食屋を思わせる香りが立ちこめる。乾燥しきって砕けても時折香ってくる。
柚子でも香りの効果は得られる、が、枝に鋭いトゲがあるので、うっかりするとサンダルの底を突き破って足底を直撃されるから、地面に蒔く場合は葉っぱだけにした方がいい。
太めの枝は、たまに庭で行う飲み会の時の焚き火とキャンプの焚き火用として積んでおく。屋根がなくても直に土に接しないようにして、細い枝と葉っぱで覆いをつくってやれば数か月は腐らない。
クラフトで出た切り屑は、別のゴミと一緒にならないようにしておくと、スモークチップとして使える。
中にはキョウチクトウのように、燃やすと有毒ガスがでるものもあるからチェックして使いましょう(本誌の「植物珍百景」でも紹介されていたけど夾竹桃はかなり危ない。うちの相方は子どもの頃、庭で夾竹桃を燃やして倒れかけたことがあるそうです)。
■ポプリ
おが屑(切り屑)はポプリにも使える。葉っぱを混ぜてもいいですね。
ポプリの和訳は「雑香」(『赤毛のアン』の中でby村岡花子)……いい造語だ。最近は「雑」という言葉が廃される事が多い、「ミックス」なんて言い換えているけど小賢しい。雑でいいじゃん。
スモークにも使った中華鍋の把手が限界に来ていたので剪定枝につけ替えた。長すぎるようだけど、メインシェフ曰く、両手で持って振るときにはこれくらいあった方がいいとのこと。
■できるだけ土に戻す
あとはできる範囲で土に戻そう。
ご近所の方がクヌギやナラの落ち葉を集めて、せっせとポリの可燃ゴミ用袋に詰めている……そんなことしないで集めたものを目の前にある木の根元に戻せばいい。木の生えている場所は公共スペースだし、元々そこから来たものだから文句は言われない。風で吹き戻されない場所はいくらでもある。
「捨てればゴミ、戻せば肥料」といいたいけど……カドを立てずに意見具申するのは(特に人生の先輩には)難しいなあ。
桜の剪定にはなにかと楽しみが多い。
お楽しみは秋まで持ち越しかな。
※こちらの記事は過去の読者投稿によるものです。
yuzuさん
野外活動好きのイラストレーターです